恋してピューピル!<喧嘩編>(言葉責・羞恥責・拘束・強姦・中出・バック・背面座位)


あえて言おう。俺は今、自分の家で一人黙々と仕事をこなしている。

別に普通のことだが、俺が自分の家に、しかも一人でいるなんて珍しいと思う人がいるのではと思う。

何てことはない。喧嘩したのだ。有岡と。

原因が何だったのかと聞かれれば、非常に困る。

いつものとおり、些細なことだった。原因どころかどっちが悪いのかすらわからない。

いつものとおり、何なんだよ先生意味わかんねえんだとだったら出てってやらぁで俺が出ていった。

・・・・いや、言われなくてもわかってるよ。大人げないってことぐらい。

自分でも嫌になるな、この意地っ張りな性格。

確かに俺もまあいろいろ言い過ぎた感はあるが、俺は滅多に自分から謝らない。

大体俺から謝る前に有岡が謝るんだよな。

・・・・あれ俺大人失格?

けど今回は絶対俺は悪くない、・・・・はずだ。うん、絶対、多分・・・・。

たとえ俺が悪くても、俺はぜーったい謝ったりしないからな!

・・・・あれやっぱり俺大人失格?





恋してピューピル!<喧嘩編>





何はともかく、俺は機嫌が悪かった。

有岡との喧嘩が原因と言ってしまえばそれまでだ。

それに俺は喧嘩した後にご機嫌に鼻歌歌ってる奴がいるなら是非お目にかかりたいね。

まあそんなわけで俺は苛々しながら出席を取っていた。

俺を見て加納と阿嶋が不思議そうに顔を見合わせている。


「阿嶋」
「はーい」
「有岡」


返事が、ない。

俺は自分の頬が引きつったのがわかった。

それと同時に生徒の空気が怯えたのもわかったが、無視だ。


「有岡ー」
「せ、せんせー・・・・有岡は・・・・」
「あーりーおーかー」


段々と低くなっていく俺の声に、生徒たちがびくびくと怯え出す。

あーの野郎、まさか俺と喧嘩したから学校サボったなんて言わねえだろうなァ。

自分の頬が引きつったのを感じながら口を開けた瞬間、

バァンッ、と勢いよく教室のドアが開いて、全員の目がそっちに向かって、

教室全体が、ぽかんとした。

横開きのドアを掴んだままぶすっと突っ立っているでかい図体。


「・・・・あ、有岡?」


唖然としながら、加納が呟く。

肩にかかるかほど長かった赤に近い茶髪が、短くなっていた。

意外と柔らかかった長めの髪は、クセの所為かいろんな方向にぴんぴんと好き勝手に跳ねている。

無造作に伸びていた昨日までの髪より、まとまっていないようで意外とまとまっている今の髪の方が有岡には似合ってた。

・・・・じゃ、なくて。

た、確か昨日夕方喧嘩したときは長かった、よ、な?

こんな朝っぱらから赤青白の看板くるくる回してる床屋なんてそうはねえぞ?

昨日は、夕方っつっても時間が時間だったし・・・・。

・・・・つーことはあいつ、自分で切ったのか?!何で?!

有岡は教室全体を見渡して、おそらく教室一唖然としているだろう俺を見てふんと鼻を鳴らした。





「う・・・・く・・・・ぐーッ!」


精一杯背伸びして精一杯手を伸ばしても、流石に棚の一番上の資料にゃ届かねえな。

脚立持ってくるか?・・・・いや、面倒だな。

あともうちょっとなんだが・・・・くっそー腹立つ。

もう一度精一杯背伸びして腕を伸ばしたとき、

後ろに誰かが立つ気配と一緒に、ひょいと腕が伸びてきた。

その手が簡単に俺が取ろうとしてた資料を棚から引き出す。

そのままの体勢のまま俺は振り返った。


「あ、有岡・・・・」


放課後の所為か、俺の声が異様に響いた気がした。

振り返ると、不機嫌そうな顔をした有岡が俺を見下ろしていた。

無理な体勢のまま振り返った所為で、俺はバランスを崩した。

倒れかけた身体を有岡が軽々と抱きとめる。

俺は思わず閉じた目を恐る恐る開いて、有岡に抱きとめられてることに気付いてはっとした。

慌てて離れると、有岡は一層不機嫌そうに顔を顰めた。


「はい」
「・・・・あ、ありがとう・・・・」


差し出された資料を受け取ろうと手を伸ばしたとき、有岡がいきなり資料を床に叩きつけた。

驚いて思わず下を向いた瞬間、勢いよく腕を掴まれた!

両腕を勢いよく掴まれて、本棚に背中から叩きつけられる!

衝撃と痛みに一瞬息が止まって、俺は恐る恐る有岡を見上げた。

有岡は今まで見たことがないくらい無表情で俺を見下ろしている。

一瞬、怖かった。

だって俺はどんな酷い喧嘩をしたって、有岡がこんな顔をするのを見たことがなかったから。

一瞬怯んだことに気付かれたくなくて、俺は必死で笑みを浮かべた。

・・・・よくよく考えたら、相当引きつってただろうなぁ・・・・。


「な、何だよ・・・・」
「昨日のこと、謝ってほしいんだけど」
「はあ?」


低い声で言う有岡に顔を顰めたら、俺の腕を強く掴む手に力がこもった。

血が止まるんじゃないかってぐらい強く掴む手に、俺は自分でも顔が歪んだのがわかった。

それでも俺はすぐに何でもないって顔をする。

・・・・誰か意地っ張りを治す薬作ってくんねえかな。


「何で俺が謝んなきゃなんねえんだよ」
「俺が傷ついたから」


は?何言ってんだ?こいつ。

・・・・俺、そんな酷いこと言ったっけ?

覚えてんのは「髪切れ」と「クソガキ」ぐらいしか覚えてないんだけど・・・・。

それだったら別に喧嘩じゃないときでも普通に言ってるよな・・・・?

今更改まって傷つくような言葉か?


「やだよ。何で俺が・・・・ッ」


そう言ったらまた強く腕を掴まれた!

ぎちりと軋んだ骨に、俺は顔を歪める。

正直言う。こいつ若いだけあって結構力あるから本気で痛い。


「謝ってよ」


謝るも何も、理由がわからない。

傷ついたって、いつも言ってる言葉でそんな傷つくもんか?


「あーもー、わかったわかった。悪かったよ。だから手ぇはな


俺の言葉は、勢いよく資料棚に叩き込まれた有岡の拳の音に消えた。

顔のすぐ横に叩きつけられたそれに、俺は目を見開く。

当たってないとは言え、有岡が俺に手を上げたのは初めてだ。

有岡が怖いと、俺は今初めて思った。


「お前、それで謝ってるっつーのかよ」


冷たい鋭い目で、有岡が俺を睨む。

片腕は自由になったのに、それを自分のものじゃないみたいに動かすことができない。

だって俺は、有岡のこんな冷たい目を初めて見たから。

殴られそうだから?襲われそうだから?いや、そんな「怖い」じゃない。

有岡にこんな冷たい目で見られてることが怖い。

こいつにだけは嫌われたくないくせに、俺の性格が邪魔をする。


「お前、教師に手ぇ上げていいと思ってんのかよ。俺みたいな下っ端でもお前を退学にぐらいできるんだぜ」


有岡の顔が一層険しくなった。

俺の顔の横に叩きつけられた拳が、震えてる。


「なあ・・・・またかよ・・・・俺は、いつまで経ってもあんたの『生徒』なのかよ・・・・っ」
「・・・・有岡・・・・?」


有岡は俺の目の前で顔を伏せて震えてる。

俺は茫然としながらそれを見つめることしかできない。


「なあ、いつになったら俺を『恋人』だけで見てくれんだよ」


泣きそうな、辛そうな目で有岡が俺を見つめる。

一瞬、誰かと今の有岡が重なった。

誰か、じゃない。有岡と今の有岡が重なった。

俺は今と同じ台詞を、有岡に言われた?


「あんた、教師なんだろ?じゃあ、あんたの言う『教師』を俺に見せてくれよ」


有岡が俺を見下ろして冷たく吐き捨てる。

俺の腕を掴む手に、また力がこもった。


「見せれるもんならな」


有岡の言葉に、俺の背筋がぞくりと震えて、冷たい汗が頬を伝った。










「ひ、ぐ・・・・う・・・・い、った・・・・ッ!」


手首に食い込むほど強くネクタイで手を縛り上げられ、俺は思わず呻いた。

有岡はそんなこと気にも留めずにそのネクタイを資料棚に結びつける。

スーツのボタンもワイシャツのボタンも全部外され、中途半端に脱がされたそれは肘に引っ掛かって俺の動きを戒める。

必死でネクタイを引っ張っても、余計に手首に食い込んだだけだった。

俺を冷たい目で見下ろす有岡を、精一杯を込めて睨み上げる。


「解け・・・・っ」


俺の言葉を無視して、有岡は俺に手を伸ばす。

頬に触れようとしたその手を避けるように横向くと、勢いよく髪を掴まれた!

手加減抜きで力いっぱい髪を掴まれて、無理矢理有岡の方を向かされる。

痛みに顔を歪める俺を見下ろして、有岡は酷薄に笑った。


「放せ・・・・ッ!」
「やだね」
「んぐぅ?!」


勢いよく口を塞がれて、いきなり舌を口のナカに捻じ込まれた。

驚いた俺は思わず有岡の舌に噛みついた。

有岡は喉の奥で呻くと俺の髪を離して手で口を押さえた。


「はは・・・・っ、ざまあみろクソガキ・・・・」


俺の言葉に、有岡はゆっくりと伏せていた顔を上げる。

異様に冷たいその瞳が俺を見た瞬間、ぞわりと気味の悪いもので俺の背筋が震える。

勢いよく伸びてきた手が俺の顎を掴んだ!

もう片方の手が俺の髪を掴んで下に引っ張って、無理矢理口を開かせる!


「んぐッ!」


無理矢理口を塞がれて、無理矢理舌を口のナカに捻じ込まれる。

噛みついてやろうにも、顎を掴まれてる所為でそれもできない。


「ん、んぐ!ん、んんぅ、ん、ぐ、ぅぐ、んん・・・・ッ」


口いっぱいに広がる鉄の味が、有岡の血だとわかるのにそうそう時間は要らなかった。

無理矢理舌を絡みとられて、吸われて、噛まれて、深く深く唇を合わされる。

上手く息ができない俺なんてお構いなしで、有岡は自分勝手に俺を貪った。


「ん、は、ぁ・・・・は、はぁ・・・・っ」


やっと解放された頃には、俺は罵倒すらできなかった。

縛り上げられた腕にも、腰にも、足にも力が入らない。

酸欠に息を荒げながら快感に身体を震わせる俺は、有岡を興奮させるには手に余るほどだったらしい。

有岡は俺を見下ろしながら、ぺろりと自分の唇を舐めた。

床に座り込む俺に向かい合うように座って、無理矢理俺の身体を引き寄せる。


「ひ、あ、ああぁあっ」


俺の首筋に息を吹きかけて、熱い舌を俺の首筋から鎖骨に這わせる。

思わず声を上げた俺にふっと笑って、俺の肩に強く噛みついた!

痛みにびくりと跳ねた俺の身体を押さえこんで、俺の肌にきつくきつく吸いついて跡を残す。


「ひ、は、はあ、あ、は、は・・・・っ」


鎖骨から首筋にねっとりと舌を這わせて、有岡は俺の耳の付け根にきつく吸いついた。

俺の耳朶をちゅ、と吸い上げて、耳の淵にゆっくりと舌先を這わせる。

耳が弱い俺は、それだけで泣きそうになっていた。


「ひ、あ、ああぁ、あ・・・・や、やだ、ありお、か、やめ、やめて・・・・っ」


必死で懇願する俺を無視して、有岡は俺の耳に舌を差し込む。

ぴちゃりと直接流れ込んできた水音に、俺は身体を震わせた。


「あ、ありお、か、お、おねが、やめて、おれ、やだ、そこ、やだぁ・・・・ッ」


しつこいほど俺の耳を愛撫する有岡に、俺は泣きそうになりながら懇願する。

有岡は俺の言葉を無視して、一心に俺の耳だけを攻め続ける。

耳の縁を甘噛みされて、耳朶を吸われて、音を立てて舐められて、俺はもうわけがわからなくなっていた。


「い、いや・・・・ありおか、やめ、おねが、ありおか、ありおか・・・・っ」


痛いほどきつく身体を抱きしめられて、ぐちゅりと音を立てて耳に舌を差し込まれる。

有岡の熱い吐息が耳にかかる感覚に、俺は思わず身体を竦ませた。


「や、やだぁ・・・・ありおか、ありおかぁ・・・・っ」


半分泣きそうな声を上げると、有岡はぴちゃりと音を立ててやっと舌を離した。

ほっとした俺を唇を舐めながら有岡は見下ろす。

有岡は突然俺の鎖骨に吸いつくと、きつくそこを吸い上げて跡を残した。

ぎりぎり、隠れないところに、


「や、やだ!み、見えるとこに跡、付けんなって・・・・!」


抗議の声を抑え込むように有岡は無理矢理俺にキスをした!

突然のことに驚いた俺は抵抗も忘れて、好き勝手に有岡に貪られる!

有岡の指が俺の胸に触れた瞬間、俺の身体が電流が走ったようにびくりと跳ねた。


「ん、んふ、ん、んんぅ!ん、んゃ・・・・ん、んふぅ!んッ!」


両の親指の腹で両方の胸の突起物を捏ね繰り回される感覚に、俺は有岡の口の中で喘ぐ。

段々硬くなっていったそれを、有岡の指が少し強く弾いた。

俺の身体がびくりと跳ねたのを見て、有岡はやっと俺の唇を解放した。


「は、は・・・・はあ、あ・・・・ん・・・・」


長いキスと快感の所為で、俺の身体は自分の身体じゃないみたいに力が入らなくなっていた。

ぐったりと本棚に身体を預けた俺を、有岡は容赦なく攻め立てる。

散々弄られて硬くなったそれを、有岡の熱い舌の表面が強く舐め上げる!

その感覚に、俺は思わず身体を震わせて声を上げた。

もう片方を好き勝手に弄りながら、有岡はまるで女を愛撫するみたいに俺を攻める!


「い、いや、だ・・・・あ、ありおか、やめ、やめて・・・・っ」


俺がそういう扱いをされるのが嫌いなことを、有岡は知ってる。

有岡は俺を見下ろして、楽しそうに薄く笑んだ。

俺は本気で泣きそうになってきた。

けどぐっと奥歯を噛み締めてそれを堪える。

俺を見て有岡は不機嫌そうに眉を寄せて目を細めると、小さく舌打ちを打った。


「いい加減認めろよ。自分が悪かったって」
「あッ?!」


大きな掌で胸を撫でられる感覚に、俺は思わず声を上げた。

硬くなった乳首に強く爪を立てられ、俺は思わず背を反らせて身体を震わせる。


「あ、あっ、あっ・・・・や、やだ・・・・ッ」


愛撫と謝罪のどちらにもとれる言葉を吐くと、有岡は不機嫌そうに眉間に皺を寄せる。

その瞬間、ぎゅうっ!と強く親指と人差し指で乳首を摘ままれた!

びくびくんっと大きく跳ねた俺の身体を見下ろしながら、有岡はまた薄く笑う。


「せんせー・・・・俺、先生のそーゆーとこ結構好きだよ」
「ひ、は、ぁアんッ!ひ、ひあッ!あ、や、やぁっ、あ、あァアッ!」
「でも、今はちょっと、ウザいかな」


力いっぱい捻られる痛みに、俺の目尻に涙が浮かぶ。

唯一自由な足で必死で有岡を蹴る。


「い、いやだ!い、いたッ!放せ!放せよこの強姦魔!警察突き出すぞ!!」
「へえ?!先生みたいなプライドの塊人間が、男に犯されたなんて誰かに言えんの?」


楽しそうに俺を嘲笑った有岡を、俺は精一杯睨み上げる。

有岡は俺を見下ろして、喉の奥で機嫌よさそうに笑った。

何で、何で、何で何で何で、

何で俺がこんな目に合わなきゃなんねえんだッ!!


「・・・・ひっ、っく・・・・う・・・・っ」
「そうだよ、先生。これ以上痛いことされたくなかったら大人しくしてな」


俺の首筋を這う有岡の舌に、俺の頬を涙が伝った。

何で有岡が怒ってるのかわからない。

有岡は俺が思ってることはわかると言ってくれた。

けど俺は、有岡が思ってることがわからない。

言葉にしなくてもわかる有岡とは違って、俺は言葉にしてくれないとわからない。

有岡の手が本棚に結び付けているネクタイに伸びる。

しゅるりと音を立てて枠から解けたそれに、俺は小さく息を吐いた。

その瞬間、いきなり勢いよく身体が浮き上がった!

校長が新しく新調してくれたばかりのデスクに軽々と座らされた。

驚く俺を見下ろして、有岡は酷薄に微笑む。

棚から解いたネクタイを、またデスクの横の本棚にきつく縛りつける。


「い、やだっ・・・・いやだッ!」
「大人しくしてろっつってんだろ」


再び俺に圧し掛かろうとする有岡の足を蹴ると、強い力で足首を掴まれた。

嫌だ、痛い、放して、やめて、見ないで、

そんな、そんな泣きそうな目で俺を見ないで、


「先生、俺ね?先生が傷ついたり嫌がることって、俺が一番嫌いなことなんだよ。でもね?」


俺を見下ろしてにっこり微笑んだ有岡は、細めた目を薄く開いて、冷たく微笑む。


「たとえお前が泣こうが喚こうが、今日だけは赦さねえ」


冷たい瞳で、俺を見下ろす。

俺は今度こそ、身体が小刻みに震えるのを抑えきれなかった。


「俺がどれだけ傷ついたか、教えてやるよ月代。カラダにな」


ぞわりと、得体のしれない冷たいものが俺の背筋を伝った!

咄嗟に振り上げた足を簡単に捕まえられ、簡単にズボンを足から引き抜かれる。

太股を這う熱い有岡の舌に、俺の喉からか細い声が漏れる。

有岡はくすりと笑って俺の太股の裏を掴むと、無理矢理足を開いた!


「ひ・・・・ッ」


ぞわりと、嫌な予感が俺の頭をよぎる。

有岡は楽しそうに笑いながら俺の足に舌を這わせる。

息を吹きかけられたその箇所に、俺は目を見開いた!


「や、やめ、あああァアッ!!」


熱い舌がそこを這う感覚に、俺は背を反らせて悲鳴を上げた!

本当は有岡がそこに触れるだけでも嫌なのに、今のこの状況は俺にとって拷問に等しかった。

見開いた目から溢れる涙が、止まらない。

無理矢理捻じ込まれる有岡の舌に、俺の身体がびくんと跳ねた!


「いやだ、いやだぁあッ!いや、やだ、やだ、ありおか!やだ、やだぁぁあアアッ」


最後は最早泣き声だった。

俺の声に、有岡の舌が一瞬ぴくりと跳ねて止まる。

そのときの有岡の顔を、俺は知らない。

離れた舌が、再び無理矢理捻じ込まれる!

羞恥と屈辱と恐怖で、俺はパニック状態に陥っていた。

自分で何を言っているのかわからない。

有岡を引き剥がそうと俺は足を躍起になってばたつかせた。

肩や腕に当たる足に有岡は舌打ちを打って、軽々と俺の両足首を掴んで上に引き上げた。


「いやだ、いやだぁあ、いやだぁぁアアッ!やめて、やめてありおか、お願、おれ、いや、いやぁあああッ!!」


自分の悲鳴が資料室に響き渡る!

ここが校舎内だとか、人が来たらとか、このときの俺の頭の中にそんなこと欠片だって存在しなかった。

どんなに俺が泣こうが、喚こうが、有岡は言葉通りやめなかった。

やっと有岡が顔を上げた頃には、俺は放心状態だった。

ぱたぱたと、止まらない涙が頬から滴り落ちる。


「わかったか、俺が・・・・俺がどれだけ、傷ついたか」


俺を見下ろしながら吐き捨てるその顔は、ひどく辛そうだった。

こんなに泣き叫んだのは付き合いだしてから久々だったことに俺が気付いたのは、明日の話だ。

泣き叫んだ所為で痛む喉に咳き込んで、俺は嗚咽を漏らす。


「ひ、ひっく・・・・ん、ねえよ・・・・」
「・・・・あ?」
「わかんねえよ・・・・わかんねえよ・・・・ッ!」


俺の言葉に、有岡が不機嫌そうに顔を顰めたのが顔を伏せててもわかった。

わかんねえ、わかんねえよ、


「わっかんねえよ!俺は、ちゃんと言葉にされなきゃわかんねえ!俺は、俺はッ」


突然顔を上げて叫んだ俺に、有岡は目を見開く。

さっきとは違う涙が、俺の頬を伝って落ちた。


「俺はお前と違って言葉にされなきゃわかんねえよ!俺は!」
「・・・・先生・・・・」
「俺は!お前みたいに言われなくてもわかれるような、優しい人間じゃねえんだよッ!!」


肩で息をする俺を、有岡は茫然と見つめる。

俺は、お前みたいに、誰かの気持ちを汲めるような人間じゃない。

そう思ったら、また涙が溢れた。

俺今、すっげー不細工な顔で泣いてんだろうな。


「ひっく・・・・う、うぇ、げほっ、う・・・・うぅぅ・・・・ッ」


有岡は俺を見下ろす。

やがて顔を伏せて、小さく呟く。


「・・・・俺が、俺がいなくても、平気だって・・・・」
「・・・・え?」
「俺がいなくても平気だって、生きていけるって、あんた言ったじゃねえか・・・・」


有岡の言葉に、今度は俺が目を見開いた。

俺が、お前がいなくても生きていける?

そんなの、無理、

俺、そんなこと言った?


「俺、そんなこと言った・・・・?」


肯定も否定も、頷きも何もなかった。

それが肯定だと、切に語る。


「何で、何で・・・・。・・・・俺は、先生がいなきゃ生きていけねえよ、もう」
「ありお、か・・・・」
「俺は先生がいなきゃ生きていけねえのに、なのに、なのに先生は、俺がいなくてもいけていけんの?」


そんなの、そんなの不公平だ、と、

目の前の子どもは、自分勝手な言葉を吐いて泣きそうに顔を歪めた。

頭に血が上ったときによくある、口から出た言葉だ。

そんなの嘘に等しくて、なのにこいつは、それを信じた?

いや、信じてるわけじゃない。

ただ、傷ついたんだ。

俺が、ただ言っただけの、この言葉で、

自分の記憶にすら残らないような言葉で、

・・・・そうだ、思い出した。

さっき言われた有岡の言葉。

あれは、昨日言われた言葉だ。


『いつになったら俺を『恋人』だけで見てくれんだよ!』


理由すら覚えてないようなくだらない喧嘩で、あいつはそう言ったんだ。

昨日だけじゃない。有岡は、俺と喧嘩になればこの言葉を絶対に叫ぶ。

俺たちは、確かに恋人同士だ。

でもそれより前に、俺たちは確かに教師で生徒だ。

俺は大人で、有岡はまだ子どもにだって等しい。

こいつが卒業すれば、『生徒』の観念はなくなるかもしれない。

けど『子ども』の観念は、

・・・・違う、今は、そうじゃない。

俺の頬を、また涙が伝う。

有岡を、傷つけた。


「・・・・ごめん」


俺の言葉に、有岡は目を見開いた。

ごめん、有岡、そんなの、嘘だよ。

だって、だって俺だって、お前がいなきゃ生きていけない。

でも俺は、その言葉を言葉にしちゃいけない。


「ごめん、ごめ・・・・ごめん、ありおか、ありおか・・・・」
「先生・・・・」
「ごめ、ごめん・・・・ごめん、ごめん・・・・ごめ・・・・ご、う、うぅ、う・・・・っ」


また泣き出した俺を、有岡は茫然と見つめる。

ぎゅっと強く目を閉じると、勢いよく俺の身体を抱きしめた。


「あ、ありお、か、ごめ、お、おれ、そんな、そんな・・・・っ」
「もう、いい、もういいから」
「ごめ、ありおか、ごめ・・・・ごめん・・・・ッ」
「もういいから・・・・!」


深いキスの味は、しょっぱい涙の味がした。

何度も角度を変えて深くなっていく。

舌を絡め取る有岡の舌に、自分の舌を絡める。

ごめんなさい、ごめんなさい、

傷つけて、ごめんなさい。

有岡の舌で解されたそこに、有岡は猛ったそれを押しつける。


「ひ、あ、ああァァアッ!!」


一気に奥にまで捻じ込まれたそれに、俺は背を反らせて喘いだ。

有岡は俺の身体の脇に手をついて、一心不乱に俺の身体を突き上げる。

新調したばかりのデスクが、壊れそうな悲鳴を上げる。


「は、あ、あ、あッ、あッ、あ、あ、ありお、か、これ、とって、とってぇ・・・・ッ」
「だめだ」
「ひ、や、あ、は、はげ、しッ!あ、あんッ!ありお、か、あ、ああアッ!あ、あ、う、は、あ、アッ!」


打ちつけられるそれに、俺は背を反らせて喘ぐ。

もう自分でも、何を言ってるのかわからない。

意味をなさない言葉を、延々上げ続けた。


「ひ、あ、あああッ!や、だ、だめ、ありお、か、い、イク、イクッ!」
「・・・・っ、先生!」


最奥にまで叩きつけられたと同時に、強く抱きしめられた!

びくんと俺の身体が跳ねたと同時に、ナカのモノを無意識の内に締め付ける!


「ひ、は、あ、あああぁぁッ!!」


びくびくと跳ねる俺の身体を、有岡がぎゅっと強く抱きしめる!

ナカに流し込まれる有岡の熱に、俺の身体がぴくぴくと震えた。

強く目を閉じた俺の頬に、有岡は唇を当てる。


「は、はあ、あ・・・・は・・・・」
「はぁ・・・・は・・・・まだ、だよ、先生・・・・」


有岡は資料棚のネクタイの結び目を無理矢理引っ張った。

・・・・今、ぶちって言ったよな・・・・まあ別にいいけど・・・・。

デスクの上から下ろされて、うつ伏せにデスクに押し倒された。

一度抜いたそれを、再び俺のそこに押し付ける。

ずぐずぐと立てそうなほど、けれど有岡は今度はゆっくりと押し込める。


「あ、ああぁっ、あ、ありお、か・・・・ひ、ひ、ん・・・・っ」


一気に突っ込まれるのも恥ずかしいけど、ゆっくり挿れられると有岡の形がはっきりわかって恥ずかしい・・・・っ

胸に回った腕が、ぐいと力を込めて俺の身体を引き寄せる。

それと同時に最奥にまで辿り着いた有岡のモノに、俺は背を反らせた。


「や、やぁぁ・・・・ふか、ふかいぃい・・・・っ」


ゆっくりと打ちつけられる有岡のそれに、俺はデスクに突っ伏した。

有岡は何かを確かめるようにゆっくり引き抜いては、またゆっくりと捻じ込んだ。

がくがくと震える俺の内股を、さっき有岡が出した精液が伝い落ちていく。


「あ、りお、か、ありおか、あ、ああっ、あ、あん、あ、あ、は、は、んッ!」


俺の肩を掴んでデスクに押し付けると、有岡はまだ奥にまで捻じ込むように腰を押しつけた!

腰を引かずに突き上げる律動に、俺は必死でデスクの平面に爪を立てる。

これは一番奥まで当たる上に苦しいからあんまりしてほしくないけど、有岡はこれが好きだ。

・・・・まあ、俺も気持ちヨくないわけではないけど・・・・。


「あん、あ、ありお、か、それ、だめ、く、くるし、は、はあ、あ、あぁんッ!」
「何で?こんな締めつけてくんのに?先生だってこれ好きなんだろ?」


俺の頭の上で笑って、有岡はさらに強く腰を押しつける。

前立腺を強く突き上げられた瞬間、俺の身体がびくんと跳ねた!

急に強くなった締め付けに、有岡は喉の奥で呻いて慌ただしく射精した。

ぱたぱたと、自分の精液と溢れた有岡の精液が床に落ちる。


「は、はあ・・・・まだ、まだだからな、先生」
「ひ、はあ、あ、ありお、か・・・・っ」


有岡は俺のナカからゆっくりと引き抜くと、椅子を蹴り出してデスクに座る。

俺の身体を軽々と持ち上げると、自分のモノを俺のそこに押し付けて一気に腰を落とした!

一気に前立腺にまで捻じ込まれたそれに、俺は激しく身体を震わせた!

有岡は喉の奥で呻いて、それに耐えるように俺の身体を背中から抱きしめる。

有岡は俺の膝裏を掴むと、俺の身体を揺さぶり出した。

揺さぶられてナカを擦り上げられ、下から突き上げられて前立腺を突かれ、俺は狂ったように喘いだ。

手を縛られたままの上に体勢の所為で有岡に身体を預けきってるから、抵抗らしい抵抗もできない。


「今日は、やめてって言ったってやめない」
「あ、あ!あ、ん、んんんっ、や、やあ、あ、あっ、は、は、あ、ああぁッ!」
「先生が悪いんだからな」


首に落とされた唇に、俺は薄く開いた目を、閉じた。










「せ、せんせ・・・・あ、あの・・・・」


手首にしっかりと刻まれたネクタイの跡を摩る俺に、有岡がおずおずと声をかける。

ゆっくりと振り返った俺に、有岡は項垂れた。

窓の外は、すっかり夜だ。

・・・・これ、校舎出れるかな・・・・。

痛む喉を押さえて小さく咳き込む。

小さく声を出すと、喘ぎすぎた所為で声が掠れてた。


「あ、あの、先生」


有岡の声に、振り返る。

有岡は申しわけなさそうな顔で俺見て、またその顔を伏せた。


「あの、先生、その、ご、・・・・」


有岡は顔を伏せて、言葉を切る。

やがて顔を上げて、俺を見た。


「お、俺、謝んねえからな。絶対。先生が悪いんだからな」


どこか必死そうな有岡の言葉に、俺は思わず小さく笑った。

謝りなんかしやがったら、どうしてやろうかと思った。


「ああ、そうだな」


目を細めた俺に、有岡はぱちくりと目を瞬く。

なあ、


「好きだよ、有岡」


滅多に言わない言葉を紡ぐと、有岡は目を見開いた。

その顔が、みるみる泣きそうな情けない顔になっていく。

ううぅーと情けない声を上げて有岡が俺の身体をぎゅっと抱きしめる。


「せんせー」
「怒ってねえよ。ごめんな、有岡」
「もう絶対、絶対あんなこと言わないでよぉー」


短くなった有岡の髪を撫でると、有岡は安心したように息を吐く。

情けない、けど幸せそうなその顔に、俺はそっと目を細めた。



(これからはお前を傷つけないように気をつけるよ。ごめんな、有岡)





<喧嘩編・Fin>
────────────────────────────────────────
有岡と月代の喧嘩をちょっとだけ(ちょっと?)
どちらかと言うと傷ついてるのは有岡の方。有岡はたとえ冗談でだって月代に酷いことは言いません。
月代は頭に血が上ったら思ってないこと言っちゃう性質。言葉遣いも悪いしね。
でも月代、どんだけ大人げないんだお前・・・・!(笑)
学校&ティーチャー・ピューピルでは珍しい強姦プレイ期間でした!^^



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