「遅刻や遅刻やー!」
遠くから聞こえてくる声だけを頼りにアリスは走り続けた。
やがてその声もさらに遠ざかり、既に途切れ途切れにしか聞こえない。
アリスはぜえぜえと荒い息をしながら立ち止まった。
「ど、どこ・・・・白ウサギ・・・・」
疲労困憊の子どもが見たら泣きだすような顔で、アリスは低く呟いた。
あの森を抜けてすぐに白ウサギの声を聞いて走ってきたが、彼の姿は見えない。
やはり勘で進んできただけあって、アリスは立派な迷子になっていた。
「どこだよ白ウサギー!もう捕まえて見世物小屋に売ろうなんてしないから帰り道教えてー!」
アリスの必死の叫びがあたりに響く。
それはこの得体の知れない世界に独りという現実をアリスに突きつけただけだった。
途端に押し寄せてきた心細さに、アリスは泣きそうになった。
この世界に自分が知っている人も、自分を知っている人も一人もいない。
滲んだ涙をぐいぐいと拭って、アリスはずずっと鼻を啜った。
元気を出そうとして顔を上げても、わからない行き先に肩を落とす。
そのままアリスはとぼとぼと歩き出した。
あの森を抜けると道に出た。
道といっても脇を森に挟まれたそんなに広くはない道だ。
青々とした草は、アリスが歩くたびにさくさくと音を立てる。
心細さにまたアリスがずっと鼻を啜った、そのとき、
「こんにちは、可愛いお嬢さん。どこへ行くんだい?」
突然降ってきた声に、アリスは驚いて顔を上げた。
横に振り向くと、派手な帽子を被った派手な格好の男が、片腕で木に寄りかかってアリスを眺めていた。
「一緒に紅茶はいかが?」
そう言って男は不敵に笑んで見せた。
夢の国のアリス<帽子屋編>
「どうぞ」
「あ、ありがとう・・・・」
かちゃりと音を立てて、男は高級そうなティーカップをアリスの目の前に置いた。
白い上品なカップには、赤が強い澄んだ紅茶が注がれている。
湯気と一緒に昇るいい香りに、アリスは思わずそれを吸い込んだ。
「紅茶は好きかい?」
「はい。とっても」
「それはよかった」
アリスはいただきます、と断って紅茶のカップを持ち上げた。
ちらりとまわりに目を向ける。
白いテーブルクロスがかかった長いテーブルの真ん中に、綺麗な花が飾られている。
座り心地のいい椅子が向かい合って10脚ほど並んでいるが、アリスと男以外には誰もいない。
その前にはちゃんとティーカップとお菓子用の皿とフォーク、ナイフ、スプーン、ナプキンが用意されている。
小さなカップケーキにサンドイッチ、チョコレート、クッキー、スコーンなどお菓子もいろいろだ。
どれもとても美味しそうで、手作りのように見える。
この男が作ったんだろうかと思って、その様子を想像してみるととても似合わなかった。
アリスはあたりを観察し終えると、こくりと喉を鳴らして紅茶を飲む。
「美味しい・・・・」
「そうかい?それはよかった」
思わず呟いたアリスに、男はにこっと笑った。
程よい温度で、きっと淹れ方も完璧なのだろう、紅茶はとても美味しかった。
ストレートが苦手なアリスも、これなら飲める。
「お嬢さん、お名前は?」
「アリスって呼ばれてます」
「そう、アリス、とてもいい名だ。私もアリスと呼ばせてもらってもいいかい?」
「はい」
ありがとう、と言って男は紅茶を飲んだ。
その姿がとても絵になる男だ。
確かに帽子は奇抜だが、それすら似合うとても端麗な容姿だ。
海のような碧眼に、薄い茶色の髪、通った鼻筋にすらっとした身体、そして甘い声。
黒のシルクハットに少し暗い赤の布を巻きつけ、黄色の装飾と白い房、暗い青の薔薇を飾りにしている。
中の生地が赤色の黒のコートにグレイのチョッキ、その下には白のシャツを着ている。
シャツのレース襟の上から首に巻いた白のスカーフは、自由に風に遊ばせている。
男はカップをソーサーに置くと、ジャケットの下から出ているシャツのレースの袖の埃を払った。
「あ、あなたは?」
「私かい?私は帽子屋だ」
アリスは男の名前を聞いたつもりだったのだが、男はそう言って名乗りはしなかった。
男改め帽子屋はダイヤのような宝石のついた黒のステッキでこつこつと地面を叩いた。
「アリスは何故ここに?」
「あ、俺白ウサギを探してるんですけど」
帽子屋はほう、と呟いて何かを考え込み始めた。
鳥がチチチ、と小さく鳴いた。
たっぷり5分ほど考え込んで、帽子屋は不意に顔を上げた。
「彼なら見たなぁ」
「え?!い、いつ?!どこで?!」
「君をお茶会に誘う10分ほど前だろうか。彼と三月ウサギと一緒にお茶会をしたよ」
紅茶を啜りながら帽子屋はのんびりと言う。
帽子屋の左目の金縁のモノクルが太陽の光を受けてきらりと光った。
それで?!とアリスは身を乗り出して問い詰めた。
「一緒に楽しくしていたら三月ウサギが彼の時計を壊してしまってね。彼は怒ってどこかへ行ってしまったよ」
「ど、どっちに行きましたか?!」
「あっちだったかな」
そう言って帽子屋は振り返った方向に指をさす。
アリスはナプキンで口を拭うと勢いよく立ち上がった。
「俺行きます!ご馳走様でした!」
そう言って走りだそうとしたとき、
突然ぱしっと軽い音を立てて腕を掴まれた。
振り返ると、いつの間にかアリスが座っていた椅子の隣の椅子に帽子屋が座っていた。
帽子屋は頬杖をついたまま、アリスを見上げてにっこりと笑った。
「お茶会はまだ終わっていないよ。それに突然立ち上がるなんてお行儀が悪いよ、レディ?」
笑みを浮かべたまま、帽子屋は細めたその目を薄く開く。
ぞわっと、得体の知れないものがアリスの背筋を震わせた。
心臓がどくん、どくんと重く鳴るのを感じながら、アリスはゆっくり椅子に座りなおした。
それを見た帽子屋は満足そうににっこりと笑う。
すっと離れた手が掴んでいた腕が、異様に冷たかった。
「サンドイッチはお好きかい?」
「は、はい・・・・」
帽子屋はサンドイッチを盛った皿を引き寄せると、それをアリスに差し出した。
アリスは礼を言ってそれを受け取る。
ふわふわの卵が挟まれたサンドイッチだ。
他にもハムとレタスを挟んだものや、ハンバーグとチーズを挟んだものもある。
恐る恐る一口かじると、口の中でパンと卵がまるで消えたようになくなってしまった。
甘味が効いたとろとろの卵とふかふかのパンは絶妙にマッチしている。
「美味しい」
「そうかい?それはよかった」
アリスの言葉に帽子屋は嬉しそうに笑った。
やっぱりこの男が作ったんだろうかと思ったが、アリスは想像するのをやめた。
何となく、思ったことを彼に読まれている気がする。
「あ、あの、白ウサギとお茶会をしてたんですか・・・・?」
「ああ、そうだよ。私と彼と三月ウサギの三人でね」
アリスの問いに帽子屋はにこっと笑って答えた。
三月ウサギが白ウサギの時計を壊してしまったとさっき言っていたが。
ちらりと目を反対側に向けると、確かに二席分ほどの皿やナプキンがぐちゃぐちゃになっている。
そのまわりには時計の部品らしきものが散乱していた。
「どうも私たちは彼に嫌われていてね。仲よくなろうと思ってお茶会を開いてもすぐに喧嘩になってしまうんだよ」
「三月ウサギとは仲がいいんですか?」
「私とかい?ああ、それはそれはとても仲がいいよ」
帽子屋の言葉にアリスはへえ、と声を漏らす。
帽子屋はにこにこと笑顔でまたアリスのカップに紅茶を注いだ。
シルクハットに巻きつけた布と同じ暗い赤の紐で結った、一部だけ長い後ろ髪がさらりと流れた。
「そんなに仲いいんですか?」
「もちろん。たまに殺し合うほど仲がいいよ」
帽子屋がずーっと紅茶を啜る音だけになった。
それは、仲がいいと言うんだろうか。
アリスはそう思ったが深くはツッコまないことにした。
何となく、ツッコんではいけない気がしたからだ。
とにかく、自分が決して足を踏み込んではいけない世界に来てしまったのは間違いない。
「アリス、お菓子はいかが?」
今度はチョコチップクッキーを帽子屋はアリスに差し出した。
外はさくさく、中はしっとりの理想的なクッキーだ。
生地の甘さをチョコチップのほろ苦さがカバーしていてとても美味しい。
美味しい、とアリスが言うと、帽子屋はまた嬉しそうに笑った。
そこでふとアリスは気付いた。
先ほどから何かを食べているのは自分だけだ。帽子屋は紅茶を飲むだけで何も食べようとしない。
一瞬毒が入っているのかと思って、思わずカップケーキを食べていた手が止まった。
「ああ、安心おし。毒なんて入っていないよ」
心を読まれたように声をかけられ、アリスの肩がびくりと跳ねた。
ですよねー、と意味のわからないことを言ってまたカップケーキを食べる。
そこでアリスはまた気付いた。
先ほどから帽子屋はにこにこと笑顔でアリスを眺めている。
居心地が悪い状況に気付いたアリスは、少しだけ身を捩る。
「あ、あの、帽子屋さんは」
「帽子屋でいいよ」
「帽子屋は何も食べないの?」
恐る恐る帽子屋に振り返ると、帽子屋は笑って少し首を傾げた。
彼の紅茶は既に空で、それに再び手をつける気はまだないらしい。
「そうだね。私はもっと美味しそうなものを見つけてしまったから」
「美味しそうなもの?何それ」
「そうだね。たとえば」
にこにこと笑顔のまま帽子屋はアリスに手を伸ばした。
思わず身体を竦ませたアリスの胸に手を這わせる。
「これとか」
「あッ!」
きゅっと服の上から乳首を摘ままれ、アリスは思わず身体を竦ませた。
黒い革の手袋をはめた手で、帽子屋はアリスの服の上からくりくりと乳首を弄った。
ひくひくと跳ねる身体に、帽子屋は目を細める。
「ほら、とても美味しそうだ」
「や、やう、だ、だめだよ帽子屋ぁ・・・・!」
気付くとアリスはいつの間にか帽子屋の膝の上に座っていた。
驚くアリスを余所に、帽子屋はアリスのエプロンドレスのエプロンの中に手を突っ込む。
下のドレスに手をかけると手際よくそれを緩め、中に手を差し込んだ。
滑らかな革の手袋の指先に強く乳首を摘ままれ、帽子屋の膝の上でアリスの身体が跳ねる。
「ひぁん!だ、だめ、だめこんなところで・・・・ッ」
「大丈夫。誰も来やしないよ。君と私だけのお茶会だからね」
そういう問題じゃない!と内心叫びながらアリスは身体を震わせた。
帽子屋はアリスの胸に手を這わせながら、するすると彼の足に手を這わせる。
短いスカートをたくし上げて、下着の中で緩く起ち上がっているそれを優しく擦った。
「あッ!あ、あ・・・・っ」
「ほら、これもとても美味しそうだ」
そう言って帽子屋はアリスの下着の中に手を入れてそれをぐっと握った。
びくりと跳ねたアリスの身体に、帽子屋は気をよくしたように笑う。
先走りを垂らすそれを革の手袋の手で扱かれる。
まるでにゅるにゅると音を立てそうなそれに、アリスは恥ずかしくなった。
「でも一番美味しそうなのは」
「あッ!」
椅子の上で向い合せに膝を跨らされ、アリスは思わず帽子屋の肩に掴まった。
散々胸を弄っていた手が、アリスの尻をするりと撫でる。
「やっぱりここかな」
「あ、あーッ!」
いきなり指をぐっと突っ込まれ、アリスは帽子屋の肩にしがみついて声を上げた。
手袋をしたままの指がアリスのアナルのナカを擦り上げる。
普通なら痛みを感じるはずだが、数十分ほど前まで花たちに散々弄られたそこは易々と帽子屋の指を受け入れた。
「おや、随分使いこんでいるらしいね。厭らしいお嬢さんだ」
「あ、あーッ、あー・・・・ッ!」
ぐぷぐぷとさらに奥にまで指を突っ込まれ、アリスは帽子屋の首にしがみつく。
ナカの肉を激しく擦りながら抜き差しされる指に、アリスは身体を震わせる。
アリスのペニスを握っていた手が、ゆるゆるとそれを上下に扱きだした。
「あ、アッ!だ、だめ、ぼ、し・・・・や・・・・い、イっちゃう・・・・っ」
びくんとアリスの身体が縦に跳ねると同時に、アリスは自身の下着の中で果てた。
帽子屋が下着の中から指を引き抜くと、黒の革の手袋の指の間を白いそれが糸を引く。
白い下着はアリスの精液でしとどに濡れていた。
「おや、もう漏らしてしまったのかい。まったく、君は我慢のできないイケナイ子だね、アリス」
「あ、あん・・・・は、はぁん・・・・」
射精の余韻に身体を震わせるアリスの顎を掴んで上を向かせると、帽子屋はその赤い唇に舌を這わせた。
艶やかに濡れた唇に舌を這わせると、アリスは口を開いて自ら帽子屋の舌に自分の舌を絡める。
帽子屋がその舌を引き寄せてそれに歯を立てると、アリスは艶めかしい吐息を漏らした。
「これが好きなのかい?」
「は、ぁん・・・・あ、す、すき・・・・」
帽子屋は喉の奥で笑って、そのままアリスの舌に舌を絡める。
くちゅくちゅと音を立てて絡まる舌から、唾液が糸を引いてアリスの膝に落ちた。
帽子屋は舌を離すと、アリスの精液で濡れた指を彼の口元に掲げた。
「君が汚したんだよ、レディ。君が綺麗にしなさい」
「あ、はん・・・・」
アリスはとろんとした瞳で従順に彼の指に舌を這わせた。
指の股に舌を這わせ、根元まで口のナカに咥えこむ。
皮の嫌な味に、アリスは一瞬顔を顰めた。
帽子屋は満足げに笑ってアリスのアナルから指を引き抜くと、アリスを膝から下ろした。
アリスを柔らかな草が生えた地面に膝をついて座らせる。
「何をするかわかるね?レディなのだから上手にできなければいけないよ?」
アリスは頷くと、帽子屋のベルトのバックルを外してチャックを下ろした。
まだ勃起すらしていないそれを取り出すと、そのまま奥にまで咥えこんだ。
入りきらない根元を手で扱きながら、口をすぼめて頭を前後に動かす。
少しずつ硬くなっていくそれが、アリスは嬉しかった。
「ん、んふ、ん、んむ、ん、ん・・・・」
「美味しいかい?アリス」
帽子屋の問いにアリスはこくこくと頷く。
帽子屋は喉の奥で笑うとアリスの短い薄茶色の髪を指で梳いた。
アリスは自分の唾液を帽子屋のペニスに絡めながら頭を前後に振りだした。
亀頭から僅かに滲んだ苦いそれに、アリスは一心に帽子屋のモノを舐めまわす。
口のナカに唾液と一緒に溜まったそれを飲み下した。
それでも飲み込み切れなかったそれが、開きっぱなしの口の端から溢れる。
段々硬く大きくなってきたそれに、アリスはさらに激しく頭を振る。
帽子屋は喉の奥で笑うと、アリスの頭の後ろにぐっと手を置いた。
帽子屋のペニスがアリスの舌の上で跳ね、青臭いそれを口のナカに注ぎ込んだ。
アリスは帽子屋のモノを咥えたまま、ごくごくと喉を鳴らす。
「ああ、よくできたねアリス。とても上手だったよ」
帽子屋はアリスの身体を引き上げると、テーブルにうつ伏せに倒す。
スカートをたくし上げて下着をずらせると、柔らかい尻の肉を掴んで左右に開いた。
「こんなにひくつかせて、イヤラしいレディだ」
「ひ、ひん・・・・っ」
帽子屋は薄く笑うと、ステッキでアリスの尻を軽く叩いた。
ダイヤのような大きな宝石をアリスのアナルに押し当てると、ぐっとそれを押し込んだ。
「ひ、あ・・・・あぁあ・・・・ッ!」
ペニスや玩具とは違う硬さのそれに、アリスはテーブルクロスに縋りついて喘いだ。
帽子屋はステッキをぐりぐりと捻じりながらアリスのアナルにそれを押し込んでいく。
アナルのナカほどにまでそれを押し込む頃には、アリスのペニスは先走りを零し始めていた。
「ひ、ひあ・・・・か、かたい・・・・おっきい・・・・っ」
「嫌いかい?」
帽子屋の問いにアリスはふるふると頭を横に振った。
帽子屋は笑って、ステッキを捻じりながら軽くアリスのアナルのナカを揺さぶった。
白い絹のテーブルクロスに縋りついてアリスは背を反らせながら喘ぐ。
「ひやぁん・・・・お、お尻のナカで、お尻のナカでこつこつしてるぅ・・・・!」
「おや、嫌かい?こういうのはお嫌いかな?」
「う、ううん・・・・すき・・・・すきぃ・・・・っ」
がくがくと足を震わせながらアリスは熱に浮かされたように喘ぐ。
帽子屋は喉の奥で笑って、アリスの身体を揺さぶるようにステッキを上下に揺すった。
一層甲高い声で喘いだアリスに、帽子屋は楽しそうに笑った。
自分のティーカップを引き寄せ、ポットを手に取る。
カップに紅茶を注いで、それを一口飲んだ。
帽子屋は顔を顰め、ポットの中を覗き込む。
「おや、もう温くなってしまっているようだ」
帽子屋は独り言のように呟いて、アリスのアナルから一気にステッキを引き抜いた。
大きく硬いダイヤがナカを荒々しく擦りながら抜かれる感覚に、アリスは背を反らせて悲鳴を上げる。
アリスはテーブルにうつ伏せのまま、ぐったりしながら荒い息を繰り返した。
大きく開いたアナルが、モノ欲しげにひくひくと引くついている。
「アリス、この紅茶が美味しいと言ってくれたね。もっといかがかな?」
帽子屋はにっこり笑ってポットの注ぎ口をアリスのアナルに差し込んだ。
それを傾けて、中の温い紅茶をナカに注ぎこむ。
「ひ、あ、あああぁぁッ!」
ナカに注ぎ込まれるそれに、アリスは背を反らせて喘いだ。
アナルでぐちゅぐちゅと音を立てるそれに、アリスは身体を震わせる。
帽子屋は薄く笑って、片手でアリスの腰を掴んで引き寄せる。
ひくつくアナルに自分のモノを押し付けると、一気に奥にまで捻じ込んだ!
「ひ、あああぁんッ!」
「うわ・・・・」
今までにない感覚に、さすがの帽子屋も驚きの声を上げた。
ぐちゃぐちゃと音を立てて腰を打ちつけながら帽子屋は喉の奥で唸った。
「いやぁん・・・・おしりのナカ・・・・おしりのナカびちょびちょになってるぅ・・・・っ」
「はは・・・・まるで馬と性交した後みたいだね、アリス」
帽子屋は楽しそうに笑って、椅子に座ったままアリスの腰を前後に揺さぶる。
アリスは机にしがみついてはしたなく喘ぐ。
激しい律動に、アリスのナカに注ぎ込まれた紅茶が泡立つ。
「あ、あひッ!は、はんっ、あ、あん、あん、あッ、あっ、あッ!」
「随分締め付けてくるな。本当にはしたない」
ひっきりなしに喘ぐアリスを見下ろして、帽子屋は酷薄に笑う。
しかしアリスは帽子屋の言葉など聞こえていなかった。
快感にすべてを委ね、浅ましく自ら腰を振って喘ぐ。
聞いていないね、と帽子屋は肩を竦めて楽しそうに笑った。
「い、イク!イク!イっちゃう!あ、あんッ!は、あ、ああぁッ!」
前立腺を強く抉られたと同時に、アリスは激しく身体を震わせて吐精した!
一層強くなった締め付けに喉の奥で呻いて、アリスの腰に腰を打ちつけて帽子屋は最奥に熱を放つ。
温かった紅茶とは違う熱いそれに、アリスは身体を震わせる。
「は、ああぁん・・・・あ、熱い・・・・あついぃ・・・・っ」
「は・・・・ふふ、嫌いかい?」
「ううん・・・・好き・・・・すきぃ・・・・!」
もっともっとと浅ましく腰を振って強請るアリスに、帽子屋は酷薄に微笑んだ。
帽子屋は椅子に座り直すと、アリスを自分の足の上に座らせた。
「あ、あぁん・・・・ふ、ふか・・・・ふかい・・・・っ」
「こういうのも好きなんだろう?」
帽子屋の問いに、アリスは必死で頷いた。
帽子屋は薄く笑ってアリスの膝の裏を掴んでその身体を持ち上げる。
その細い身体を激しく上下に揺さぶりながら、帽子屋は下から荒々しくアリスの身体を突き上げた!
前立腺ばかりに激しく打ちつけられ、アリスは悲鳴のような声を上げて善がる。
「ぼ、ぼうし、や、ま、また、またイっちゃう!」
「おやおや、本当に我慢のならないお嬢さんだ」
アリスの顔を覗き込んで、その頬を伝う快感の涙を舐めた。
細い身体がひくんと震え、帽子屋のモノを受け入れるソコがきゅっと締め付ける。
まさかの予想していなかった快感に、帽子屋は不覚にもうっと喉を鳴らしてしまった。
アリスの身体を抱え直しながら、彼は初めて余裕のない笑みを浮かべる。
この少年にその顔を見られなかったことは、彼にとって不幸中の幸いであった。
帽子屋は他人に隙や余裕のないところを見せるのをよしとしない性分だった。
ぎいぎいと椅子が軋む音と、ぐちゅんぐちゅんと激しい水音が空気に響く。
上下に揺さぶられるアリスの身体と、その身体を激しく突き上げる帽子屋の腰がぶつかるたびに乾いた音があたりに響いた。
「き、きもち、イ・・・・い、イっちゃ・・・・イっちゃ・・・・ッ!」
アリスの喘ぎに笑って、帽子屋はさらに激しくアリスの身体を突き上げた!
アリスは甲高い声で喘ぐと、悲鳴のような声を上げて激しく吐精した!
身体を震わせながら絶頂に身を任せるアリスに笑って、帽子屋も腰を揺すってそのナカに精を吐きだす。
「あ・・・・あ、はぁ・・・・ん・・・・あ、あ、あ・・・・っ」
ナカに流し込まれる熱いそれに、アリスは身体を震わせながら恍惚の笑みを漏らした。
帽子屋は喉の奥で笑うと、アリスのアナルのナカの紅茶と精液を混ぜるようにナカをかき回した。
帽子屋はアリスの身体を持ち上げると、ぐぷんと重たい水音を立てて自身を引き抜いた。
その身体を自分の膝を上から下ろすと、アリスはぐったりと地面に崩れ落ちた。
帽子屋はティーポットに紅茶の葉を入れ湯を注ぐと、絶妙のタイミングでそれをカップに注いだ。
それの匂いを感じ、一口飲んで、相変わらずの自分の紅茶の腕を内心自賛した。
アリスは柔らかい草の上に寝転んだまま、まだ荒い息をしている。
そんなアリスに目もくれず、帽子屋は自分が淹れた紅茶を満足そうに堪能している。
紅茶を飲み干して、白のカップを揃いのソーサーに置いた。
「もう一度お茶はいかがかな?お嬢さん。・・・・おや」
先ほどまで草の上でぐったりしていたアリスはいつの間にかいなくなっていた。
逃げられたか、と帽子屋は楽しそうにくつくつと笑う。
もう一度カップに紅茶を注いで、それに舌鼓を打って満足げな声を漏らした。
「(アリス、か・・・・)」
紅茶を啜りながら、帽子屋はその名を胸の中で呟く。
ふふ、と満足げな声を漏らした。
「彼女には是非もう一度、私のお茶会に参加してほしいねぇ・・・・」
クッキーを一枚摘まみ上げ、それの向かい合った端を人差し指と親指で持つ。
パキンッと乾いた音を立ててクッキーは真中から真っ二つに割れた。
小さな破片と一緒に白いテーブルクロスの上に落ちたそれに目も向けず、帽子屋は喉の奥で笑いながら紅茶を飲んだ。
「・・・・あ」
そこで彼は、先ほどアリスが自分にバレないようこっそり去っていった方向を思い出した。
彼の脳裏に彼曰く、「殺し合うほど仲がいい」友人の姿が浮かんだ。
「あっちは三月ウサギの縄張りだけど・・・・」
紅茶を啜って、一息吐く。
「・・・・まあいいか」
そう呟いて帽子屋はもう一度、紅茶を優雅に啜った。
<帽子屋編・Fin>
<next⇒三月ウサギ編>
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帽子屋はこの得体の知れない世界で世界で一番得体の知れない存在です。
得体が知れないを軽くすっとばしてむしろ不気味。アリス可哀想w ←
でもこの話での龍瀬の一番のお気に入りキャラ。こいつの服描くのも好き。
つーか、帽子屋、性癖親父・・・・?若干有岡入ってますね(笑)
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