あいすきゃんでぃみるくあじ


青い空を見上げる。

太陽の光に、顔を顰める。

手で遮って、ふうと溜息を吐く。


「暑い・・・・」


祥貴は小さく、呟いた。

父親の仕事相手のパーティに呼ばれ、相手の家に一泊して今日の昼前に相手の家を出た。

着慣れないスーツはかなり暑い。

ネクタイを解くとシャツのボタンをはずす。


「祥貴!」


声をかけられ、振り返る。

少し待ってろと言ってどこかに行っていた養父の誠二郎が戻ってきた。


「ほら」
「何ですか?これ」
「アイスキャンディーだ。美味いぞ」


にこにこと笑顔で誠二郎は手に持っていたそれを一つ祥貴に渡す。

祥貴は礼を言ってそれを受け取った。


「買いに行くんでしたら俺が行きますのに」
「いろんな奴に愛想振りまいて疲れたろ?」


誠二郎は意地悪げに笑って言う。

祥貴は困ったように苦笑した。

白いそれを口に入れる。

ミルク味で結構甘いがなかなか美味い。


「美味いだろ?」


得意げな顔で問う誠二郎に頷く。

誠二郎も嬉々とした顔で自分のアイスキャンディを食べ始めた。

甘い物好きの誠二郎らしいな、と祥貴は食べながら思った。

子どものような顔でアイスキャンディを食べるその姿は、とてもじゃないが40を過ぎた大会社の社長には見えない。

他愛のない話をしながら二人で食べ続ける。

真夏の日差しを避けてか、普段は人が多いこの公園も人はいなかった。

そう、今は真夏である。

当然氷菓子であるアイスキャンディは、融けるのが早い。


「んッ!」


突然声を上げた祥貴に誠二郎は振り返る。

祥貴がアイスキャンディを咥え、顔を顰めて自分の手を睨んでいた。

長い指からぽたぽたと白い液体が滴り落ちる。

誠二郎は目を見開いた。


「うわー融けだした」


そう言って祥貴は自分の指を舐める。

誠二郎は自分の顔が熱くなるのを感じた。

アイスキャンディを咥えていた祥貴の唇から白いそれが伝う。

顎を伝ったそれが、シャツの下の祥貴の鎖骨に滴り落ちた。

どきどきと、誠二郎の心臓が騒ぎはじめた。

祥貴は必死にアイスキャンディと格闘していて気付かない。

3分の1ほど残っていたそれを全部口の中に収めるとスティックを屑かごに投げ捨てる。


「うわ、最悪。ベトベトする」


そう言って祥貴は顔を顰める。

不快感を拭おうと自分の手を舐めた。

微かに甘い味がして、嫌そうに顔を顰める。

誠二郎ははっと我に返った。


「じゃあどこかで涼みがてらに休むか」


そう言って立ち上がると自分のスティックをゴミ箱に捨てる。

祥貴も慌てて立ち上がるとそれに続いた。

贔屓にしているプリンスホテルに入る。

受付に行くと受付嬢が笑顔で鍵を誠二郎に渡した。

このホテルの一番のスウィートルームの鍵だ。

エスカレーターに乗って最上階にまで上がる。

このプリンスホテルの最上階のスイートルームは、その階全体が一部屋になっている。

エレベータを降りて部屋の鍵を開ける。


「祥貴、お前先にシャワー浴びてこい」
「父様は?」
「一緒に入るか?」


意地悪げに笑って問うと、祥貴は大きな音を立てて洗面所のドアを閉めた。

今更恥ずかしがる仲でもあるまいに、と誠二郎は溜息を吐いた。

数十分もすると、バスローブを着た祥貴が出て来た。

新聞を読んでいた誠二郎は顔を上げる。


「父様。先に失礼しました」
「ああ。じゃあ俺も入ってくるか」


誠二郎は新聞をローテーブルに置くとソファから立ち上がる。

祥貴と入れ違いざまにバスルームに入った。

汗は掻いていたので頭と身体を洗ってシャワーを頭から被った。

バスローブを着て洗面所を出ると、祥貴が暇そうな顔で新聞を読んでいた。

バスローブのふわふわした生地の下から、白い首筋が曝け出されている。

外で必死に抑えていた欲情が、頭をもたげた。

40を過ぎても元気な自分に頭痛を覚えた。

身体の弱い妻にはもう大した欲情を覚えないのに、どうして二回りほど違う自分の養子にはこうも欲情するのだろう。

ソファ越しに、祥貴の身体を抱きしめた。

祥貴が驚いたように振り返る。


「父様?」
「んー?」


首筋に顔を埋めると、祥貴がくすぐったそうに身を捩った。

バスルームに備え付けられていたボディソープの匂いがする。


「祥貴・・・・」


そっと上を向かせて、その唇を啄ばんだ。

祥貴が小さく声を上げる。

閉じていた目を開けて祥貴の顔を見る。

祥貴は目を閉じ、顔を真っ赤にしていた。

ああ、可愛い、可愛すぎる。

下腹部が疼く。

唇を離すと同時に勢いよく祥貴の身体を抱き上げた。


「うわッ?!」


突然のことに驚いた祥貴が誠二郎の首に縋る。

ベッドルームのドアを蹴り開けて、少し高いところから祥貴の身体をベッドに落とした。

その身体が一瞬沈むと同時、上に被さる。


「祥貴・・・・」
「ん・・・・ッ」


再び唇を塞ぐと、祥貴が可愛く声を漏らした。

唇を舐めると、祥貴がおずおずと口を開いた。

歯の隙間に舌を滑り込ませて祥貴の口内を存分に味わう。

熱い中を好きなだけ犯すと、所在なさげにしていた舌に絡みついた。


「んんッ」


びくりと、祥貴の肩が震える。

無意識に逃げようとするその頭を押さえ込む。


「ん、ん、んふ、ふぁ・・・・あッ」


強く吸うと、祥貴がびくりと身体を震わせた。

ベッドについていたもう片方の手を祥貴の背中に回す。

祥貴の腕が背中に回って、縋るようにバスローブを握った。


「ん、ん、ふ、んんっ、ん、ふぁ、あ」


くちゅくちゅとくぐもった水音が部屋に響く。

誠二郎から与えられる甘い快感に身体がびくびくと勝手に震える。

祥貴はうっすらと目を開ける。

誠二郎の整った貌が目の前にあった。

気持ちよさそうに自分の唇を貪っている。

無性に恥ずかしくなって、祥貴はさらに顔を赤らめさせた。


「ん、んんッ、く、ふ、んぁ、ふぁんッ」


舌を絡まれたまま、強く吸い上げられた。

びくんと身体が跳ね、恥ずかしくなって誠二郎のバスローブを握る手に力を込める。

誠二郎はキスが上手くて、好きだった。

一日に数回は必ずキスを求められる。

了承の上だったり、無理矢理だったり、させられたり。

毎回毎回くたくたになるまでされる。

・・・・まあ、嫌ではないが。


「ん、ん、んふ、んんっ」


舌を誠二郎の口内に引きずり込まれ、軽く甘噛みされた。

びくんと波打った身体に、誠二郎が微かに笑ったのがわかった。

恥ずかしい。

カアッと顔を赤らめると、誠二郎が濡れた音を立てて唇を離した。


「キスだけで感じたのか?」


自分の唇を舐めながら意地悪げに問う。

祥貴の貌がカアッと赤くなった。


「ち、ちが、あんッ!!」
「違うのか?ショックだなー」


誠二郎が祥貴の耳を甘噛みする。

起き上がろうとするが、誠二郎が被さっているので起き上がれない。


「あ、と、父様・・・・ッ」
「なあ、祥貴。お願いがあるんだ」


突然の誠二郎の言葉に、祥貴はキョトンとした。

誠二郎の頼みなどしょっちゅうだが、改まるのは珍しい。


「何ですか?」
「・・・・いや、その、あの」


首を傾げて問うと、誠二郎は顔を赤くして顔を逸らした。

嫌に言いにくそうだが、逆に気になる。

誠二郎は祥貴の身体を抱き寄せると、その耳に唇を寄せた。


「口でシて?」


熱い吐息に、祥貴は身体を震わせた。

誠二郎に言われたことの意味が、一瞬わからなかった。

きょとんとして、顔の赤い誠二郎を見つめる。

やがて、悟った。

祥貴の顔がカアッと赤くなる。

したことがないわけではないが、それはあくまで自分からで。

祥貴から言われたことはなかった。


「い、嫌ならいいんだぞ祥貴!」
「え」
「嫌ならはっきり嫌だと言ってくれ!俺はお前に気持ちヨくなってほしいから、お前が嫌なことはさせたくないんだ」


突然慌てだした誠二郎に祥貴は目を瞬く。

あわあわと慌てている誠二郎が、妙に可愛い。


「だから本当に「いいですよ」
「だよなぁ。やっぱり嫌・・・・え?」


自分の言葉に、誠二郎がぽかんとした。

瞬間、その顔が真っ赤になる。

面白いなぁ、と祥貴は誠二郎の顔を眺めた。


「しょ、祥貴、お前意味わかってるのか?」
「わかってますよ。それに父様がシてって言ったんじゃないですか」


祥貴は不満そうにむうと頬を膨らませた。

ああ、可愛いってそうじゃなくて、


「本当にいいのか?」
「別に初めてじゃないんですからいいじゃないですか」


祥貴はするりと誠二郎の腕から抜け出すとベッドから降りる。

まだ唖然としている誠二郎の腕を引っ張ってベッドの縁に座らせた。


「わ、父様もうこんなになってますよ。もしかしてずっと我慢してたんですか?」


バスローブを広げると既に形と固さを持ったそれが出てきた。

驚いたように目を丸くした祥貴に誠二郎ははっと我に返る。


「もしかして、俺がアイスキャンディ零したの見て興奮しました?」
「こ、の・・・・」


祥貴はふふ、と笑って意地悪げな顔で誠二郎を見上げた。

祥貴の言葉に、誠二郎は引きつった笑みを浮かべた。


「しょ、祥貴、本当にいいのか?」


まだ聞く誠二郎にむっとする。

いい加減しつこい。

返事の代わりに誠二郎のそれを咥えこんだ。

誠二郎がうわ、と声を上げる。

両手で握っていた誠二郎のそれに舌を這わせる。

ぴくりと、誠二郎の足が一瞬震えた。

亀頭を吸って、竿を擦って、奥まで咥えこんで、裏筋に舌を這わせる。

誠二郎が時折、呻くような声を上げる。

ちらりと誠二郎の顔を見上げた。

普段涼しげなその顔は上気し、何かに耐えるように眉が寄せられている。

祥貴は嬉しくなって、夢中で頭から動いた。

誠二郎はは、と息を吐いた。


「はぁ・・・・父様・・・・気持ちイイですか・・・・?」
「聞くなバカ・・・・っ」
「とふはまふぁっへひふひゃないへふは」
「わ!咥えながら喋るな!!」


むうと顔を顰めて、再び動きを激しくする。

誠二郎は時折呻き声を上げ、それでも愛おしそうに祥貴の頭を撫でる。


「はっ、・・・・おい祥貴、離せ」
「なんふぇれすふぁ?」
「咥えながら喋るなっつの。いいから離せ」
「イキそうですか?」


にやりと笑った祥貴に、言葉を詰まらせる。

祥貴は楽しそうに笑うとまた誠二郎を咥えこんだ。

先ほどよりより一層動かし、強く吸う。


「バッ・・・・おい!」


さらに強く吸い上げる。

誠二郎は呻き声を上げ、身体を強張らせ、

熱いものが、口内に流れ込んできた。


「んむッ!」


思わず口を離すと、熱いものが顔にかかる。

誠二郎が慌てたのがわかった。

祥貴は口内に残ったものを飲み下す。


「わ!バカ!吐きだせ!!」


ごくりと喉を鳴らすと、誠二郎は呆然と目を見開いた。

ぺろりと指を舐めて、にやっと笑ってみせる。

誠二郎は深々と溜息を吐いた。


「父様出るの早くなりましたね」
「あ?!」


顔に飛んだものを拭いながら祥貴が言う。

勢いよく振り返った誠二郎に、祥貴はにやりと笑った。


「もう歳ですかね」
「・・・・ん、だと・・・・ッ?!」


ぴくりと、誠二郎の頬が引きつる。

祥貴は自分の指についた誠二郎のそれを舐める。

余裕たっぷりなその生意気な貌を、泣かせたい。


「そうだな。俺ももう歳だからな」
「え?」


誠二郎の言葉に祥貴は驚いたように顔を上げた。

てっきりムキになると思っていたのに。


「けど」
「うわッ?!」


突然腕を掴まれ、無理矢理足の上に引きずり上げられた。

誠二郎は祥貴の身体を足の上に乗せると細い腰をがっちりとホールドする。


「お前は若いんだから、なかなかイケなくても大丈夫だよ、なぁ?」


そう言って、誠二郎は首を傾げてにっこりと微笑む。

祥貴の背筋を、嫌な汗が伝う。

祥貴は引きつった笑みを浮かべた。


「と、父様・・・・?」


恐る恐る声をかけた祥貴に、誠二郎はにっこりと微笑んで見せた。










「あ、ああ、あああッ!!」
「ほら、お前も動いてみろ」


そう言って腰を打ちつけると、祥貴は悲鳴のような声を上げた。

激しく腰を祥貴に打ち付けるたびに豪華なベッドがぎしぎしと軋む。

タオルで拘束された祥貴の腕が、必死に逃げようとひっきりなしに動く。

痛くしてはいないものの解けないようにしっかりと結んでいるそれが解けるわけがない。

頭の上で縛られベッドボードに繋がれたそれは解けない。

祥貴は泣きながら誠二郎を見上げた。


「と、父様、これ解いてッ!」
「これって、腕?それともこっち?」


そう言って誠二郎は起ち上がった祥貴のそれを指で弾く。

祥貴が悲鳴のような声を上げた。

誠二郎のネクタイで縛られた祥貴のそれはびくびくと震えながら透明の雫を零している。


「ど、どっちも、解いてぇッ!」
「何言ってんだ。お前は若いんだからまだまだ平気だろう?」


ちゅ、と祥貴の頬にキスをすると祥貴が悲鳴を上げた。

祥貴の中に挿入して早20分、ずっと祥貴はこの状態だ。

その間どちらの拘束も解いてやっていない。

まあ祥貴のものに刺激を与えることはあったが。

祥貴の中は自分が出したものでぐちゃぐちゃと音を立てている。


「も、も、無理ぃッ」


すすり泣く祥貴に満足げに目を細める。

最奥を突いてやると、祥貴は身体を反らして悲鳴を上げた。

強くなった締め付けに呻いて、祥貴の最奥で果てる。


「は、あ、あああ・・・・ッ」


誠二郎の熱い欲が身体の奥にまで流れ込んでくる。

しかし自分の欲を、吐き出すことができない。

祥貴は面白半分に誠二郎をからかったことを後悔した。

また誠二郎が激しく突き上げだした。


「あ、ああッ!と、父、様っ」
「ほら祥貴、ごめんなさいは?」
「ご、ごめんなさ、ああんッ!!」


すべて言い切る前に、誠二郎が奥を強く突き上げる。

喘ぎながら祥貴は誠二郎を睨んだ。


「ん?ああ、何か言ったか?」
「しょ、性悪・・・・ッ」


小さく呟いた祥貴に、笑う。


「そんなこと言う子には、お仕置きが必要だな」
「へ、あ、あああッ!!」
「その性悪が大好きで仕方がないのはどこの誰だ?ん?」


祥貴の足を持ち上げて、一層激しく腰を打ちつけた。

中に出したものがぐちゃぐちゃと音を立てながらシーツに滴り落ちる。

祥貴はぼろぼろと涙を零しながら悲鳴を上げている。


「ああッ、あ、が、かはッげほ、ごほっ」


あまりの激しさと苦しさに祥貴が咳き込む。

泣きながら激しく咳と喘ぎ声を上げる祥貴に誠二郎は目を細める。


「か、げほッごほッ!と、父様、ご、ごめんなさい・・・・ッ、赦して、赦してぇッ!!」


泣きながら祥貴が必死に懇願する。

まあ、これ以上イジメても可哀想だし、これぐらいで赦してやるか。


「しょうがないな、祥貴」


そう言って祥貴を縛っていたネクタイを解いた。

苦しさから解放されたのだろう、祥貴が長い息を吐く。

祥貴の足をさらに持ち上げて、強く突き上げた。


「あ、あああ、ああああッ!!」


女のような声を上げて、祥貴が果てる。

しかし勢いはなく、トロトロと白いそれを零し始めた。


「あ、あう、あうぅ・・・・」


長い絶頂に、祥貴の瞳が快感で虚ろになっている。

誠二郎は目を細めると、再び腰を打ちつけ出した。


「だ、駄目です父様・・・・ま、まだぁ・・・・ッ」
「俺に我慢しろというのか?祥貴?俺が我慢するのが嫌いなこと、お前が一番よく知ってるだろ?」


ちゅと額にキスを落とす。

ギシギシと、ベッドが軋む。

祥貴の絶頂はまだ終わっていない。


「だ、駄目、父様っ!お、おかしくなっちゃうぅッ!!」


祥貴が悲鳴のような声を上げる。

誠二郎は腰を打ちつけながら目を細めた。

祥貴がヒンヒンとすすり泣いている。


「あ、あう、あうぅ!あ、あん、あああッ」


高い声を上げて祥貴が再び果てる。

今度は勢いよく吐き出された。

誠二郎も再び自分の欲を最奥に流し込む。


「と、父様・・・・腕の、解いてぇ・・・・っ」
「腕縛ってたって腰は動かせるだろ」


再び腰を動かすと祥貴がまた悲鳴を上げた。

ぐちゃぐちゃと、祥貴の中に吐き出したものが音を立てる。


「ほら、上手に動けたら解いてやるぞ?」
「うぅ・・・・あう・・・・」


祥貴は顔を真っ赤にして泣きながら眉を寄せた。

ぎしぎしと音を立てて腕を引っ張るが、やはりタオルは解けない。

諦めの悪い祥貴を促すように音を立てて尻を叩くと、祥貴は悲鳴のような声を上げる。

祥貴は泣きながら誠二郎を見上げると、やがて自分から腰を動かし始めた。


「ん、んんッ、は、はうッ!あ、あんッ、あ、ふぁッ」


強く閉じた祥貴の瞳から涙が零れる。

誠二郎は笑うと、頬を伝うそれを舐める。


「い、いやっ、いやァァアッ!!」


味わうように頬を舐める誠二郎に、祥貴は身体を震わせ泣きながら悲鳴を上げた。

強い快感の所為で、全身が性感帯になっているようだ。

そんな祥貴に目を細めて、誠二郎は丹念に祥貴の頬を舐める。


「い、嫌です父様!ごめんなさい、ごめんなさい!赦して、赦してぇッ」
「説得力ないぞ祥貴。さっきより腰が動いてるじゃないか」


ん?と首を傾げて腰を動かすと祥貴が一層悲鳴のような声を上げる。

もう嫌か赦してかごめんなさいしか言っていない。


「どうした?まだイケるだろ?ん?」
「いやぁぁ・・・・ゆるして、ゆるしてぇぇ・・・・ッ」


泣きながら懇願する祥貴に、誠二郎は目を細める。

その後祥貴が音を上げても誠二郎は祥貴を放さなかった。










「こちらでよろしいですか?」
「ああ。わざわざすまんな」


にっこりと笑顔の女性従業員にベッドのシーツを渡して誠二郎は苦笑する。

このホテルの従業員で唯一、誠二郎と祥貴のこういう関係を知っている者だ。

彼女は性格がよくて明るく、口も堅い。

信頼するに値する、非常に優秀な人材だ。

というか、そういうのが好きらしい。

女性は一礼するとドアを閉めた。

ふうと溜息を吐いて部屋の中に振り返る。

ソファに座って、祥貴は嗚咽を漏らしながら泣いていた。

足を抱え込んで、その肩を震わせている。

イジメすぎたか、と誠二郎は困ったように髪をかき乱す。

相当怖かったらしい。

終わって数分経っているが、未だに触らせてもらえない。

泣きながら悲鳴のような声を上げて拒否されるのだ。

これは結構辛い。


「なあ、祥貴。悪かったって。もう赦してくれ」


ソファに歩み寄ると、祥貴はびくりと身体を震わせた。

足を抱え込む腕にさらに力を込める。


「なあ、祥貴」
「う、うえ・・・・ひっく、う、ふ・・・・うえぇ・・・・っ」


身体を震わせて泣く祥貴に困ったように眉を寄せる。

快感に泣かせるのは好きだが、こういう泣かせるのは嫌いだ。

ああ、でも、今日は度が過ぎた。

反省。


「なあ祥貴、顔を上げてくれ」
「うえ、うっ・・・・えっく、ひっく」


独りで足を抱え込んで、声を押し殺して泣くのは昔と変わらない。

自分が養子であることを一番よく理解している祥貴は自分にも妻にも甘えない。

嫌なことがあったり、怒られたりするといつも独りでうずくまり、声を押し殺して泣いていた。

誠二郎は祥貴の隣に座ると、その身体を抱き寄せた。


「ごめん。ごめんな?祥貴。今日はイジメすぎたな。ごめん。反省してる」
「う、うっく、ひっく、うぇ・・・・っ」
「だからもう泣きやんでくれ。な?お前の泣き顔、見たくないんだよ」


勿論行為の最中は別として。

ぎゅっと抱きしめて、あやすようにその髪を撫でる。

祥貴は小さく嗚咽を漏らしながら涙を拭う。


「ごめんな。怖かった?」


涙で濡れた頬に唇を押し当てながら問うと祥貴が小さく頷いた。

どうやら本気で怖がらせ過ぎたらしい。


「本当にごめんな」
「ひっく・・・・もう、怒ってないですか・・・・?」


祥貴が恐る恐る問いかける。

誠二郎は優しく微笑んだ。


「うん、もう怒ってない。だからもう泣きやんで?」


祥貴が鼻をすすりながら頷く。

固かったその表情が安堵したように緩んだ。

ちゅ、と音を立てて頬にキスをすると祥貴がくすぐったそうに笑う。


「祥貴、おいで」


優しく囁くと、祥貴がいそいそと誠二郎の膝の上に座った。

優しく頬を撫でて、唇にキスをする。

SEXをするのも好きだが、こうやって祥貴とただキスを交わすのも好きだ。


「好きだよ、祥貴。愛してる」
「んッ」


その身体を抱き込んで、深く唇を合わせた。

祥貴の腕が背中に回って、必死にバスローブを掴む。

その後何時間も夢中でキスを交わして、祥貴を家に帰して会社に帰ったのは日付の変わった頃で。

仕事の一切を押し付けられた部下に誠二郎が延々説教されたのは、言うまでもない。





Fin
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元ネタは[±√8]の新人ズのキャプテン夢より。
関係を義親子に、裏度を高めてみました<( ̄^ ̄)>(いばるところに非ず)
攻さんは誠二郎(せいじろう)、受君は祥貴(しょうき)です。
祥貴は誠二郎の養子です。近親相姦ですよ奥さん!(何興奮してんだ)
本当の親子より養子縁組の方が私が萌えるかな〜と思って。
誠二郎は42で祥貴は17だよ!年の差萌!!鬼畜萌!!つーか犯罪?!
登場人物の名前が違う名前になってるってとこあったらこっそり教えてやってください。



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