「1789年に起こったのがこのフランス革命だ。この革命はフランス王家への国民の不満が」
淡々と授業をこなす月代、いや先生を俺はぼんやりと眺める。
仕事中だけかけている銀のフレームのメガネは先生によく似合う。
赤フレーム眼鏡にしてよ。そしたらAVみたいじゃね?って言ったら容赦なく教科書の角で、しかも満面の笑顔で殴られた。
笑顔は可愛いんだけど、教科書の角は痛いんだよなぁ。
よし、今度からあれを「教科書の角ギロチン」と呼ぼう。うわあ俺ネーミングセンスねー。
「この革命の幕開けとなったのがバスティーユ牢獄襲撃。このバスティーユ牢獄は元々政治の犯罪人を収容してる牢獄で」
先生の説明はどんどん続いていくけど、俺はただぼんやりと先生だけを見つめる。
ホント先生ってどれだけ見てても飽きない。前は見過ぎてたらしくて顔真っ赤にして怒られた。あれ可愛かったなぁ。
表情を変えずに授業を進める先生をじっと見つめる。
ああ、やっぱ昨日の夜とは別人だなぁ。
昨日俺の下で散々喘いで声上げてたのがまるで別人だ。
昨日も可愛かったなぁ。泣きそうな顔で「ありおかぁ」なんて言われて理性保ってた俺凄い。
顔も身体も真っ赤にして、目ぇ潤ませて、必死で俺に抱きついて、舌足らずに俺の名前呼んで、
昨日だって、偉人の功績を並べ立てるあの口で、俺を、
・・・・あ、ヤバイ。思い出したら勃ってきた。
落ち着け、落ち着け俺アンドマイソン。んな授業中におっ勃ててたらただの変態だぞあもう変態か。
・・・・あー、今日もシたいな。でも嫌がるかな?今日も遅刻寸前だったみたいだし。
まあこんな意味ありげに言ってるけど、俺と先生って、
まだ繋がってないんだよね。
俺も先生も詳しいヤり方知らないし、それにそういう話になるといっつも先生とどっちが上かで揉めるんだよな。
つか先生が俺に抱かれる方が自然だろ?俺が先生に抱かれてるなんて想像するだけでぞっとする。
まあでも先生は俺と逆のこと言ってたな。まあそうだよな。男は上って相場が決まってるしな。
別に先生は俺を抱きたいわけじゃないらしいけど。俺は何て言うかなー、先生をアンアン喘がせたいんだよね。
何つーかな、征服欲?制服欲じゃねえぞ。そこまで変態じゃねえ、と思いたい。いやでもいいな制服。
先生はあれだよな、プライド高いから誰かに抱かれる自分が許せないんだろうな。うわ可愛い。
そこで俺はふと、我に返る。
俺の目の前に誰かが仁王立ちする気配。いや、みなまで言うな。
「あーりーおーかぁ、てめえ、俺の授業でぼんやりするなんざいい度胸だなぁ?アァ?」
あーこれはヤバい。俺今顔が引きつったのがわかった。
目の前には顔に影が差してる上に青筋と引きつった笑みを浮かべてる先生。
うん、先生の笑顔って世界中の誰よりも可愛いけど、これはいただけない。
先生はにこっと笑って(これはめちゃくちゃ可愛いんだけどなぁ)、教科書の角を振り上げる。
激痛に悶える中、俺は絶対先生を押し倒してやると誓った。やっぱ俺バカだ。
愛してティーチャー!<初めて編>
「男同士のヤり方、ねえ。何?あんたそっちのクチ?」
「ちげえよ。好きになった奴がたまたま男だったんだ」
目の前でずーっと紙パックに入ったジュースを啜る男を眺める。
短い髪は金髪で、耳にはいくつもピアスをしている。
肌はいい感じに焼けていて、目は鋭く猟奇的だ。
背は俺と同じくらい、か?まあ今は座ってるからわかんねえけど。
ガタイは俺よりちょいでかいぐらいかな?
まあこいつが黒凰で有名なゲイカップルの片割れだ。つかウチの学校多いらしいな。まあ男子校には付きものか。
名前・・・・何だっけ?加納竜吉、だったか。忘れた。
明らかチャラいこいつがゲイとは、意外だな。女はべらせてそうなのに。
「へー、じゃあ俺と同じだな。俺も惚れた奴がたまたま男でさぁ」
「んなことどうだっていいんだよ。さっさと教えろ」
そのためにジュース奢ってやったんだ。お前の馴れ初めなんか興味あるか。
不満そうな顔で加納(多分)がブー垂れてたが、ジュースを飲むと機嫌が直ったらしい。単純だな。
「まあいいや。で?あんたは攻?受・・・・じゃなさそうだけど」
「・・・・せめ?うけ?」
何だそれ?ボケとツッコミの親戚か?いやいやんなわけあるまい。
多分意味わかんねーって顔してたんだろうな、俺。
俺の顔を見た加納(多分)が驚いたように目を丸くした。
「お前、そんなことも知らねえでヤろうとしてたのか?」
「知らねえからわざわざお前に聞きに来たんだろうが」
はあ、それもそうだ、と加納(多分)がまだ驚いてるように言う。
加納(多分)はさらにずーっとジュースを啜る。べこっと音を立ててパックが潰れた。
「んー、受と攻って言うのは、簡単に言えば男役か女役かってことだよ。攻が男役、受が女役」
はーなるほど、それで「せめ」と「うけ」ね。確かんなこと桃が言ってたな。
それで、と加納(多分)が話を続ける。
「俺はあんたを攻として話を進める。体格的にあんたが攻だろうし、俺受じゃねえし」
「ああ。じゃあそうしてくれ」
俺も是非その「せめ」がいい。
つか先生のあの細い腕で俺を押し倒せるとは到底思えない。
話の続きを待っていると、加納(多分)がうーんと声を上げる。
「つーか、男同士のSEXの説明なんて難しいな」
「そうなのか」
「当たり前だろ。実践できりゃ一番なんだがな」
いや、それは俺が勘弁してほしい。
二日前に家に帰ったとき桃の部屋から薄っぺらい本を拝借して読んだけど、半分ぐらいで挫折した。
・・・・つかあれ18禁って書いてなかったか?あいつ確か今中2だよな?
・・・・よい子はマネしちゃダメだぞ。
そのときパタパタと誰かが廊下を走ってくる音。
ガラッと教室のドアが開く音とほぼ同時に加納(多分)があ、と声を上げた。
「たつよしー、ごめんね、遅くなっちゃって」
「亮、ちょうどよかった」
教室に入ってきたのは同学年でマドンナって言われてる阿嶋亮だった。
マンドンナっつっても列記とした男だし、ただ女顔ってだけであって、・・・・。
つーか、え?!こいつの恋人って阿嶋なのか?!
「どうしたの?」
「こいつ知ってる?えっと・・・・名前何だっけ」
振り返った加納(多分)に俺の顔絶対今引きつった。
くそ・・・・でも文句言えねえ。
阿嶋が振り返って俺を見て、驚いたように目を丸くした。
「有岡君だよね?確かC組の」
「何だよ。知ってんのか?」
「うん。入学式のとき席隣だったもん」
・・・・あれ?そうだっけ?
あー、そういえば確か横の席の奴が結構可愛い奴だなって思った。
まあ後で男子校だったこと思い出したけど。思い出してよかったとあんときゃ思ったよ。
「髪もすっごく綺麗だし、カッコいいなって思ってたんだ」
「あ、んだよりょー。浮気かぁ?んなことしたら首輪つけて拘束して監禁するぞぉ?」
「もー、竜吉ってば焼きもち妬きなんだからぁ!僕が好きなのは竜吉だけだよ?」
いやいやいやいや!ツッコむとこそこなのか?!
こいつさらっと笑顔でめちゃくちゃ恐ろしいこと言ってたぞ?!いいのか?!
目の前で平然とイチャイチャしてる二人に俺は心の中でツッコむことしかできなかった。
何となくこいつら二人には、んなことツッコんじゃいけねえって思ったんだ。
「それで有岡君がどうしたの?」
「何か男同士のヤり方教えてほしいんだとよ」
おお、ストレートに言ったなこいつ。俺も大概ストレートだったけど。
阿嶋は元々でかい目をさらにでかくして瞬いている。
うん、まあ、普通の奴はそうなるよな。
「え?知らないの?!」
え、そこ?驚くとこそこ?!
阿嶋を膝に乗っけてだよなー俺も驚いた、なんて加納(多分)が言ってる。
お前もそこに驚いてたのか?!
頭ん中なのに何かどっと疲れた。もういい。さっさと聞いて帰ろう。
「だからさ、簡単にささっと教えてくんねえ?」
「いいぜぇ?まず」
そう言って加納(多分)が阿嶋の服の中に手を突っ込んだ。
て、えええぇぇッ?!こいつマジで実践する気か?!
やめろ!トラウマになったらどうすんだ!
「もうグダグダになるまで愛してやんだよ。好きだとか愛してるとか思ってなくても言っとけ」
「いや、思ってなきゃ言えねえだろ、んなこと」
しかも相手男だし。
俺のツッコミに、加納(多分)はにやりと笑う。
阿嶋の服の中で加納(多分)の手が這いずり回っているのがわかる。
「あ、ああ・・・・やだよ竜吉・・・・有岡くんが見てるよぉ・・・・!」
「知りたいっつってんだから教えてやってんだろ?大体、お前こういうの好きだろ?」
そ、そうなのか・・・・純そうな顔してえげつねえ奴だな。
阿嶋は女顔だし声変りも酷くねえから、まあ何つうか可愛いんだけど、
俺、人のSEX見る趣味ねえんだけどな・・・・。エロ本もAVも見ねえし。
「乳首は男も女も性感帯だからな。最初はあんまだろうけど、とりあえず吸ったり噛んだりしとけ」
て、適当ー・・・・。お前絶対教える気ねえだろ。
つーかこいつただ見せびらかしたいだけだろ?!
「あ、あんッ!たつよし・・・・たつよしぃ・・・・ッ」
「あ、あの・・・・とりあえず簡単に説明してくれればいいんですけど・・・・」
ヤバい。本格的に気持ち悪くなってきた。
前もダチに無理矢理押し付けられたAV見て吐いたんだよな。しかも洋モノ。
洋モノは・・・・洋モノは規制もねえしヤってることもヤってることだからな・・・・。
それに自分がヤんのは好きなんだけど、他人の見んのはちょっと・・・・。
加納(多分)がちぇーと言いたげに唇を尖らせた。可愛くねえしキモイぞ。
「とりあえず受は痛いからな。最初だろうが何回ヤろうが。泣いても慣らすのやめんな」
「な、慣らす?」
慣らすって・・・・何を?
俺の言葉に加納(多分)が目を丸くして驚いている。
そんなことも知らねえのか、と言いたげだ。悪かったな。
まさか自分がそっちの道に走るなんて思ってもみなかったんだよ!
「ここだよ。こーこ」
「あんッ!」
そう言いながら加納(多分)が阿嶋のある場所を撫でる。
え、いや、そこって・・・・。
「何マジかよみてえな面してんだよ。男のどこにそんな穴があると思ってんだ」
「そ、そりゃそうだけど・・・・」
いや、薄々そうじゃないかとは思ってたけど。
俺、ホントそういうの興味ねえんだよな。いやあったら問題だな。
「最初は痛えぞ。何回ヤっても痛えけどな。攻も受も。だから相手が泣いてもやめんなっつってんだよ」
「は、はあ・・・・」
「とにかく、一回でもヤったなら覚悟決めろよ。そいつと死ぬ覚悟」
加納(多分)の言葉に、俺はぱちくりと目を瞬く。
多分不思議そうな顔をしてたんだろう俺に、加納(多分)は顔を顰めた。
「男が男に犯されんだぞ?同じ男に女みてえにあんあん喘がされて、そいつのプライドどうなると思ってんだ」
「あ・・・・」
「お前が誰と付き合ってんのか知らねえが、そいつがプライド高い奴だったら尚更だぞ?」
そう、だよな・・・・先生プライド高いから、余計だよな。
俺だって多分落ち込むな。いや、確実落ち込む。
うん、でも、抱きたい。先生と死ぬ覚悟なら、できる。
「そいつが真正のゲイなら話は別だが、お前の恋人も元々はノンケだろ?」
「ああ・・・・」
「だったら、責任取ってやれよ。じゃなきゃ、そいつが可哀想だ」
こいつ、こんなチャラい顔して真面目なんだな・・・・。
何か、意外だ。相当阿嶋のこと好きなんだな。
「んで、俺らこれから最後までヤるけど、見てく?」
「結構デスッ!」
俺は加納(多分)の言葉を最後まで聞かずにカバンを持って教室を飛び出した。
つか、最後までってここ学校で教室だぞ?!
常識あんのかないのかよくわかんねえ奴だな・・・・。
学校を出ると、すっかり陽が沈んでた。
んで、帰るために駅に行ったら先生もちょうど帰るとこだったらしい。
後ろから声掛けたらやたら驚かれたけど、何だったんだ?
とりあえず一緒に帰ろうってなって、今は俺の部屋。
先生は一旦家に帰って着替えて来てた。
ハイネックの茶色いニットにジーパン。すっげえラフ。
服は先生の身体にフィットしてるから、身体の線がよくわかる。
やっぱ細いよなぁ。ちゃんと食ってんのか?最近は食ってるけど。
もうちょっとカロリーあるやつ食わせた方がいいかな、何て考えながらシチューをかき混ぜる。
今度焼肉でもすっかなぁ。けど先生結構食うからな。今度の肉の特売日の日にしよう。
先生はリビングで明日の小テスト作ってる。もちろん俺は絶対見ない。先生も見せてくんねえし。
シチューをかき混ぜていたお玉で味を見る。うん、まあこんなもんだろ。
火を止めて振り返ると先生はまだテスト作ってる。
つーか今日び手書きなんてありえねえだろ・・・・パソコン使えないって、どんだけ不器用なんだよ。
サラダとクロワッサンと先生のつまみ用の焼き鳥に、埃避けのためにキッチンタオルをかける。
「どう先生?終わりそう?」
「んー・・・・あと一問・・・・」
先生がカリカリと紙に字を書いていく。
先生の字って綺麗で読みやすいんだよな。まとめんのも上手いからわかりやすいし。
しばらくボールペンを滑らせて、やっと先生は手を休めた。
ふーと溜息を吐きながら首を回している。
「お疲れさん」
「ああ」
先生に歩み寄って、振り返ったところでキス。
先生はびっくりして一瞬身体を固くしたけど、すぐに力を抜いてくれた。
「ん、んん・・・・んぅ、んっ」
音を立てて短いキスをして、先生の身体を抱き寄せて深く唇を重ねる。
開けてくれた歯の隙間に舌を捻じ込んで、先生をよーく味わう。
なーんか先生って甘い。いっつも甘いもん食ってるからかな。
それで太んねえって、女だったら羨ましいだろうな。
「ん、あ、有岡・・・・め、飯・・・・」
「温め直すから、もうちょっと」
「んん・・・・っ」
キスの合間に抗議する先生を抑え込んで再びキスをする。
つーかこの状況で飯かよ・・・・ムードぶち壊しにもほどがあるだろ・・・・。
先生は必死で俺の身体を押し返してたけど、結局諦めて力を抜いてくれた。
最近思うけど、先生って二人っきりのとき俺に優しいよな。
「は・・・・先生・・・・」
「う、あ、く、くすぐった・・・・っ」
先生の頬にちゅ、とキスをすると先生の身体がぴくりと跳ねる。
ああ、駄目だ、抱きたい、抱きたい。
「ねえ、先生」
「や、めろ・・・・」
先生は二人っきりのとき、とにかく俺が「先生」って呼ぶのを嫌がる。
何でだろ。二人っきりのときは名前で呼んでほしい、とかだったら嬉しいな。
・・・・いや、絶対違うよな。
「なあ、月代」
「う、うあ」
「抱きたい」
俺の言葉に、先生が目を見開いた。
今、俺絶対顔真剣だ。
先生の顔がどんどん赤くなっていく。
「け、けど・・・・っ」
「なあ、月代、抱きたい。抱きたいんだ」
「で、でもっ」
わかってるよ、いやだってこと。でも先生、俺だって男だよ?
好きな奴を抱きたいって思うのって、変?
「い、痛えんだろ・・・・・?」
「・・・・何で知ってんの?」
「今日、学年主任とそういう話になって・・・・」
・・・・学年主任と?あの角刈りのおっさんだろ?
何で俺以外とそういう話すんの?
「俺以外の奴とそんな話しないで・・・・」
「んん!あ、有岡・・・・」
「月代、好きだ、好きなんだ。抱きたい。いっぱいあんたを愛したい」
先生がぎゅっと目を閉じた。
いやかな?やっぱいやだよな。
俺が先生を放そうとしたら、先生が何か呟いた。
「月代?」
「こ・・・・ここじゃ、やだ・・・・」
消え入りそうなほど小さな、微かに震える声。
その声に、俺は目を見開いた。
「ここじゃなかったら、いいの?」
先生は答えも頷きもしなかった。
俺はまた目を見開くと、勢いよく先生の身体を抱き上げた。
うわっ、と声を上げて先生が俺の首に抱きつく。
「あ、危ねえだろ!」
「ごめん。そんな余裕ない」
うわ、情けね。今俺全然余裕ない。
先生もごくりと息を飲んで口を閉ざした。
寝室のドアを蹴り開けて、ベッドの上に先生を落とす。
沈んだ身体に覆い被さって、がっつくようにキスをした。
「ん、んん!ん、んむっ、ふ、ふぁ、あ、あり、おかっ」
「月代・・・・っ」
先生の真っ赤な耳に舌を這わせると、先生の身体が縮こまった。
目をぎゅって閉じて眉間に皺寄せて、必死で耐えている。
ニットの中に手を突っ込んで、荒々しく脱がせた。
手に走った静電気も、どうだっていい。
「月代・・・・」
「う、うあ、あ、ありおか、ありおか・・・・っ」
首筋や鎖骨に舌を這わせて、強く吸い上げる。
先生はぎゅっと目を閉じてシーツを必死で掴んでる。
やっぱ慣れてねえし、気持ち悪いんだろうな。
「月代、俺を見て」
「う、うあ」
そっと頬に手を添えると、先生がゆっくりと俺を見てくれた。
その目を大きく見開いて、段々と貌を赤く染めていく。
「月代、好きだ」
「あ、有岡・・・・」
ありったけの愛をこめて、先生の唇にキスをした。
先生がぎゅっと目を閉じて俺に応えてくれる。
そっと先生の胸に手を這わせて、柔らかいそれに触れる。
それを摘まんで少し力を込めると、先生の身体がびくりと跳ねた。
「う、うあ、有岡・・・・お、俺・・・・」
「月代、俺、なるべく優しくするから」
俺の言葉に、先生は必死で頷いてくれた。
俺も嬉しくなって笑うと、先生の乳首を舌先で舐めた。
びくりと跳ねた身体が気持ちイイのか悪いのかわらかないけど、俺はとにかく先生を愛することだけに集中した。
舌で舐めて、吸って、甘噛みして、もう一方を指で摘まんだり引っかいたり。
何分ぐらいそうしてただろう、柔らかかったそれが段々と硬くなってきた。
「あ、ありおか・・・・おれ、それやだ・・・・っ」
先生の声に俺は顔を上げて先生を見た。
先生の顔は真っ赤で、前髪が汗で額に張り付いてて、目が潤んでて、
ヤバイ、俺、今めちゃくちゃ興奮してる。
また先生の乳首をしゃぶって吸い上げて、もう片方を親指で押しつぶしてぐりぐりと捻じった。
「う、うあ!ん、や、あ、あぁッ!」
先生の甲高い声が寝室に響く。
驚いて顔を上げると、先生はもっと驚いた顔してた。
自分で信じられないって顔して、口を手で押さえてる。
その目から、涙が溢れだした。
ああ、情けないんだ。情けなくて、屈辱で、自分が憎いんだ。
「月代・・・・」
「う、うあ、あり、おか・・・・おれ、おれ・・・・っ」
「月代、忘れないで。あんたを抱いてるのは俺なんだ」
先生の前髪をかき上げて、額にちゅっとキスをする。
先生はぼろぼろと涙を零しながらしゃくり上げた。
「先生、俺に全部を見せて。先生のヤラしい姿、俺だけに見せて。俺、絶対誰にも言わないから」
「う、うえ・・・・っ」
「先生、先生のヤラしい姿知ってるの、俺だけだよ。だから、俺だけに先生を全部見せて」
先生にキスをすると、先生はゆっくりと俺を迎えてくれた。
好きだ、好きだ。大好きだ。もうそれ以外考えられない。
また先生の胸に手を這わせて、鎖骨にキスをして痕を残す。
もう片方の手で乳首をぐりぐりと愛撫しながら、先生を見上げる。
先生は拳を口に押し当てて必死に耐えようとしている。
「好きだ、好きだ・・・・大好きだ・・・・」
「あ、ありおかぁ・・・・っ!」
腕を伸ばしてきた先生を抱きしめて、深く深くキスをする。
勃ち上がった先生を握って、上下に扱く。
俺に抱きつく先生の腕に、力がこもった。
「う、うんッ!あ、有岡っ、有岡・・・・っ」
「月代、好きだ、好きだ・・・・っ」
「う、あ、あああッ!」
先生の身体がびくりと跳ねて、俺の手の中で達した。
肩で息をする先生の額にキスをすると、先生は閉じていた目をうっすらと開ける。
俺の肩を押す先生の手に従って、俺はベッドに座ると後ろに体重をかける。
先生は俺のズボンを広げると、勃起してる俺を取り出した。
きゅっと唇を引き締めて、やっぱり恐る恐る俺に舌を這わせる。
「う・・・・ッ」
先生の熱い舌に、思わず声出しちゃったよ。恥ずかしい。
でも先生はもっと恥ずかしいんだよな。俺も全部受け止めなきゃ。
俺を受け止めてくれる先生だって不安なんだ。俺だけじゃない。
ああもう、俺何言ってんだろ。
「ん、んん!ん、んくっ!ん、んんぅ」
俺を口いっぱいに頬張りながら、先生は必死で俺を愛してくれる。
相変わらず下手くそだけど、今までで一番気持ちイイ。
先生の舌が俺を舐めて、唇で吸って、奥まで咥えて、
「先生・・・・イク・・・・ッ」
「ん、んあッ!」
イった瞬間、先生は思わず口を放した。
俺の精液が先生の顔に飛び散る。
うああああヤバいヤバいヤバいエロいエロいエロいってこれ!
ヤバい俺先生のこの顔で1ヶ月はイケる。
「何考えてんだ馬鹿・・・・っ」
エロい妄想してたことがバレたんだろう、先生が俺を睨んできた。
うあーヤバい、俺もうこれだけでイケそう。
「なあ先生、今度メガネかけたまま顔射させてよ」
「馬鹿」
ティッシュで先生の顔を拭いながら言うと、先生は小さく声を上げた。
どうしようもなく幸せになって、先生の身体をぎゅっと抱きしめる。
「先生、痛いかもしんないけど、俺、できるだけ優しくするから」
「う、うん・・・・っ」
先生をゆっくりとベッドに寝かせて、俺はサイドボードに手を伸ばす。
引出しからローションを取り出して、指にそれを塗りたくる。
先生のしっかりと閉じられたそこにも垂らして、俺はゆっくりと指を差し込んだ。
「う、うあッ!い・・・・ッ」
「だ、大丈夫か?」
額にキスをしながら問いかけると、先生は必死で頷いた。
顔は全然大丈夫って顔じゃなかったけど、必死で受け止めようとしてくれてる先生に感動した。
俺はなるべくゆっくり指を入れて、先生の呼吸が収まるのを待つ。
「先生・・・・大丈夫・・・・?」
「せ、先生って、やだ・・・・」
息を整えながら、先生が声を上げる。
ごめん、と謝ると、先生は俺を見上げた。
ちゅ、と俺の頬にキスをした先生に目を細めて、俺はゆっくりと指を動かす。
「う、うあッ!い、うぅっ・・・・ん、んあ・・・・っ」
先生の様子を見ながら、俺はかき混ぜたり折り曲げたり引っ掻いたりしてみる。
そのたびに先生は声を上げて顔を歪めたけど、到底気持ちヨさそうではなかった。
指を根元まで突っ込んで、指先を折り曲げた。
瞬間、先生の身体がびくりと跳ねて甲高い声を上げた。
俺はびっくりして先生を見る。
「う、うあ・・・・あ、ありおか・・・・おれ、そこやだぁ・・・・っ」
先生の顔を見て、俺は思わず息を呑んだ。
真っ赤な顔、潤んだ目、桃色の唇、額に張り付く髪、びくびくと震える身体、
俺はごくりと息を呑むと、そこを突き上げるように指を動かした。
「あ、ああッ!あ、ありおかっ、ありおかぁッ!」
ビクンと先生の身体が大きく震えて、先生が声を上げる。
あれだ、確か加納(多分)が言ってた。ぜんりつせん・・・・だっけ?
いやだいやだと声を上げる先生にごめんと心の中で謝りながら、俺はそこばかり指で刺激する。
先生は涙をぼろぼろと零しながら必死で頭を振っている。
「あ、ああッ!あ、ありおか!やめて、やだ、やだぁッ!」
「月代、ごめん・・・・っ」
可哀想なぐらい嫌がるから抜こうかと思ったけど、加納(多分)の言葉がそのたびに浮かんできた。
相手が大事なら、たとえ泣いてもやめるな、
「ありおか、ありおかぁッ!やだ、やだぁッ!やめて、やめてぇえッ!」
俺はどうしようもなくなって、声を上げる先生の口を塞いだ。
俺の口の中で、先生が呻き声を上げる。
そこを指で刺激するたびに、先生の細い足がびくんと跳ねた。
「う、うあぁッ!あ、ありおか!やめ、やめてっ、おねが、おれ、こわ、こわいッ!」
「月代・・・・大丈夫だよ。俺が、俺がいるから。月代」
俺の首に縋りついて声を上げる先生の髪を手でかき上げる。
もう一本指を入れて、二本の指をバラバラに動かす。
一本だけでもきついのに二本も入ったことで、先生はさっきより苦しそうだ。
「あ、ありおか、ありおか!苦し、苦しい・・・・ッ!」
「月代、ごめん。ごめんな」
ちゅ、と額にキスをすると、先生は一層強く俺にしがみついた。
先生は必死で呼吸をしながらぎゅっと目を閉じている。
二本の指がローションで大分スムーズに動くようになってきたころ、俺は指を引き抜いた。
「月代、大丈夫か?」
「う、うぅ・・・・だ、だいじょ、ぶ・・・・」
泣きながら放心状態で答えた先生の頬にキスを落とす。
これ・・・・全然大丈夫そうじゃねえな・・・・。
俺は着てたシャツを脱ぐと、ベッドの下へ投げ捨てた。張り付いて気持ち悪かったしな。
それに俺だけ服着てるって、多分先生嫌だろうしな・・・・。
先生はぎゅっと目を閉じて俺にしがみついた。
「先生、挿れるぜ・・・・?」
「う、うん・・・・」
先生の身体を抱きしめて、ゴムを被せたモノを先生のそこに押し付ける。
ぐっと押しこむと、先生は目を見開いて首を逸らした。
「い、あ・・・・ッ!」
「月代・・・・っ」
悲鳴すら上げられない月代を抱きしめて、俺はゆっくりと自身を押し進める。
死にそうな息をしている先生をぎゅっと抱きしめた。
先生の腕が、さらに強く俺に縋りつく。
「あ、ありお、か・・・・い、いた・・・・っ!ぬ、抜いて・・・・っ」
「月代・・・・ぅッ!もっと、力、抜いて・・・・ッ」
「む、りィ・・・・ッ!」
挿れる方も痛いって聞いてたけど、これ、想像以上だ。
もう気持イイとかそんなもん、全然ない。
めちゃくちゃ痛い。千切られそう・・・・ッ
先生のそこは入ってくる俺を必死で押し出そうとしてる。
でも、これ絶対先生の方が痛い。
「う、ああッ!い、いたッ!ひっ、い、ぎ・・・・ッ」
「月代・・・・っ」
先生を抱きしめて、必死でキスをした。
先生の舌に舌を絡めて、吸って、舐めて、
水音がするぐらい絡めてると、ふと、先生の身体から一瞬力が抜ける。
心の中で謝って、俺は一気に捻じ込んだ。
先生の身体が大きく跳ねて、先生が目を見開く。
一瞬、先生の息が止まってた。
「う、あ、はッ!はーっ、はーっ」
「つ、月代・・・・大丈夫、か・・・・?」
ヤバい、これ、挿れてるだけでも相当痛い。
痛くて泣くなんてガキのころ以来だ。
泣きながら、それでも頷いてくれる先生に、本当に嬉しくなった。
なるべく痛みを和らげるために、ローションを全部ぶっかけた。
シーツが悲惨なことになったけど、そんなことどうだっていい。
「月代・・・・動いていい・・・・?」
俺の問いに、先生は必死で頷く。
俺は先生の額にキスをして、ゆっくりと動いた。
処女の女相手にしたときより、ゆっくりと、優しく動く。
けどお互い痛いもんは痛いし、でも、俺は何かすっげえ満たされてる気分。あ、Mじゃねえぞ俺。
何かすげえ幸せなんだ。好きな奴とするSEXって、こんなに幸せなんだな。
なあ、先生、あんたもそうだったら俺、すっげえ嬉しい。
俺は腰を動かしながらさっきの場所を探す。
確か、この辺だったと思うけど・・・・ッ
腰をずらしたとき、先生の身体が大きく跳ねた。
「うあ、あ、ありおかぁッ!」
痛みに歪んだ先生の顔に、一瞬だけ快感が見えた。
俺は先生の身体を抱きしめて、そこだけを突き上げた。
先生の身体がびくびくと跳ねて、俺の背中に回って手に力がこもる。
「あ、有岡!あ、ああッ!あ、あうッ!ありお、か・・・・っ」
「・・・・う・・・・っ」
快感が強くなってきたのだろう、痛いだけだった締め付けが変わる。
そこはまだ俺を受け入れてくれなかったけど、それでもさっきよりは随分マシだった。
萎えてる先生を握って、上下に扱く。
俺を拒否するように締め付けていたそこが、痙攣してるように引くつく。
確か言葉責も大切だって加納(多分)が言ってたな・・・・。
「は・・・・先生、俺も気持ちヨくなってきたぜ?」
「う、うああ・・・・っ」
「なあ先生、もしかしてあんた才能あんじゃねえの?」
先生が悲鳴のような声を上げて頭を左右に振る。
ぎゅうと強くなった締め付けはまだ痛かったけど、それでも気持ちヨかった。
ああ、やっぱ俺Mなのかな。
「なあ、先生、気持ちイイ?」
「い、痛い・・・・っ」
「ホントに?ホントに痛いだけ?全然気持ちヨくない?」
先生を上下に扱いて、亀頭をぐりぐりと親指でこねる。
前立腺を突くと、先生の身体がびくりと跳ねてきゅうと俺を締め付けた。
人間の身体の適応能力ってホントすげえ。
けどこれって、本当に先生に才能があんのかな?ゲイの。
それとも、相手が俺だから?だったら俺幸せすぎて死ねる。
「はあ・・・・先生、気持ちイイよ・・・・」
「い、いや・・・・いやぁ・・・・っ」
「ヤバい、俺今すっげー幸せ」
先生が泣きながらぎゅっと目を閉じる。
痛いことは痛いけど、段々と和らいできた。
ローション全部使ったおかげで、動きも大分スムーズになってくる。
ローション様々だ。今度大量に買っとこう。
「先生、まだ痛い?」
「せ、せんせいって、よぶな・・・・っ」
「なあ、月代。痛いなら抜くから、言って?」
先生は目にいっぱい涙を貯めて俺を見上げる。
俺の肩に縋りついて、ぎゅっと目を閉じた。
「ぬ、抜かなくて・・・・抜かなくていい、から・・・・ッ」
「・・・・ッ、月代っ」
先生を抱きしめて、俺は先生を突き上げた。
先生を扱く手が、自然と速くなる。
先生は俺にしがみついて、あられもない声を上げる。
「あ、有岡!ありおかッ!」
「先生!俺、イク・・・・っ」
先生の亀頭に爪を立てると、先生の身体がびくんと跳ねた。
先生が声を上げて達したと同時に、締め付けられる。
痛みと確かな快感を感じながら、俺も達した。
お互いに荒い息をしながら、俺は先生のナカから自身を引き抜く。
ゴムを外してゴミ箱に投げ捨てると、そのまま先生の横に倒れこんでその細い身体を抱きしめた。
「う、うう・・・・うあ・・・・ッ」
「なあ、月代。大好きだ。俺、今すっげー幸せ」
ぼろぼろと涙を零す先生に、俺は必死で今の気持ちを伝える。
なあ、先生、今身体中すっげー痛いし、プライドずたずただよな。
ごめん、でも、俺、
「先生と一つになれて、俺すっげー幸せだった」
「う、うぅ・・・・」
「今までいろんな女とヤったけど、先生のナカが一番ヨかった」
今まで感じたことがないぐらい痛かった。
けど、俺は確かに、満たされてた。
今俺、幸せすぎて泣きそう。
「先生が俺を受け止めてくれて、俺、すっげー嬉しい」
「あ、ありお、か・・・・っ」
俺の腕の中で、先生が必死で首を横に振る。
何?もしかして先生は嬉しくなかった?
「ち、ちが・・・・おれ、おれ・・・・っ」
「先生?」
「俺も、今、何かよく、わかんねえけど・・・・っ」
幸せだからって、先生は必死な声で言った。
その言葉に、俺は目を見開く。
俺、嬉しくて泣くなんて、初めてだ。
「先生・・・・先生・・・・ッ!」
「あり、おか・・・・」
必死で先生を抱きしめると、先生は俺を抱き返してくれた。
俺、今すげー幸せだ。
なあ先生、好きな人とは一緒にいるだけで幸せなんだな。
俺、もっと早くあんたと出逢いたかった。
風呂から上がると、先生は温め直した焼き鳥と肴にビールを飲んでた。
先生が風呂に入ってる間に俺が焼き鳥を温め直して、俺が風呂に入ってる間に先生はそれを食ってた。
ホントは一緒に入りたかったけど、ヤるヤらないの押し問答より全力で拒否された。
・・・・あ、思い出したら泣きそうになってきた。
先生はわざとらしく俺から視線を外してもごもごと焼き鳥を食ってる。
「先生」
声をかけると、先生の身体が大げさなぐらい大きく反応した。
一瞬食べていた口が止まって、またもごもごと動かし始める。
「先生、どっか痛くない?クッションもう一つ持って来るか?」
「・・・・女扱いすんな」
「してねえよ!けど、先生に無理させちまったんだ。これ以上痛い思いさせたくねえよ」
俺の言葉に、先生は驚いたように顔を上げた。
じっと先生を見つめると、先生の顔が段々赤くなっていく。
先生は顔を逸らすと、もごもごと口を動かす。
「い、痛えことは痛えけど、ふ、風呂入ったらマシになったから・・・・」
「ホントに?どっか切れたりしてなかった?」
「だ、大丈夫だっつってんだろ!」
声を荒げた先生に、俺は驚いた。
いきり立った先生を見上げる俺に、先生はぎゅっと唇を引き結ぶ。
先生は強く目を閉じると、突然俺に抱きついてきた!
「うわッ!先生?!」
「くそ・・・・ッ!」
先生は俺の服を握り締めて、小さく悪態吐いた。
真っ赤になった顔を隠すように俺の胸に顔を埋める先生に、俺は思わず笑った。
「先生、大好きだよ」
先生の唇にちゅ、とキスをすると、先生はくすぐったそうに笑った。
その後温め直して先生と食べたシチューは、涙が出そうになるほど美味かった。
帰り際、先生に「今度いつする?」って聞いたら綺麗な右ストレートが飛んできた。
ちょっと冗談のつもりで聞いたのに何も本気で殴ることねえだろッ!!
まあそれも問題だけど、俺の当面の問題は他にもある。
(新しいシーツ買うまで、俺どこで寝ればいいんだ?)
<初めて編・Fin>
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初めて編終了です。ヤバいこれ超楽しい!(笑)でも標準語難しい。
初めてのテーマは「手探り、必死、痛い」でした。ありゃ確かに痛そうだ・・・・。
前半加納(かのう)と阿嶋(あしま)に持っていかれた気がしないでもない(笑)
この二人はもうひたすらイチャイチャしてりゃいいと思ってます。甘々大好きだッ!!
月代はもういっそフェラの達人になっちゃえばいいとか思ってます。紅はいっそMでいいんじゃね?
すんません。自重ですね。最近忘れがちです。教育に悪いですね。誰の?
18禁は高校を卒業してからです!よい子はマネしちゃダメだぞッ☆(うざい)
これでも当サイトは15禁だと言い張る龍瀬に乾杯。
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