果て知らず


ぐちゃぐちゃと、卑猥な水音が部屋に響く。

ギシギシとベッドのバネが軋む。

荒い艶を帯びた息が、耳をくすぐる。


「ん、はあ・・・・ああ・・・・ッ」


自分の下で快楽に身悶える恋人は、それはもう美しいと思った。

腰を打ちつけるたびにベッドのバネが軋み、水音と肌と肌がぶつかり合う音、喘ぎ声が部屋に響く。


「あ、ああ・・・・竜也・・・・竜也ぁ・・・・ッ」
「く、はあ・・・・悠介・・・・っ」


縋るように自分の名を呼ぶ声に、興奮する。

一層激しく腰を打ちつけると、悲鳴にも似た甲高い声を上げた。

竜也を受け入れているそこが、竜也をきゅうと締め付ける。

気持ちイイ締め付けに、思わず呻き声を漏らす。

悠介は快感にとろけた瞳で竜也を見上げ、やがて嬉しそうに目を細める。


「あ、あん・・・・ね、ねえ、竜也・・・・俺のナカ・・・・気持ちイ?」


快感に喘ぎながら紡ぐ言葉が、艶めかしい。

ぞくぞくと、竜也の背筋を興奮が寒気となって這い上がる。


「ああ、最高だ・・・・ッ」
「ホント?あ、はぁん!あ、あん、ああ・・・・嬉しい・・・・っ」


本当に嬉しそうに、幸せそうに微笑むから、

竜也の胸が、甘くきゅうと締め付けられる。

抱きしめるたび、キスをするたび、抱くたびに、思う。

やっぱり悠介が、世界で一番愛おしいと、

それは果てを知らず、日々を過ごすごとに募り募る。


「ん、ああ!りゅ、竜也、竜也っ!イク、イっちゃう!」
「ああ・・・・っ」


悠介の手が、必死に竜也の肩を掴む。

ふと竜也を見上げ、そして泣きそうに貌を歪めた。


「あ、ダメ、竜也、ナカに、ナカに出してっ」
「悠介・・・・っ」


どうして彼はこうも、自分を煽るのが好きなのだろう。

そんなことを愛する人に言われて、

やめられる奴がいるだろうか、

竜也は悠介の身体を抱きしめると、一層強く腰を打ちつけた。


「ひ、ん、あ、ああぁぁァッ!」


一際甲高い声を上げて、背と喉を大きく反らして、

悠介はその細い身体を震わせながら達した。

息が止まりそうになるほどの、それでいて気持ちイイ、締め付けに、

竜也は息を詰まらせ、呻き声を漏らし、悠介の中に精を注いだ。


「ん、あ、ああぁぁ・・・・」


熱いそれが、ナカに注ぎ込まれる。

悠介は嘆息のような声を漏らし、そして恍惚の瞳を宙に這わせた。

快感に焦点の合ってない目に苦笑して、頬を軽くぺちぺちと叩く。

悠介はゆっくりと視線を竜也に向け、ぎゅっと首に抱きついた。

キスをせがむ悠介にそっと微笑んで、その唇にキスをした。


「ん、好き、好き、竜也」
「ああ、俺も好きだ、悠介」


顔中にキスの雨を降らせると、悠介はくすぐったそうに身を捩った。

幸せそうなその顔に、頬が自然と緩む。


「んッ竜也・・・・あ、今度は俺が動くね・・・・」


そう言って竜也の肩に掴まって腰を揺すり始めた。

キシキシと、ベッドが微かに軋む。


「ん、は、ああッ!あ、あう、あ、あんっ」
「は・・・・悠介・・・・」


頬にちゅ、と音を立ててキスを落とすと、悠介の身体が僅かに跳ねた。

きゅうと、強くなった締め付けに一瞬貌を顰める。


「ああん・・・・竜也・・・・りゅうやぁ・・・・っ」
「どうした?悠介。そんなに気持ちイイのか?」
「う、うん・・・・気持ちイイ・・・・気持ちイイのぉ・・・・っ」


必死で声を上げる悠介に、目を細める。

ぐちゅぐちゅと音を立てて先ほどナカに出したものが溢れてきた。

それがわかったのか、悠介は顔を真っ赤にした。

腰の動きがどんどん緩やかになっていく。


「どうした?もっと動かないとイケないぞ?ほら」
「あぁんッ!」


軽く音を立てて尻を叩いてやると、悠介は女のような声を上げた。

恨めしげに目を向ける悠介に微笑んで見せる。

やがて悠介は顔を伏せて再び腰を揺らし始める。


「あ、あん!は、はあ、あ、ああんッ」
「んッ・・・・どうした、悠介、腰の動きが速くなってきてるぞ?」


快楽の所為で聞こえていないだろう悠介に苦笑する。

悠介が腰を揺するスピードが速くなる。

快楽が、増す。


「あ、あ、ど、どうしよ・・・・竜也・・・・」
「ん・・・・?どうした・・・・?」


悠介の額に張り付く彼の前髪をかきあげて、その額にそっとキスを落とす。

竜也の首に細い腕を回して、悠介は言葉を紡ぎながら喘ぐ。


「と、とまんない・・・・とまんないよぉ・・・・っ」
「・・・・ああ、いいんだよ、悠介。もっと動いて?俺も気持ちイイよ」


優しく微笑んで、そっと頬を撫でてやる。

悠介は幸せそうに笑った。

悠介の腰の動きが、より一層激しくなる。


「ん、は、あ、あッ!い、イク・・・・ッ」


びくん、と身体を跳ねさせて、悠介は熱いそれを吐き出す。

それと同時の締め付けに、竜也は一瞬貌を顰め、悠介の最奥で果てた。

ナカから溢れる熱いそれに、悠介は恍惚の吐息を漏らした。


「あ・・・・ねえ、俺も動くから、竜也も動い、て?」


腕を首に回しながら、悠介が上目遣いに竜也を見上げる。

その瞳に、眩暈のような快感を覚え、

竜也はそっと、悠介の唇にキスを落とす。


「本当にお前は、俺が好きだな、悠介」
「ん・・・・竜也も、俺が大好きだよね」


楽しげに笑った悠介に、竜也も目を細めた。

悠介の呼吸が整うのを待って、ゆっくりと腰を揺すり始めた。

快感に吐息を洩らしながら、悠介も自分の腰を動かし始める。


「ん、はぁ・・・・あ、あっ、竜也・・・・りゅうやぁ・・・・ッ」
「は・・・・好きだ、悠介」
「ん・・・・俺も、好きぃ・・・・っ」


ベッドのバネが、先ほどよりも一層大きく軋む。

卑猥な水音と、肌と肌がぶつかり合う音も、大きく、部屋に響く、

それすらも、二人には快感だった。

広い世界のこんな小さな部屋の中だけだけど、二人だけの世界があることが幸せだった。


「ふ、ふぁ、ん、あ、イイッ気持ちイイよ!竜也ぁッ!」
「はあッ!ああ、俺もだ、悠介・・・・!」


激しく、腰を打ちつける。

悠介の腰は無意識の内に激しく動いている。

竜也を受け入れているそこが、きつく彼を締め付ける。

快感に、息が止まる。


「ん、あ、あ、い、イク、イクッ、イクぅッ!!」
「・・・・ッ!」


必死で自分に腕を伸ばす悠介が、ひどく愛おしい。

竜也は悠介の身体が軋むほど、強く、強く抱きしめた。

一層強く、腰を打ちつける。


「ん、あッ!ああぁーッ!!」


大きく身体を逸らせ、悠介は悲鳴にも似た嬌声を上げて果てる。

竜也の身体も一瞬大きく跳ね、熱くとろけた悠介のナカに熱を放った。










自分の腕の中ですやすやと眠る愛しい人を見つめる。

うぅん、と小さく唸って、すりすりとすり寄ってくる。

それがひどく愛らしく、そして愛おしかった。

悠介の寝顔を見つめながら、竜也はそっと目を細める。

窓の外はもうすっかり夜の帳が下りていた。

行為の後の気だるさも手伝って、心地よい眠気が瞼を撫でる。

けれどもっと、この寝顔を見つめていたいと思った。


「ん・・・・りゅうやぁ・・・・」


何の夢を見ているのだろう、悠介は彼の名を呼んでふにゃりと笑った。

その笑顔が、ひどく幸せそうで、

竜也はどうしようもない幸せの胸の奥で噛みしめた。

直接触れ合う肌が、この体温が、ずっと隣にあってほしい。

時々、怖くなるときがある。

自分はどこまで、彼を好きになり続けるのだろうと、

いつか堰を切って溢れかえりそうな彼への愛が、時々恐ろしい。

いつこの愛は、果てを知るのだろう。

そんな日が、一生来なければいいのに、

矛盾に苦笑して、愛しい人の体温を抱きしめ、竜也は眠りに身を預けた。



きっと明日も、今日より君を好きなる。





Fin
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すげー!最初から最後までヤってしかねえよ!恥ずッ!!
えーっと、攻君は竜也(りゅうや)、受君は悠介(ゆうすけ)ですね。そろそろ名前ネタ切れですよ。どうしましょ。
これね、ええ、製作期間長かったですよ。
2週間は確実かかってますね。こんなに時間かけた小説初めてだよ。
大体推敲もせず行き当たりばったりで書き始めるので、いつも1時間ぐらいです。製作時間。
まあちょびちょび書いて保存してupして放置だったんですけどね。製作時間より放置時間の方が長いですけどね。
一応龍瀬的には学生で作ったんですけどもうどうでもいいよね。こんだけ元気なら学生だよ(コラ)
前回が自分の想像以上にDVだったんで甘々書こうと思ったら想像以上に甘くなったよゲロー。
うん、甘々ラブラブ好きです。ぶち壊したくなるほど好きです。アイユエニー。
あ、以外と短くなった。



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