愛してティーチャー!<出逢い編>(手淫・口淫・外出)



『先日退職なされました矢尾先生に代わって新しく赴任されました先生を紹介します』


校長らしいおっさんの話を、ぼんやりとしながら聞き流す。

ったく、珍しく時間内に登校してみれば朝会とは、つくづくついてねえな。

大体やおって誰だよ、って思ったら欠伸出た。

(その「やお」が担任だったことを俺が知ったのは、朝会が終わった後だった。)

校長が後ろに控えていた男を前へ促す。

男は一礼して前に出た。

その途端、周りの奴らから何つーの?どよめき?が起こった。

何だ何だと思って俺も舞台の方を見た。

多分俺もあれだ、周りの奴らと同じように驚いてた。

世間一般で言う目を見開いた、ってやつだ。

俺や周りの奴が驚いたのは、その新任の教師がめちゃくちゃ美人だったからだ。

イケメンじゃねえ、美人だ美人。

まるでパーツの一つ一つを精巧に作られ、さらに精密に計算されて創られたような、恐ろしく整った貌、


『矢尾先生に代わって新しく赴任しました、月代勝彦です』


男は淡々と平坦な抑揚のない、事務的な口調で名乗った。

周りが男の恐ろしいほどの容貌に色めき立つ中、俺だけは男の冷たい瞳に目を奪われていた。





愛してティーチャー!<出逢い編>





「(紅!コーウ!)」


横からつつかれる感覚に、我ながら間抜けな声を上げて目を開けた。

「のは」だ。「のは」って言ったぞ俺今。

んなこと普通の奴言わねえぞ。うわちょっと恥ずかしくなってきた。

ぼんやりしながら振り返ると、隣の席で中学来の萩原がつついたであろうシャーペンで俺の前を指す。

他のクラスメイトも何でか知らんが俺に振り返っている。

意味がわからなかったから眉を寄せて、まだぼんやりしながら前を向く。

瞬間、分厚い教科書の角が脳天目がけて振り下ろされた。

あ、と思って、それを避ける間もなくもの凄い痛みが脳天から走り下りてきた。

頭を抱えながら悶絶する俺を、男は教科書で肩を叩きながら見下ろす。


「いっ・・・・でぇ・・・・ッ」


声にならない悲鳴ってこういうのを言うんだろな。

俺は涙目になりながら声の主を睨み上げる。

眼鏡の奥の冷たい瞳が、俺を見下ろしている。


「て、め・・・・月代ぉ・・・・っ」
「この俺の授業で寝るなんていい度胸だな有岡。寝るなら他の授業で寝やがれ
「いやそれもどうよ」


不良だってびくような目で睨み上げたのに、この男、月代はしれっと返してきやがった。

俺の隣で萩原は律儀にツッコんでるが無視だ無視!


「何しやがんだこの暴力教師!」
「謝られこそすれ、文句言われる覚えはねえな」
「体罰で訴えるぞてめえ!」
「おーやってみろ。出るとこ出てやるぞ、ああ?」


勢いよく立ち上がってガン飛ばしたが、月代は怖がるどころか逆に睨み返してきた。

こんな奴、ホントに初めてだ。

そうだ、俺を恐れないからだ。

こいつが珍しいからだ。

だから、それだけだ。

気付けば、俺がこいつを見てるのは、


「ほら、席着け。今度寝たら成績下げるからな」
「はーうぜー」


もう授業受ける気なんてなくなった。

誰だ今最初からなかったくせにって言った奴。

教室を出て行こうとしたら、いきなり手を掴まれた。

ひんやりした、やわらかい、細い手、

異様に冷たかったから、冷たかったからだ。

一瞬、情けないほど心臓が跳ねたのは、こいつの手が冷たかったからだ。

そうだ、冷たかったんだ!こいつめちゃくちゃ手ぇ冷たいんだぞ!嘘じゃねえぞ!

・・・・ちょっと待て。何で俺こんな言いわけしてんだ?


「待て。どこに行く気だ」
「・・・・うるせえなぁ・・・・どこだっていいだろ」


こいつがこんなに近くに来たのは、正直これが初めてだ。

月代の方が背が低い。俺と頭一つ分くらい違うな。

とにかく身体の線が細い。女みたいだ。

抱きしめたら折れそうだ。抱きしめたら、・・・・。

つーか俺何でこいつ抱きしめること考えてんだ?!

男抱きしめて何が楽しいんだよ!バカか俺はッ!

月代の手を振り払って俺は教室を出て行った。

後ろから俺の名前を怒鳴る月代の声が聞こえる。

月代に掴まれた手が異様に熱かった。










「あ、見ーっけ」


突然俺の顔を覗き込んできた月代に、俺今絶対目ぇ見開いた。

いや、だっておかしいだろ。

今授業中だぞ?あ、今の時間こいつの授業ないのか?

つか、何でこいつ俺がいる場所わかったんだ?


「何でお前こんなとこいんだよ!」
「こんな赤い髪してたらどこにいても目立つっつーの」


そう言って月代が俺の髪をかき交ぜた。

赤に限りなく近い、俺の茶色の髪。

言っとくが染めてねえぞ。将来ハゲたくねえからな!

俺は自分でも認める不良だがな、自分の身体を病気にさらすようなドMじゃねえ。

・・・・そう言えば、こいつの髪って薄いよな。

・・・・いや、色がな。断じて髪自体がじゃねえぞ。

・・・・いや、だから何で俺言いわけしてんだよ。

色の薄い黒髪だ。ちょっと長いな。ミディアムって感じ。

まあ俺の方が長いな。俺は肩にかかるぐらい。


「何の用だよ」
「お前が授業飛び出していったから探しに来たんだよ」
「え」


思わず声が出た。うわハズい。

え、何だよ、探しに来たって、

んで、何で俺の心臓はこんなドキドキしてんだ?うわ俺気持ち悪ッ!


「ほら」
「え」


月代が何かを差し出してきた。

うん、プリント・・・・だよな。

え、何これ。


「そのプリント全部埋めて明日までに提出な」
「はぁ?!おまっ、これ何枚あると思ってんだよ!」
「そうだな。ざっと10枚だな」


しれっと言い返す月代をぶん殴りたかった。

俺が持ってるこのプリントの束は結構分厚い。

・・・・いや、これ10枚なんてもんじゃねえだろ。

ぱらぱらと捲ってみたら10枚なんてあっという間に過ぎてったぞ!

これ10枚20枚なんて優しいもんじゃねえぞ!


「これ何枚あるんだよ!」
「・・・・45?」
「どこか10枚だよ!頭おかしいんじゃねえのバーカッ!!」
四捨五入だ
「んな四捨五入聞いたことねえよ!」


うるせえなぁ、と言いたげに月代が耳に指を突っ込む。

風が吹いて月代の髪がさらりと揺れる。

月代はその細い指で目にかかる前髪を横に流す。

頭を少し傾けた所為か、首にかかっていた髪がさらりと後ろへ落ちた。

少し長い髪の所為で普段は見えない首筋が晒される。

焼けることを知らない首筋、いや、白い肌、

その首筋に噛みついて、身体中に紅い痕を散らしたい。

その細い身体を組み敷いて、屈することを知らないその心を折ってしまいたい、

その凛とした透る声で、甘く、浅ましく喘がせてやりたい、

その何も映さない瞳に、俺を映して、

俺・・・・を・・・・う、


「うああぁぁぁぁッ!!」


何考えてんだ俺はァァアッ!!

突然頭を抱えて叫んだ俺に月代は驚いたらしい。

その細い肩をびくりと跳ねさせて思わず一歩後退っている。

何考えてんだバカじゃねえのか俺気持ち悪いだから俺もこいつも男だっつーの!


「ど、どうした、お前、病気か?」
「誰が病気だッ!」


不思議そうに聞いてきた月代に怒鳴った。

確かにいきなり怒鳴る奴をそう思うのも無理はねえけど普通マジで聞くか?!


「一日で45枚なんて無理に決まってんだろ!」
「そうか」


俺がそう怒鳴ると月代はふむと考え込んだ。

しばらくだんまりして、やがてぽんと手を打つ。


「じゃあ一ヶ月で300枚やるのと一日で45枚やるの、どっちがいい?」
「はあッ?!」
「今日から一ヶ月だぞ?一日10枚やれば終わるだろうが」


そう言われると言葉に詰まってしまった。

今日一日で45枚と、これから一ヶ月間一日10枚ずつ、

月代は俺を見て、ニィと笑って見せた。

大量のプリントをガラスのローテーブルに叩きつける。

結局一ヶ月を選びましたとも、ええ、クソっ。

昨日引っ越したばかりのこの新しいマンションはまだ慣れない。

大家や周りの部屋には一応挨拶したが、右隣の部屋の奴だけはまだだ。

今うわー何かマメー意外ーとか思った奴。ちょっと前出てこい。


「ったく、何で欠点とったわけでもねえのにこんなもんしなきゃなんねえんだよ」


今ここにはいない奴(当たり前だけど)に愚痴を吐いてプリントに答えを書き込んでいく。

シャーペンは滑るように動いていく。うーん、快調快調。

俺は頭は悪くない。むしろいい方だ。

誰だ今ウソだって言った奴。後で体育館裏来い。

俺が行ってる黒凰学園は私立の男子校で倍率8倍の超進学校だ。

別に俺はフツーの公立のフツーの共学校に行ってフツーの高校生ライフを過ごしたかったんだがな。

俺の親父が会社経営してて、しかもそれがなかなかでけえ会社なんだよなぁ。

で、俺がその跡取りってことになるから高校・大学は有名校に行けってことで、あんな男子校の学校に行ってるわけだ。


「はーかったりー」


やっと2枚目が終わった。

あいつが教える教科、世界史は苦手じゃねえが好きじゃねえ。

暗記って苦手なわけではないけど、覚えておくのって面倒くさくね?

さらさらと解いていったが、俺の手がふと止まった。

西洋三大哲学者の一人、アリストテレスが死んだ日を答えよ・・・・?

・・・・んなもんテストに出す気か?あいつ。

しょうがねえから部屋の隅に積んでいた教科書を引っ張り出す。

教科書にも資料集のアリストテレスのページにも載っていない。

・・・・教科書にも資料集にも載ってないこと出す気かあいつ!鬼か!

思わず重い溜息が出た。

ふと外を見るとすっかり夜になっている。

晩飯・・・・そういえば昨日のカレー残ってたっけな。

あー、作り過ぎたんだよなー。萩原でも呼ぶか?いやあいつ確か今日塾だな。

一気にかったるくなって教科書を投げ捨てた。やってらんねー。

そのとき、隣の家の扉が開く音が微かにした。

あー、帰って来たのか。うーん、やっぱ挨拶した方がいいよな。うわ面倒くさっ。

面倒だけどしてくるか。お袋が買ってきた菓子折りだって賞味期限あるし。

つーか行かなかったら桃が、あ、俺の妹な。

まあとにかく桃がうるせんだよな。あいつ絶対お袋似だな。

溜息を吐いて立ち上がると、教科書の隣に放ってあった菓子折りを持って立ち上がった。

ピンポーン、と軽い音が扉の向こうから聞こえてきた。

インターホンの呼び鈴から指を離してしばらく待つ。

・・・・出てきやがらねえ。

もう一度押す。・・・・やっぱり出てこねえな。いるのはわかってんだぞこのやろう。

あークソ、イライラしてきた。今度はほとんど間を開けずに連打してやった。はっはーざまーみろ。

中からもっと苛々しげにフローリングを踏む音が聞こえてきた。

ガチャリと鍵が開く音がして、バァンッと音が響くほど勢いよく目の前の扉が開いた。


「うるっせえな!一回鳴らせばわかんだよ!」


怒鳴り声と一緒に扉の向こうから顔を出した男に、目を見開く。

男も俺を見て、驚いたように目を見開いた。


「有岡・・・・?」
「月代・・・・!」


お互いの顔をガン見してぱちくりと目を瞬いた。

え、何でこいつこんなとこにいんだよ?

・・・・まさか俺の隣の部屋の奴って月代?!


「・・・・昨日隣に引っ越してきた有岡デス」
「・・・・はあ、ドーモ」


菓子折りを差し出すと月代は意外にも素直に受け取った。

絶対いらねー、とか言うと思ってたのに。

ふと気になって廊下の奥に目を向けた。

リビングが見えるが、白いソファが見えるだけで他は何もない。

殺風景っつーか、生活感なさすぎ?

玄関も閑散としてて、靴箱の上のスペースにだって何にもない。


「何だよ。用済んだならさっさと帰れ。宿題終わったのか」


月代の言い草にむっとしてじろりと睨む。

ふん、と鼻を鳴らして月代はそっぽを向く。

ふと、気付いた。


「・・・・お前、一人暮らしか」
「あ?そうだよ」
「恋人とかいねえのか」


月代は黙り込んだ。顔がちょっと不愉快そうだ。

・・・・何か、意外だ。恋人の一人や二人ぐらいいそうなのに。

あ、逆にいないってのも頷けるな。何つーの?高根の花?みたいな?

一人暮らしで、さっき帰って来たってことは、


「・・・・お前、晩飯は?」
「これから食おうとしてたところだよ」


料理の匂いがしないってことは、まあカップラーメンとかその辺だろう。

頭一つ分ほど背の低い月代を見下ろして、ふむと考え込む。

月代が訝しげに眉を寄せて俺を見上げている。


「・・・・お前、カレー好き?」
「は?」


案の定わけわかんねえみたいな顔した。

うーん、やっぱ見上げる顔って可愛いよな。

・・・・どうした俺、ホントに病気か?病院が来い。


「別に好きでも嫌いでもねえよ」
「昨日作り過ぎたんだ。食わねえ?」
「いらねえ」


うん、言うと思った。いやでも食ってもらわねえと困るんだよな。

腐ったらもったいないし。昔から食い物に困ったことねえけど大切さだけはお袋に叩き込まれた。

いや、でもこいつ菓子折りは受け取ったよな。

・・・・・・・・。


「・・・・ショートケーキもあんだけど」


ウソじゃねえ。本当だ。昨日妹が置いて帰ったんだ。

甘いもんは嫌いでも好きでもねえが、さすがに1ホールを一人では無理だ。

あいつはがさつで口うるさいが、将来パティシエを目指してるだけあって菓子は美味い。

俺の言葉に、月代の肩がぴくりと跳ねた。

俺を再び見上げたその顔が、少しだけ赤くなっている。

正直に認める。ときめいた。心臓がどきって跳ねて、胸がきゅんってした。

ああ、これがときめきってやつか。桃が読んでる薄っぺらい本にもそんなシーンあったな。

・・・・確かあれ野郎同士でいちゃいちゃしてたな。今流行りの「ビーエル」ってやつか。

・・・・俺そんな趣味あったのか。男子校行って頭おかしくなったかな。落ち込むな。

月代は唇を引き結んで顔を逸らした。

・・・・クソ真面目な奴だなぁ。


「今日もらったプリントでわかんねえとこあんだけど」


その言葉に、月代は俺に振り返る。

その瞳に昼間の冷たさはなく輝いてはいたけれど、映っていたのは俺ではなく真っ赤なイチゴの乗ったショートケーキだった。


「言っとくけど、俺はお前が今日のプリントでわかんねえとこがあるって言うから来たんだからな。カレーとケーキはついでだからな」
「はいはい」


月代の不機嫌そうな言葉を聞きながらしながら俺はローテーブルに皿を置いた。

何かこんなこと言ってる奴見たな。・・・・桃が持ってた薄っぺらい本で。

人前じゃ攻撃的なのに二人きりじゃ甘えてくる奴。何って言ったっけな。

ツン・・・・ツン・・・・ツ、ツンドラ?


「いただきます」


月代が一言断ってスプーンを手に取る。俺はそれをにやにやしながら眺める。

恐る恐るって感じで、月代がカレーを食った。

驚いたように目を見開いてまじまじとカレーを眺める。


「・・・・美味い」
「だろ?メイドイン俺」


親指で俺を指しながら言うと、やっぱり月代は目を見開いて俺を見た。

ああそうだよな俺が料理するような奴に見えねえよなほっとけこの野郎。


「い、意外だ・・・・」


本当に驚いたらしく、月代はスプーンを咥えたまま顔を逸らした。

あーホントにお前って失礼だよねー。

んで、気付く。

スプーンを咥えた小さな口、綺麗に生え揃ったまつ毛、白い肌、

・・・・やべ、エロくね?


「ま、まさかケーキも・・・・?!」
「どこのオトメンだ俺は。妹だ妹」


はっとしながら呟いた月代に間髪いれずにツッコんだ。

俺の言葉に月代はほっとしてやがる。何安心してんだてめえこの野郎。

腹が減ってたんだろう、月代は結構大皿に入ってたカレーを二杯分ぺろりと平らげた。

何つーか、意外と食うんだな、こいつ。

ケーキを出してやると、案の定目ぇキラッキラさせてた。

・・・・甘いもん好きなのも意外だ。

あまりにも美味そうに食うからもう一切れ切ってやった。


「あ、そういえばどこがわかんねえんだよ」


思い出したようにフォークを咥えながら月代が聞いてきた。

だからやめろそれエロいんだよバカ、なんて言えねえけど。


「アリストテレスが死んだ日」


俺の言葉に、月代はぱちくりと目を瞬いた。

その後、ニィと実に楽しげな笑みを浮かべる。

何なんだその楽しそうな、今から悪戯しますってガキの顔は。

月代は頬杖をつくとフォークを指先で揺らして遊ぶ。

何なんだよさっさと言えよ。俺は知らねえこと聞いたら気になるタチなんだよ。


「知りたい?」
「いいからさっさと教えろよ」
「一ヶ月後にお前が全部プリント終わらせたら教えてやるよ」


楽しそうに笑う顔がもの凄く腹が立つ。でもやっぱ美人だ。

さっさとやれよ、と言ってイチゴにぷつっとフォークを刺す。

そのまま口の中に放り込むと、唇の端についた生クリームを舐めた。

お前らわかるか?ヤリたいざかりの高校生の目の前で、絶世の美人が生クリーム舐めてんだぞ?!

いや美人っつっても男だけど。何この鴨が葱背負ってますみたいな状況。

押し倒したらやっぱ怒るかな。ああ俺どうしたんだ俺気持ち悪いぞ俺。


「あ、俺帰らねえと」


時計を見た月代がすくっと立ち上がった。

目を丸くする俺を見下ろして、訝しげに眉を寄せる。


「・・・・何で?」


俺の問いに、月代は増々眉を寄せた。

よくよく考えてみりゃ変だよな。引き留める用事もねえのに。


「明日の小テストの準備しなきゃなんねえんだよ」


その言葉に俺は月代が教師だったことを思い出した。しかも担任。

土産代わりに余ったケーキを持たせて玄関まで見送る。

律儀にお邪魔しました、と言って出て行こうとした月代が、振り返った。

あ?何だ?どうしたんだ?

けど俺よりずっと月代の方が変な顔してた。

変な顔っつーか、困惑してるような、曖昧な顔。

月代が視線を下に落としたから、俺も下を見た。

俺の手がしっかりと月代の腕を掴んでいる。


「え?うわッ!」


慌てて放すと月代は何だこいつおかしいんじゃねえのって顔で俺を見上げてきた。

気まずい雰囲気が居心地悪くて、俺はあーと意味不明な言葉を漏らす。


「えっと、明日も、来ねえか?」
「・・・・は?」


もっと意味がわかんねえみたいな顔で月代は眉間に皺を寄せる。

つーか何言ってんだよ俺。こんな奴家に上げてどうするつもりだ。

・・・・でも、何つーか、明日も来てほしいんだよな・・・・。


「・・・・勉強、そう!勉強見てほしい!・・・・つーか」


月代は訝しげな顔で俺を見上げる。

しばらく考え込むように目を伏せた。


「・・・・授業料の延長料金で晩飯も出すし」


ぴくりと月代の肩が跳ねる。

どうやら俺の料理がお気に召したらしい。


「ケーキもまだ残ってるし、これからも菓子送って来るっつってたし」


ぴくぴくとまた細い肩が跳ねた。

どうやら桃の菓子には負けたらしいな、俺の料理。

・・・・は?いやいや、悔しくない。悔しくないから!


「そ、そこまで言うなら・・・・来てやらんでも、ない」


・・・・あ、思いだした。ツンデレだツンデレ。

うん・・・・桃、今度会うのっていつだっけ。

謝るよ。ツンデレについて2時間語ったお前に意味わかんねえとか言って。

お前の言うとおり、ツンデレって可愛いな。

・・・・いや、これ餌付け一歩手前のガキだよな。

うん、でもいいよツンデレ。お前の「萌」がちょっとわかった気がする

・・・・なあ桃、今度兄ちゃんの話聞いてくんないかな。










「しゅーりょー!」
「はいお疲れさん」


ぐったりとテーブルに突っ伏した俺に月代はやっぱりそっけない。

四角を全部埋めた計300枚のプリントをぱらぱらと眺めている。

つーか・・・・こいつ・・・・マジで300枚寄越しやがった・・・・。

まあつまりあれから一ヶ月経ったということだ。

朝会で初めてこいつを見て、担任になってから三ヶ月。

仕事疲れの所為かうとうとしてたこいつにキスしたいと思って自己嫌悪に陥って二週間。

地獄の世界史一日プリント10枚月間は今日で終わり。

・・・・今日、で・・・・、

がばっと顔を上げたが、月代はプリントを見ていて気付かなかった。

今日で終わりってことは、もう月代が俺の部屋に来る用事はないってことだよな。

・・・・何か、嫌だ。でもまた300枚するのも嫌だ。


「つか・・・・何で300枚も・・・・」
「俺の仕事はお前に勉強を教えること。卒業させること。いい大学に進学させることだ。当り前だろ」


平然と言ってのけた月代に、俺は目を見開いた。

いや、わかってた、わかってたよ。

月代にとって、俺はただの生徒だ。それ以上でもそれ以下でもない。

そうだよな、当たり前だよ。それが「普通」なんだ。

でも、月代、俺にとっては、あんたはただの教師じゃないんだよ。

なあ、俺、あんたの特別になりたい。あんたのその瞳に映りたい。

俺を見てくれよ、なあ、月代、月代、

・・・・先生、



アンタノ瞳ニ、俺ハ映ッテル?



「つーかお前、やればできるじゃん。つかできるなら授業真面目に受けろよ」


むがむがと桃が送ってきたシュークリームを食いながら先生が言う。

・・・・つか、こいつ自分が受け持ってる生徒の成績覚えてねえのか?

俺世界史学年一位だぞ?つかほとんどの教科一位だけど。

理数系は皆目駄目だ。理論的に考えるのが嫌いだ。

こいつは文系人間のくせに理論的に考えるタチらしいが。

ガタガタと窓が音を立てる。今日は天気が悪い。

もうすぐ12月。このマンションは高級マンションだから床暖房。あったかい。

先生が指についたクリームをぺろりと舐める。こいつやることいちいち色気あってエロいんだよなぁ。

あ、ほっぺたにクリームついてる。・・・・。

・・・・あ、これ、ヤバイ。頭ぐらぐらしてきた。


「・・・・有岡?」


身体を起こした俺に、先生が不思議そうな顔を向けてくる。

俺はその問いかけに応えずに、じっと先生を見つめる。

先生は不思議そうな、困惑したような貌で俺を見返す。

そのとき、ブチンと音が付きそうなほど勢いよく部屋中の電気が消えた。

一瞬絶対の暗闇に顔を顰めたら、先生が小さくわ、と声を上げた。

しばらくお互い無言だったけど、徐々に目が慣れて暗闇の中にぼんやりと先生の姿が見えた。

暗くてもわかる、焼けることを知らないような白い肌。


「あーびっくりした。停電か?」


さして驚いた風もなく先生が呟く。

外を確認しようと立ち上がったその腕を、座ったまま掴んだ。


「・・・・有岡?」


先生が不思議そうに問いかける。

なあ、先生、



ソノ瞳ニ俺ヲ映シテ



勢いよく腕を引き寄せると、突然のことに驚いた細い身体が崩れ落ちる。

うわッ、と声を上げた先生の身体を床に押し倒した。

痛みに顔を歪めたのがわかったけど、それを気に留めてやることができなかった。


「いってぇ・・・・何すんだよてめえ!」
「・・・・なあ、先生」


思っていた以上に低い声が出た。

俺の身体の下が細い身体がびくりと跳ねる。

俺は唇の端を持ち上げた。また先生の身体が怯えたから、上手く笑えていなかったらしい。


「頬にクリーム、ついてんぜ?」
「・・・・え・・・・?」


ぱちくりと目を瞬く先生が、可笑しくて愛おしい。

ああ、そうか、俺、

先生が好きなんだ。


「・・・・とってやるよ」
「うひゃッ?!」


頬に舌を這わせると、先生は色気もくそもない声を上げた。

びくりと細い身体が跳ねたのは、気持ちイイとかじゃなくて驚いたからだろう。

甘いクリームが口の中でいっぱいに広がる。

なあ先生、このカスタードクリームとあんた、どっちの方が甘い?


「や、やめろ、有岡・・・・ッ」


その頬に丹念に舌を這わせると、頬が熱くなってきた。

やっぱ気持ちイイとかじゃねえな。恥ずかしいんだ。

先生を見下ろすと、案の定顔を真っ赤にしてた。

・・・・ああ、可愛い、な。


「やめろって・・・・有岡ぁ・・・・ッ」
「甘いな・・・・先生・・・・」


俺の声に、先生の身体がびくりと跳ねた。

なあ、あんた今、泣きそうになってる?

俺の肩を押し返す手に力はないし、ちょっとだけ震えてる。


「なあ、先生」
「う、ぁ、やめ・・・・っ」
「なあ先生、好きだ」


俺の言葉に、先生が目を見開いた。

呆然と俺を見上げる先生を見下ろす。


「・・・・は・・・・何、言ってんだよ」
「好きだ、先生。好きだ」


意味がわからないと言いたげな顔で笑う先生を見下ろす。

俺の真剣な顔を見て、先生の肩がまたびくりと跳ねた。

白い頬が、一層赤くなった。

まるでイチゴだ。


「な、何言って・・・・そんな冗談、言うもんじゃねえぞ?」
「冗談じゃねえよ・・・・好きだ、好きなんだ・・・・」


先生の貌が、引きつった。

意味を理解しかねてる?気持ち悪がってる?

なあ、それとも他の?


「ば、馬鹿言うなよ・・・・俺は男だぞ?」
「知ってる」
「お前も男で、俺は教師でお前は生徒だぞ?」


先生の顔は必死だ。俺の目を覚まさせようとしてるのか?

でも残念。俺はいつだって起きてるよ、先生。

先生の唇に、キスを一つ。


「それでも、好きだ」


先生が目を見開いて、息を呑んだのがわかった。

その細い身体を、できるだけ強く、できるだけ優しく抱きしめた。


「なあ先生、好きだ。好きなんだ。俺どうしたらいい?」
「有、岡・・・・」
「なあ先生、好きだ。その目に俺を映してよ。俺を先生の世界に入れて」


先生の胸に額を押し付ける。

先生の心臓が、どきどき言ってるのがわかった。

俺だって、大概どきどきしてるけど。


「好きだ。好きだ、先生。好きだ」
「・・・・ッ」


頬に手を添えると、先生はぎゅっと目を閉じて逃れようとした。

無言が、真っ暗な部屋を流れる。

ああ、そうだよな。やっぱ嫌だよな。気持ち悪いよな。

先生の上から退こうとしたら、ぎゅっと服を引っ張られる感覚。

不思議に思って先生を見下ろすと、先生は俺を見ずにさっきより真っ赤な顔で何かぼそぼそと呟いた。


「・・・・じゃ・・・・た・・・・」
「え?」


聞き取れずに聞き返すと、ぎろりと勢いよく睨まれた。

俺の服を掴む先生の手に、力がこもる。


「だから!嫌じゃなかったっつってんだよッ!」


先生の怒鳴り声に俺は目を見開いた。

驚いたからじゃない。いや驚いたことは驚いたけど。

嫌じゃない?何が?今俺がしたことが?

キスも?告白も?全部?

なあ先生、期待してもいい?


「好きだ先生!好きだ、好きだ」
「あ、有岡・・・・」


先生の腕が、恐る恐る俺を抱き返してきた。

それが嬉しくて、先生を抱きしめる腕に力を込める。

先生は俺の胸に顔を埋めながら痛えよ馬鹿、と呟いた。


「先生・・・・」
「あ・・・・」


ゆっくりとキスをすると、先生は小さく声を上げて、やがて目を閉じた。

唇を舐めて歯をつつくと、先生は恐る恐る俺を迎え入れてくれた。


「ん、んむ・・・・っ」


歯列の裏をなぞって、無意識に逃げる舌に自分の舌を絡める。

びくりと震えた身体が愛おしくて、抱きしめる腕に力を込める。

ちゅくちゅくと水音が部屋に響いてヤラしい。

抱きしめる先生の身体の体温が上がった気がした。


「ん、んむ!ん、ふぁ、ん、あり、有、岡・・・・っ」


角度を変える合間合間に先生が吐息を漏らす。

可愛い、愛しい、ずっとこうしていたい、

唇を舐めて、軽いリップ音を立てて唇を放すと、その白い首筋に唇を寄せる。

ひくりと先生の喉が引きつった。


「あ、有岡・・・・お、俺・・・・」
「うん・・・・今日はシない。俺も、男同士のヤリ方知らねえし」


・・・・今度桃に会ったら聞いてみよっかな。

・・・・いや、やっぱやめとこう。根掘り葉掘り聞かれそうだ。

先生の首筋は熱くて、つーか身体中熱いけど、すっげえ滑らかだった。

シャツで隠れる場所に吸いついて、赤い痕を散らす。

今は身体が火照ってるからわかりにくいけど、けど落ち着いてみたらきっと綺麗なはず。

白に赤はよく映える。


「あ、有、岡、や、やめ・・・・っ」


うーん、気持ちイイんじゃなくてくすぐったいんだろうなぁ。

ベルトのバックルを外してジッパーを下ろして、下着の中に手を突っ込んだ。


「う、うあッ!や、やめろってぇ!」
「うん」


適当に返事をしてちゅと音を立てて頬にキスをした。

先生は泣きそうな顔で俺を見上げてくる。

握りこんだ先生のそれを上下に扱くと、喉の奥で先生が呻き声を上げた。


「や、やめろ、有岡!やめ、やめて・・・・っ」


縋るような、懇願するような声で先生が喘ぐ。

またちゅと音を立てて頬にキスをして、空いてた手でズボンを下着ごと引きずり下ろした。

握りこんだ先生自身が熱くなってきて、それで硬くなってきた。


「あれ、もしかして溜まってた?」
「う、うっせえ・・・・ッ」


そうだよな、教師って忙しそうだもんな。

けど溜め込むって身体に悪いよな。

俺は先生の足を開かせると、躊躇もなく勃ち始めたそれを口に入れた。


「ぎゃッ!や、やめろ有岡!やめろ!やめろってぇ・・・・っ」


男のモン舐めてると思ったらちょっと気持ち悪かったけど、先生のだからいっかなって思った。

・・・・うん、やっぱ、苦いし不味いな。女ってすげえな。

・・・・いや、これで美味いとか感じてたら俺本格的に落ち込むな。


「う、うんッ!は、ぁ、ああ・・・・っ!あ、有岡!有岡・・・・っ」


切なげに先生が俺を呼ぶ。

限界近い?つか気持ちイイんだ。よかった。

手で根元を扱いて、亀頭を強く吸い上げた。


「う、あ、あああッ!」


先生はびくりと身体を震わせて果てた。

うッ、さすがにこれはちょっと無理。気持ち悪いっていうか、苦いし不味い。

俺は咄嗟にテーブルの上のティッシュを引っ掴んだ。

先生は荒い息をしながら呆然と俺を見つめてる。


「お、おま、何やってんだよ!ば、馬鹿じゃねえの!」
「いや、先生だったらいっかなって」


先生の貌が一層赤くなった。あ、可愛い。

先生は唇を引き結ぶと、俺の股間に視線を落とす。

・・・・うん、臨戦態勢デスネ。

先生はごくりと息を呑むと、恐る恐る俺のそこに手を伸ばす。


「え?!いや俺はいいって!」
「・・・・何で?」


いや、何でって・・・・。

そんな目ぇ潤ませながら見上げんなよ。はち切れそう。あ、ごめん。

いやそりゃ辛いけど、いやでもけどなぁ、

なんて葛藤してたら先生はいつの間にか俺の息子を取り出してた。

ちょっと驚いたように目を丸くして、ぐっと唇を引き結んだ。

・・・・つか、そんなまじまじと見られたら恥ずかしいんですケド。

先生は怖々と俺を握る手で上下に擦る。


「・・・・っ」


漏れそうになった声を無理矢理押し殺した。

けど聞こえたんだろう、先生がばっと顔を上げる。

目を潤ませて、頬を上気させて、目を丸くして唇引き結んで、

先生はまた俺を見下ろすと、ゆっくりとそれを口内に誘った。


「う・・・・は・・・・ッ」


先生の口ん中は熱い、んで、気持ちイイ。

今まで何人か女抱いてフェラとかされたけど、比べもんにならないぐらい気持ちイイ。

本当に好きな奴とこうするのって、本当に気持ちイイんだな。

何つーの?くすぐったいっていうか、何か、幸せ?

うん、これが一番しっくりくる。


「んッ!ん、ん・・・・ぅん・・・・っ」


先生は俺を咥えこんで必死で舌を動かしたり吸ったりしている。

うん、上手くねえよ?全然慣れてないし、いや慣れてたら俺立ち直れねえな。

下手で、稚拙で、でもめちゃくちゃ必死で頑張ってくれてて、

だから気持ちイイし、幸せ。


「は・・・・先生・・・・」
「う、ぅん!ん、ふ、ふぁ、ん、んむっ」


髪を撫でると、先生の肩がびくりと跳ねた。

優しく、ゆっくり撫でると、強張っていた肩からゆっくりと力が抜けていく。


「先生・・・・俺、イキそう・・・・っ」


先生はちらりと俺を見上げて、先端を強く吸い上げた。

俺の身体は情けなくびくりと震えて、まるで童貞の初SEXみたいに慌ただしく吐精した。


「うぐッ!」


口を押さえて呻き声を上げた先生に、俺は慌ててその口元にティッシュを添える。

先生は咳き込みながらティッシュの中に俺の精液を吐き出した。


「はあ、はあ・・・・げほッ!はー・・・・はー・・・・」
「大丈夫か?」


背中を擦ってやると、先生は小さく声を漏らしてうっとりと目を閉じた。

俺に身を預けてくるその姿に、俺はどきっとした。

やばい、めちゃくちゃ心臓どきどきいってる。

これは、やばいな。めちゃくちゃ幸せだ、俺。


「先生・・・・」


ちゅ、と先生の汗ばんだ額にキスをすると、先生はくすぐったそうに身を捩った。

やばい、幸せすぎて泣きそう。つか死ねる。

ていうか、俺も久々だからかな・・・・うーん・・・・。

・・・・若いって時々困るよな。

それに気付いたのか、先生はちらりと俺の股間に視線を落とす。

多分俺、今めちゃくちゃ顔を赤い。

先生は俺を見上げて、くすりと小さく笑った。


「なあ、有岡。アリストテレスの死んだ日、教えてやろうか」
「え?」


突然の先生の言葉に、俺は目を瞬いた。

・・・・ああ、そういえばそんなこともあったっけ。

先生はまたくすっと笑って、突然俺の首に腕を回して自分は後ろに倒れた。

うわ、俺今情けない声出した。

先生は俺を引き寄せて、艶っぽく囁く。


「紀元前322年3月7日だ」


先生を見下ろすと、先生は悪戯っぽく笑う。

睦言にもならない睦言に、俺も笑った。

もし今日が3月7日だったとかだったらロマンチックだとか思ったか?

けど残念。今はもうすぐ12月を迎える11月の下旬で、

3月7日は俺の誕生日でも先生の誕生日でもない(後者は多分だけど)

先生が俺の胸倉を掴んで、勢いよく俺にキスをする。

中3のとき、女をとっかえひっかえだった俺に、桃が「好きな人を見つけた方がいい」と言ったことがあった。

「好きな人となら一緒にいるだけで幸せだし、好きな人とのSEXが一番気持ちいいんだよ」って、中学上がったばっかのくせに。

なあ桃、うるせえとか言ってごめんな。

お前の言うこと、正しかったよ。

ああ、幸せだな。





二週間後、二学期の学期末テスト。

世界史の問題用紙を見て、俺は目を見開いた。

顔を上げると、目が合った俺を見て先生はにやりと笑う。

それから一ヶ月前のあの先生の、いや月代の野郎の笑みの意味がわかった。



(アリストテレスの死んだ日どころか、テスト範囲15世紀の話じゃねえか!)





<出逢い編・Fin>
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な、長いッ!;思ってた以上に長くなってしまいました。
授業中に突然降臨してきたシリーズネタ。生徒×教師大好きです。年下攻下剋上マンセー。
攻は有岡紅(ありおかコウ)で生徒、受は月代勝彦(つきしろかつひこ)で教師。
紅は意外と頭いいし料理上手で器用です。勝彦は意外に大食いで甘党で超ド不器用です。
つーか一人称もののシリーズ小説なんて初めてです。ちょっとどきどきしてます(笑)
でもやっぱ一人称って楽しいな。キャラの心情を細かに、んでわかりやすく表現できるから。
最後の最後まで紅の会話文以外の月代の呼び方を「先生」にするか「月代」にするか悩みました。
「愛してティーチャー!」は紅視点ですが月代視点のものも考えてます。よかったらそっちも読んでみてくださいね。



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