恋してピューピル!<初めて編>(言葉責・手淫・口淫・顔射・猥語・外出)



「1789年に起こったのがこのフランス革命だ。この革命はフランス王家への国民の不満が」


淡々と授業を進める俺に同調して、教室内はシンとしている。

全員が教科書と俺の見比べながら、ノートの走り書きしていく。

ただ一人だけを除いて。

学ランの黒の中、いやに目立つ、赤、

有岡はいつもの通り教科書とノートを申し分程度並べて置いて、頬杖をついてぼうっとしている。

俺の授業を聞いてる?いや、違う。あいつはただ俺を見てるだけだ。

あいつは俺を見るのが好きらしい。前なんて仕事中飽きずにずっと俺を見ていて居心地が悪かった。


「この革命の幕開けとなったのがバスティーユ牢獄襲撃。このバスティーユ牢獄は元々政治の犯罪人を収容してる牢獄で」


俺が黒板に走り書きすると、全員がノートに同じことを書いた。

有岡の手はやっぱり動かないし、その目が俺から外れることはない。

俺はずり落ちた眼鏡を指先で押し上げて、ふと有岡の言葉を思い出す。

いつだったか眼鏡をかけて仕事してたときに、有岡が赤フレーム眼鏡をかけろと言い出したことがあった。

何で、って聞いたら、あいつ何て答えやがったと思う?!

だってAV教師みたいで興奮しね?って言いやがったんだぞ!しかも笑顔で!

だから俺は満面の笑顔で、例の如く殴ってやった。もちろん教科書の角で。

何馬鹿言ってんだあいつは!AVどころかエロ本すら見ねえくせに!

眼鏡にかかる前髪をかき上げて、気付かれない程度に視線を有岡に向ける。

ホントにあいつは、黙ってたらカッコイイと思う。贔屓目を抜いても。

・・・・え?何の贔屓目?・・・・きょ、教師の贔屓目に決まってんだろ!

まあとにかく、あいつは黙ってたら男前なんだよ!黙ってたら!

口開いたら俺が可愛いだ好きだ抱きたいだそんなことしか言わねえ。

・・・・抱きたい、抱きたい、なあ。30手前の男に言うような台詞じゃねえと思うけどな。

やっぱり抜き合うだけじゃあいつは満足できないらしい。まあ若いもんな。

つーかあいつが俺に好きだって言って、・・・・まあ、俺もそれを?受け入れて?一ヶ月が経ったわけだ。

まあ二日置きだな。大体。え?何が?・・・・き、聞くな!

まあとにかく二日置きなんだよ!ほとんどあいつん家だったり、たまに俺の家だったり。

大体俺が押し倒されるな。・・・・俺もっと鍛えようかな。

散々好きだとか言われて、キスされて、・・・・て、手だったり、口でされたり、

・・・・うあーッ!ヤバい、思い出したら恥ずかしくなってきた!

男相手にあんな女みたいな声出さされて、イカされて、う、うあ、

ああああヤバい!今頭ン中昨日のことでいっぱいになってきた!俺は変態か!

昨日も有岡に散々イカされて、必死であいつの名前呼んで、あいつのモンを咥えて・・・・、

あ、あいつがフェラしてとか言うから!・・・・つーかそれでやる俺も俺だよな・・・・。

・・・・俺は結構、まあそれで満足してる。つーかそれより先とかあんのか?あるらしいけど。

でも有岡の「抱きたい」って、今のじゃ満足できてないってことだよな?いや満足できてないって言うか・・・・。

その先、っていうのか?それを望んでる。まあつまり突っ込むってことだよな。誰だ今デリカシーないとか言った奴。

けど俺は絶対下は嫌だ。有岡も嫌だっつってるけど。

俺が有岡に抱かれてるなんて想像するだけでぞっとする。俺が有岡抱いてんのも気持ち悪いけどな。

抱かれるのは嫌だけど、抱きたいわけでもない。俺は今のままでもいい。歳も歳だしな。

・・・・いや、うん。わかってるって。まだ若いって。でも俺SEXとかあんま興味ねえんだよな。

嫌いなわけじゃねえけど好きなわけでもねえ。ぶっちゃけ言うとガキ嫌いだから子供も要らねえし結婚願望もない。

(じゃあ何で教師になったんだだと?放っとけよ。安定した収入のためだ!誰だ今教師失格とか言った奴!)

・・・・うん、俺は有岡を抱きたいわけじゃない。けど有岡は俺を抱きたいって言うんだ。

・・・・まあ、あいつだったらいいかなって、思わなかったわけじゃ・・・・ない、けども・・・・。

けど俺はプライドが高い。自他とも認めるプライドの高さだ。だから俺は男にいいようにされる自分が許せない。

でも俺を抱きたいって言うときに有岡の目を見ると、頭の中がぐだぐだになる。あいつが無理矢理にでもすればいいのにとさえ思う。

そうしたら絶対に俺は力で有岡に勝てないから逃げられないし、不可抗力だったんだって言いわけもできる。

けど有岡は絶対にそんなことをしない。何故ならあいつは俺が好きだからだ。惚気とか自惚れとかじゃねえぞ。

・・・・つーか俺授業中に何考えてんだよ。何もかもあいつの所為だ!

有岡を見ると、最近見慣れた目で俺を見てた。つかあいつ何で授業中に欲情してんだよ!

ああ、もう、頭ん中ぐちゃぐちゃだ。あいつの所為だあいつの所為!

何やら考え込んでいる有岡に、俺はゆっくりと歩み寄る。

あいつの机の前に仁王立ちすると、気付いた有岡が俺を見上げた。


「あーりーおーかぁ、てめえ、俺の授業でぼんやりするなんざいい度胸だなぁ?アァ?」


俺を見上げて、有岡が引きつった笑みを浮かべる。

俺はにっこりと笑って、いつもの如く教科書を振り上げた。

あ?わかってる。八つ当たりだってことぐらいわかってる。まあでもいいんじゃね?

激痛に頭を抱えて悲鳴を上げる有岡を見下ろしながら、俺はまあ大人なんだから譲ってやってもいいかな?なんて考えてた。

有岡に馬鹿だ馬鹿だ言ってるけど、こいつが相手ならプライド棄てたっていいと思ってる俺も相当の馬鹿だな。





恋してピューピル!<初めて編>





帰りのSHRを終えて職員室へ戻ると、他の教師たちが頭を寄せて何やら話しこんでいた。

まったく最近の若いもんは、とかぐちぐち言ってるあたり愚痴りあっているようだ。

気付かれる前に机に向かおうとしたら、俺より2,3年先に赴任してきてる英語教師が俺に気付いた。


「あ、月代先生!お疲れ様です」


英語教師の言葉に、全員が俺に振り返った。

こんの野郎、余計なことを。

俺は引きつった笑みを浮かべながら、仕方なくその一団に歩み寄る。


「お疲れ様です。どうかしたんですか?」
「ああ、実はですねぇ」


簡単に、簡単に説明して終わらせてくれ。

ああ、もう、椅子なんて勧めてんじゃねえよ。

断るに断れねえじゃねえか。くそ、だから社交辞令って嫌いなんだよ。

俺は(引きつった)笑みを浮かべながら、仕方なく勧められた椅子に座る。

あああ、明日の小テスト作って有岡の飯食ってさっさと寝たかったのに。

・・・・まあ、絶対すぐに家に帰ることはできねえんだろうけどな。明日は遅刻しねえようにしねえと。


「いやー実はですね。さっき北棟の最上階の一番奥のトイレに見回りに行ったんですけどね」
「はあ」
「2年生が二人、こんな真昼間、といっても夕方ですがね。励んでたんですよ!」


・・・・励む?励むって、

何の反応も示さなかった俺に、英語教師がSEXですよ、と耳打ちした。

わざわざ言うな!それぐらいわかるつーの。馬鹿にしてんのか!


「付き合うのは勝手なんですが、時と場所を考えろって話ですよ!」
「はあ」


そういう問題なのか。まあトイレだったら衛生的にもなぁ。

ところで、と学年主任が俺を見てにたりと笑う。

・・・・うわー、なーんか嫌な予感する・・・・。


「月代先生、男同士のSEXの仕方知ってますか?」
「え?い、いえ、知りませんが・・・・」


他の教師がまたかと言いたげに溜息を吐いて、答えた俺に哀れむような目を向ける。

(学年主任にそういう話を振られたら相手にしないのが暗黙のルールだと聞いたのは、学年主任の話が終わった後だった。)

学年主任はいかにも、な笑みを浮かべて俺に足を寄せた。


「まあ女性と大して変わりませんがね。挿れる場所が違うんですよ」
「い、挿れる場所?」


露骨な言い方すんなこのおっさん・・・・人のこと言えねえけど。

つーか男にそんな場所あん、の、か・・・・。

・・・・うわー、俺今すっげえ嫌な予感がする。


「まあ女性との行為で言うと、アナルというやつですよねぇ」


ほらキター!とか言ってる場合じゃねえぞ俺!

俺の脳裏に浮かぶのはガキのくせに立派な有岡の息子。

いやいやいやいや無理無理無理無理あれは無理あれは無理!

あれ口ん中に入れるだけでも大変なんだぞ!顎どれだけ痛いか知ってるか?!

いや、知ってるわけねえよな・・・・そんなの俺と今まであいつが付き合ってきた女ぐらいなもんだろ。

いやでも本当にあれは無理だ。つか勘弁してほしい。

俺この歳で痔なんて嫌だッ!


「月代先生はご経験おありなんですか?」
「はいッ?!」


突然の学年主任の言葉に俺はぎょっとした。

俺の声に他の教師がびっくりした顔で俺を見る。


「え、いや、女性のアナルのご経験は・・・・」
「え?あ、い、いえ、俺そういう趣味ないんで」


ああ、そっちか!焦った・・・・男同士の経験があるのかって聞かれたのかと思った・・・・。

へえーと学年主任は俺を眺める。


「しかし、月代先生の恋人ともなると相当の美人なんでしょうな!」
「はい?」
「そうですねー。月代先生お綺麗ですもんねー」


そうですねー、と他の教師まで同調してる。

そうですねー、じゃねえよ!この世界のどこに綺麗って言われて喜ぶ男がいると思ってんだ!

・・・・俺ってやっぱ女顔なのかな。だったら落ち込むな・・・・。

はははーとかって笑ってるけど、あれ内心落ち込むんだよな。

初対面とか付き合いの浅い奴は褒め言葉だと思ってんのか言ってくる奴が多い。

ダチとか親しい奴は言ってこねえな。俺が嫌がってるって知ってるからな。


「ホント、月代先生の恋人、一度拝見させていただきたいですなー」


はははと笑う学年主任たちに合わせて俺も力なく笑う。

いるって、この学校に。多分あんたら毎日見てるって。

何ならあんたらの愚痴の半分はあいつだって言ってもいいな。

俺の恋人が可愛くも美人でもねえ男で、しかも学校一の不良の有岡だって知ったらこいつらどんなリアクションすんのかな。

まあ恋人、なんて言ってるけど、俺は本当に有岡が好きなんだろうか。

キスされるのは、嫌じゃねえな。触られるのも嫌じゃねえ。何なら抱かれてもまあいいかなって思ってる。

・・・・ここまで嫌じゃなかったら、やっぱ好きなのか?

俺、多分今まで本気で人を好きになったことって、ないんだ。

付き合ってくれって言われたから付き合って、別れてくれって言われたから別れて、

キスしてくれって言われたからキスして、抱いてくれって言われたから抱いて、

今までの女って、そんな感じばっかだ。まあ浮気はしたことねえけど。面倒くさそうだし。

今はどうだ?俺は本当に有岡が好きなのか?好きだって言われたから付き合ってるだけ?


「そういえば月代先生ー、男同士って痛いらしいですよー」


学年主任がけらけらと笑いながら一言付け足す。

それに他の教師が主任ー、もうやめましょうよー、と苦笑している。

そんなことすら気にならないほど、俺は多分つーか絶対蒼褪めてた。

今までの考えが全部脳内から散っていった。

それって普通サイズでもって話だよな?

・・・・ヤバい。俺痔どころか本来の機能すらなくなるかも。

そんな話の後にあの職員室で仕事をする気にもならず、結局俺は家でテストを作る羽目になった。

駅のホームで電車を待ちながら、俺は思わず溜息を吐いた。

いろんなことが頭ン中でぐるぐる回ってる。

俺、本当に有岡が好きなのか?今までみたいに流されてないか?

もし流されてるんだったら、俺は有岡に抱かれちゃいけないんだ。

好きでもないのに抱かれるって、そんなの、あいつが可哀想だ。

・・・・いやーでも、痛いんだよなぁ。俺痛いの嫌いなんだよなぁ。

うあー、と内心頭を抱えていろいろ考えてると、


「先生」
「うわッ!」


突然後ろから声をかけられて、叩かれた肩が不自然なほど跳ねた。

勢いよく振り返ると、俺の肩を叩いた手を下ろすこともできないほど驚いてる有岡の姿。

呆然と目を見開いて、すっげーびっくりした顔で俺を見てる。

び、び、びっくりした・・・・。


「あ、有岡・・・・」
「あ、えー・・・・と、ごめん。何か考えてた?」


謝る有岡に、俺は苦笑しながら何とか誤魔化した。

まさかお前に抱かれることを考えてたなんて、口が裂けたって言えねえ。

今帰り?と聞いた有岡に頷くと、有岡は嬉しそうに笑った。


「じゃあ一緒に帰ろう」


嬉しそうな顔に、胸がぎゅっと締め付けられる。

有岡の嬉しそうな顔を見ると、何か俺まで嬉しくなる。

なあ、これってやっぱ有岡が好きってことなのか?

ちょうど帰宅ラッシュの時間帯もあって、電車の中は混んでた。

二人で無理矢理身体を捻じ込んで乗り込むと、俺は壁に背を押しつけて、有岡はその前に立つ形になった。

電車が動き出して、人ごみがどうっと俺たちの方に揺れた。

有岡が壁に手をついて何とか体勢を保ってくれたけど、俺は有岡の胸に顔を押し付ける形になった。


「(先生、大丈夫?)」
「(あ、ああ)」


電車の中だからか、有岡は小さな声で俺に聞いてきた。

俺が頷くと、有岡は笑う。俺の一緒にいるときこいつよく笑うよなぁ。

そのとき、するりと俺の手を有岡の手が握った。

突然のことにびくりと跳ねた俺の肩に、有岡が頭の上で笑う。


「(あ、有岡!だ、誰かに見られたらどうすんだよ!)」
「(だーじょうぶだって。見えねえよ。だから、しばらくこうさせてて)」


有岡が俺の指に自分の指を絡めて、ぎゅっと優しく力を込める。

有岡の胸に押し付けた耳に、トクトクと有岡の心音が流れ込んでくる。

それが妙に安心して、俺は思わず目を閉じた。

有岡に握られた手が、異様に熱かった。





台所の方からいい匂いが漂ってきた。

俺は微かな空腹を覚えながら、かりかりと紙に字を書き込んでいく。

テスト作んのってホントだるい。でも俺パソコン使えねえんだよな・・・・。

パソコンどころか何でも駄目だ。基本的に不器用だからな。携帯だってぶっちゃけ怪しい。

家事は一人暮らしするようになって何とかできるようになってきた。最近料理してねえけど。

ずれた眼鏡を押し上げて、字を間違えないように注意しながら(ボールペンだからな)書いていく。

第6問、フランス革命で軍事指導者として現れたナポレオンの出身地を答えよ。

第7問、ナポレオンが統領政府をたてるきっかけとなったクーデタは。

第8問、1804年、ナポレオンが作った民法典の名前を答えよ。

第9問、1805年のジブラルタル海峡での英仏の戦いは。

んー、これじゃ簡単か?まあフランス革命は授業で始めたばっかだし、詳しいことはまた今度でいいか。


「どう先生?終わりそう?」
「んー・・・・あと一問・・・・」


有岡がひょいとリビングを覗き込んで俺に声をかけた。

黒のシャツに、濃い青のジーパン。料理するときはエプロンつけろよ・・・・。

第10問、上の戦争でナポレオンを破った英の司令官は誰か。

はー終わったー。疲れたー。

ぐるぐると首を回す俺に、有岡が近寄って来る。


「お疲れさん」
「ああ」


振り返った瞬間、いきなりキスされた。

びっくりした俺に、有岡は目を細めて目を閉じる。

いきなりしてくんな!びっくりするだろ!

内心不満に思いながらも、俺の身体から無意識に力が抜ける。

有岡が短いキスをして、俺の身体を抱き寄せた。


「ん、んん・・・・んぅ、んっ」


深いキスに、俺の口からくぐもった声が漏れる。

お前は可愛いって言うけど、俺自身はめちゃくちゃ恥ずかしいんだぞこの声!

俺の歯の間から舌を入れて、俺の舌に有岡がそれを絡めてくる。

吸われるたびに俺の身体がびくりと震えて、ひどく胸が締め付けられる。

それがどうしようもなく切なくて、でも嫌じゃなくて、俺は必死で有岡の腕を掴む。

何か俺、有岡に食われてるみたいだ。


「ん、あ、有岡・・・・め、飯・・・・」
「温め直すから、もうちょっと」
「んん・・・・っ」


もー・・・・ホントに、こいつは・・・・。

俺は有岡の身体を押し返してたけど、結局諦めた。

何だかんだで俺って有岡に甘いよな。はあ。

俺の口の中を舐めたり舌を吸ったり、こいつは本当にキスが好きだ。

何かいいようにされてるのが癪になって、俺も自分から舌を絡めた。

一瞬驚いたように跳ねた有岡の腕が、一層強く俺を抱きしめる。


「は・・・・先生・・・・」
「う、あ、く、くすぐった・・・・っ」


有岡が唇を放して、俺の頬にキスをする。

息がかかるからくすぐったいんだよ!馬鹿ッ!

有岡の腕が、また強く俺を抱きしめる。


「ねえ、先生」
「や、めろ・・・・」


二人だけのときは「先生」って呼ぶなって言ってんのに・・・・!

ふ、二人だけのときも教師と生徒なのが嫌だとか、そ、そんなんじゃねえからな!

先生とか言われたら、背徳感?みたいのがあって嫌だから・・・・。


「なあ、月代」
「う、うあ」
「抱きたい」


俺の足を撫でながら、有岡が耳元で囁く。

俺今、絶対目ぇ見開いた。

有岡を見上げると、すっげー真剣な顔で俺を見てた。

うわわ、俺、ぜってー今顔赤い・・・・っ


「け、けど・・・・っ」
「なあ、月代、抱きたい。抱きたいんだ」
「で、でもっ」


耳に唇を寄せながら、有岡が囁く。

嫌とかじゃない。最後まで俺を躊躇させるのが、絶対避けられないだろう痛みと、

俺は本当に有岡が好きなのかという、不安。


「い、痛えんだろ・・・・・?」
「・・・・何で知ってんの?」
「今日、学年主任とそういう話になって・・・・」


俺の言葉に、有岡が顔を顰めて眉を寄せた。

え?な、何で不機嫌になんの?


「俺以外の奴とそんな話しないで・・・・」
「んん!あ、有岡・・・・」
「月代、好きだ、好きなんだ。抱きたい。いっぱいあんたを愛したい」


俺に一度キスして、有岡が俺の首筋に吸いつく。

何度も繰り返される言葉に、俺は泣きそうになった。

こいつはこんなにも俺を好いてくれてるのに、俺はそれにちゃんと応えられる自信がないなんて、

俺は覚悟を決めるため、ぎゅっと目を閉じた。

ぼそぼそと、自分でも何言ってんのかわかんないほど小さな声で呟くと、案の定有岡は不思議そうに俺を覗き込んだ。


「月代?」
「こ・・・・ここじゃ、やだ・・・・」


有岡の顔を見ることができない。恥ずかしい!

恥ずかしすぎて泣きそうになってきた。


「ここじゃなかったら、いいの?」


んなこと聞くなよ馬鹿ぁッ!

俺が答えずにいると、有岡が突然俺を抱き上げた!


「うわッ!あ、危ねえだろ!」
「ごめん。そんな余裕ない」


余裕のない声に、俺の心臓がどきっと高鳴った。

思わず息を呑んで、口を閉ざす。

有岡は寝室のドアを蹴り開けて中に入ると、ベッドの上に俺を落とした。

沈んだ俺に覆い被さって、必死な様子で俺に勢いよくキスをする。


「ん、んん!ん、んむっ、ふ、ふぁ、あ、あり、おかっ」
「月代・・・・っ」


熱い耳に有岡が熱い舌を這わせる。

うわわわ・・・・ッ!何か、変な感じだ・・・・っ

俺はぎゅっと目を閉じて、縋るように有岡の腕に捕まる。

そうしてたら突然有岡が俺の服の中に手を突っ込んできた!

乱暴に脱がされた服がニットだった所為で、俺の首筋にぴりっと静電気が走る。


「月代・・・・」
「う、うあ、あ、ありおか、ありおか・・・・っ」


俺の首筋や鎖骨を、有岡がゆっくりと舐める。

強く吸われると同時に、ちりっとした痛みが走った。

俺は必死に目を閉じて、シーツをぎゅっと握る。

く、くすぐったいし、何つーか、き、気持ち悪い・・・・っ


「月代、俺を見て」
「う、うあ」


有岡の声に、俺は恐る恐る有岡を見上げる。

有岡の顔を見た瞬間、俺は目を見開いた。

真剣な瞳、上気した頬、額に浮かんだ汗、少し乱れた呼吸、

ああ、そっか、俺、有岡に抱かれてんだ・・・・。

そう思ったらどんどん顔が熱くなっていくのがわかった。


「月代、好きだ」
「あ、有岡・・・・」


俺の唇に重なった有岡の唇から、痛いほど俺への愛が伝わってくる。

ああ、俺、

有岡が好きだ。

俺は目を閉じると、俺を愛する有岡の舌に応える。

有岡の手が、俺の乳首に触れる。

ぎゅっと力を込めて摘ままれて、俺の身体が驚きに跳ねた。


「う、うあ、有岡・・・・お、俺・・・・」
「月代、俺、なるべく優しくするから」


もうどうしようもなくなって、俺はただ必死で頷いた。

有岡は嬉しそうに笑って、もう片方に舌を這わせた。

う、うわ、き、気持ち悪くないってことは、き、気持ちイイの、か・・・・?

有岡の舌が俺の乳首を舐めて、吸って、甘噛みして、もう一方を指で摘まんだり引っかいたりする。

もう俺はわけわかんなくなってた。頭ん中がぼんやりする・・・・。

有岡が軽く歯を立ててかじった瞬間、俺の身体がびくりと跳ねる。


「あ、ありおか・・・・おれ、それもうやだ・・・・っ」


有岡が俺を見上げて、目を見開いた。

呆然とした顔で俺を見つめて、ごくりと喉を鳴らす。

有岡が喉を鳴らすのは、興奮したときの癖だ。

俺、今そんな興奮させるような顔してんのか・・・・?

有岡がまた俺の乳首をしゃぶって、強く吸い上げる!

俺それやだって言ったのにぃ・・・・っ


「う、うあ!ん、や、あ、あぁッ!」


部屋に響いた声に、俺は目を見開いた。

有岡も驚いて俺を見上げている。

今の、俺の声?あんな女みたいな声が?

俺はどうしても信じられなくなって、口を押さえた。

情けない、情けない。あんな、あんな女みたいな声出して、

泣きだした俺を、有岡がぎゅっと俺を抱きしめる。


「月代・・・・」
「う、うあ、あり、おか・・・・おれ、おれ・・・・っ」
「月代、忘れないで。あんたを抱いてるのは俺なんだ」


有岡が俺の前髪をかき上げて、額にちゅっとキスをする。

俺はガキみたいに泣きながらしゃくり上げた。


「先生、俺に全部を見せて。先生のヤラしい姿、俺だけに見せて。俺、絶対誰にも言わないから」
「う、うえ・・・・っ」
「先生、先生のヤラしい姿知ってるの、俺だけだよ。だから、俺だけに先生を全部見せて」


何言ってんだよもう・・・・馬鹿・・・・。

でも有岡に抱かれてるんだと思うと、少しだけ気が楽になった。

俺、こんなに有岡のことが好きだったんだ・・・・。

キスをしてきた有岡を迎え入れて、俺もそのキスに応える。

有岡は俺の胸に手を這わせながら、俺の鎖骨あたりを吸い上げる。

もう片方の手で俺の乳首をぐりぐりとこねた。もうやだって言ってんのに・・・・っ!

俺は強く目を閉じて、必死で拳を口に押し当てる。


「好きだ、好きだ・・・・大好きだ・・・・」
「あ、ありおかぁ・・・・っ!」


どうしようもなく切なくなって、泣きそうになって、有岡に腕を伸ばす。

有岡は俺を抱きしめて、深く深くキスしてくれた。

緩く勃ち上がってた俺を、有岡が握りこむ。

上下に扱く有岡の手に、俺はただ必死で有岡に抱きついた。


「う、うんッ!あ、有岡っ、有岡・・・・っ」
「月代、好きだ、好きだ・・・・っ」
「う、あ、あああッ!」


俺は身体をびくりと震わせて、有岡の手の中でイった。

目を閉じて荒い呼吸をしていると、有岡がちゅと額にキスを落とす。

俺は閉じていた目を開けると、有岡を見上げる。

有岡は優しく微笑んで、汗で張り付く俺の前髪をかき上げる。

ああ、好きだ。好きだ。俺、有岡が好きだ。

俺が有岡の肩を押すと、有岡は後ろに手をついた。

震える手で何とかベルトのバックルを外して、有岡のズボンを広げる。

・・・・やっぱ、でけえよなぁ。こんなのホントに入んのか?

俺は唇を引き結ぶと、怖々有岡に舌を這わせた。


「う・・・・ッ」


頭を上から聞こえてきた有岡の呻き声が、何だか嬉しかった。

有岡に何度も舌を這わせて、俺は頭から有岡を咥えた。

先端から滲み出たそれはやっぱり苦かったけど、唾液と一緒に何とか飲み下す。


「ん、んん!ん、んくっ!ん、んんぅ」


有岡を口いっぱいにまで頬張って、俺は何とか舌を動かす。

裏筋を舐めて、亀頭を吸い上げて、舌を立てて、奥まで咥えこんで、頭から動く。

部屋に響いてる水音が正直めちゃくちゃ恥ずかしい・・・・ッ!

俺の口から飲み込み切れなかった唾液と有岡のが、俺の顎を伝って有岡自身に滴り落ちる。

う、うあ・・・・は、恥ずかしい・・・・っ!穴があったら埋まりたい。


「先生・・・・イク・・・・ッ」
「ん、んあッ!」


有岡の言葉に、俺は思わず口を離した。

有岡が出した水音を立てて俺の顔に飛び散った。

あ、熱い上に何かドロドロしてて気持ち悪い・・・・っ

喉の奥に入ったものに噎せたら、有岡がごくりと喉を鳴らす。

この野郎・・・・また何かエロい妄想してやがるな。


「何考えてんだ馬鹿・・・・っ」


睨みながらそう言うと、有岡はうっと言葉を詰まらせた。わかりやすい奴。

有岡はティッシュを掴むと、俺の顔を丁寧に拭う。


「なあ先生、今度メガネかけたまま顔射させてよ」
「馬鹿」


お前そういうことしか考えてねえのか。

どうしたのか、急に有岡が俺をぎゅうと抱きしめた。

苦しいけど心地いい有岡の腕・・・・俺今絶対情けない顔してる・・・・。


「先生、痛いかもしんないけど、俺、できるだけ優しくするから」
「う、うん・・・・っ」


有岡が俺をゆっくりとベッドに横たわらせて、ちゅと額にキスをする。

有岡がサイドボードをごそごそと探っている間に、俺は深く息を吸い込んだ。

無意識の内に小刻みに震える身体を何とか抑え込む。

大丈夫、大丈夫だ。怖くない。大丈夫だ。

有岡は薬が入ったチューブのようなもの(多分ローションだろうな)を取り出して指に塗りたくった。

同じように俺の後ろにも同じものが垂らされる、つか、う、うあ、つ、冷た・・・・っ

ゆっくりと差し込まれた有岡の指に、俺は思わず身体を強張らせた。


「う、うあッ!い・・・・ッ」
「大丈夫か?」


俺の額に唇を押しつけながら有岡が問う。

多分全然そんな顔じゃなかっただろうけど、俺は必死で頷いた。

実際全然大丈夫じゃなかった。気持ち悪いし痛いし、何かやだ・・・・ッ


「先生・・・・大丈夫・・・・?」
「せ、先生って、やだ・・・・」
「うん、ごめん」


ちゅ、と俺の額にキスをしながら有岡が謝る。

・・・・こういうときだけ素直なんだよな、こいつ。

・・・・まあ、素直じゃないのは俺も同じか・・・・。

ちゅ、と有岡の頬にキスをすると、有岡は嬉しそうに笑った。

・・・・何か、くすぐったい感じ。

有岡は俺のナカに挿れた指をゆっくりと動かし始める。


「う、うあッ!い、うぅっ・・・・ん、んあ・・・・っ」


い、痛い・・・・ッ!

痛いし、気持ち悪いし、い、嫌だ・・・・ッ

有岡は俺の様子をうかがいながら、指を曲げたり、動かしたり、

そのたびに痛くて、気持ち悪くて、苦しい・・・・っ

有岡が指を奥まで突っ込んで、折り曲げた、

その瞬間!


「う、ああァッ!」


まるで電撃が走ったように俺の身体が跳ねた!

情けない甲高い自分の声すら、そのときばかりはどうだってよかった。

何か、何かよくわかんねえけど、何かもうわけわかんねえ・・・・!


「う、うあ・・・・あ、ありおか・・・・おれ、そこやだぁ・・・・っ」


ただやめてほしくて、俺は有岡を見上げた。

何でやめてほしかったのかわからない。やめてほしいのかどうかもわからない。

何も考えられない・・・・!

有岡が俺を見下ろして、目を見開いたままごくりと喉を鳴らす。

有岡の指が、また俺のそこを突き上げる。


「あ、ああッ!あ、ありおかっ、ありおかぁッ!」


また俺の身体がびくんと跳ね、甲高い声が上がる。

有岡の指が、擦り上げるようにそこばかり突き上げる!


「いや、いやだぁッ!あ、ありおか、ありおか!やめて、ありおかっ、いやァッ!」


必死で声を上げても有岡はやめてくれない。

嫌だって、俺、俺嫌だって言ったのに・・・・ッ!

俺の目からぼろぼろと涙が溢れだした。俺、こんなに泣いたの初めてだ・・・・っ

ぐちゅぐちゅとローションが立てる水音が俺の耳を犯していく。

それが恥ずかしくて、俺は必死で頭を振った。

有岡の指は俺が嫌だって言ってるそこを擦り上げるのをやめてくれない。

嫌だって言ってるのに、やめてほしいのに、ああ、でも、

やめてほしくない、けど、いやだ。


「ありおか、ありおかぁッ!やだ、やだぁッ!やめて、やめてぇえッ!」


有岡はぎゅっと目を閉じると、勢いよく俺にキスしてきた。

深く唇を塞いで、俺の舌を絡め取る。


「ん、んぅ、ん、ふ、ふぁ!ん、んんんッ!」


キスをしている間も、有岡は俺の中で動かす指を止めない。

そこを擦られるたびに、俺の足が宙を蹴って、俺の胸がぎゅうと締め付けられる。

何で、何でぇ・・・・嫌だって・・・・嫌だって言ってるのにぃ・・・・っ

何で、何でやめてくれねえんだよぉ・・・・!

俺は必死で有岡の肩に縋りつく。


「ん、んッ!んんんッ!」


有岡の指が、力を込めて俺のそこを擦り上げる!

頭が真っ白になって、何も考えられなくて、胸が苦しい・・・・!

ぞくぞくと痺れのようなものが俺の背筋を這い上がる。

俺が俺じゃなくなっていくような気がして、怖い・・・・ッ

有岡は俺の唇から唇を放して、俺の首筋に浮かんだ汗を舐めた。


「う、うあぁッ!あ、ありおか!やめ、やめてっ、おねが、おれ、こわ、こわいッ!」
「月代・・・・大丈夫だよ。俺が、俺がいるから。月代」


有岡の首に縋りついて、俺は必死で声を上げた。

有岡の汗ばんだ手が、俺の髪をかき上げる。

俺は有岡の指の刺激に耐えながら、何とか目を開けた。

俺を見下ろす有岡は、眉間に皺を寄せて、額に汗を浮かべて、頬を上気させていて・・・・!

有岡のその表情に、胸がぎゅうっと締め付けられる。

有岡の指がもう一本、ぐちゅりと音を立てて俺のナカへ入ってきた。

一本だけでも苦しかったのに、一層胸を詰まった気がした。

く、苦しい・・・・苦しい・・・・っ


「あ、ありおか、ありおか!苦し、苦しい・・・・ッ!」
「月代、ごめん。ごめんな」


有岡の声には余裕がなくて、切羽詰まってるような声だった。

俺の額にキスをした有岡に、俺は必死でしがみつく。

だって今の俺は、ただ有岡に身を任せるしかできないんだ・・・・!

苦しくて苦しくて、俺はそれを和らげるために必死で息を吸い込んだ。

ローションのおかげか、俺のナカに入った指がスムーズに動き始める。

くちゅくちゅと卑猥な水音が、部屋に響いている。

は、恥ずかしい・・・・恥ずかしい・・・・ッ!

有岡の指が、俺のナカを擦り上げて、奥まで入ったり、手前に引き戻されたり・・・・!

そこを擦り上げられるたびに、俺の足がビクンと跳ねる。

しばらくして、有岡がゆっくりと指を引き抜いた。


「月代、大丈夫か?」
「う、うぅ・・・・だ、だいじょ、ぶ・・・・」


俺はガキみてえに泣きながら必死で頷いた。

正直全然大丈夫じゃなかったし、有岡もそれがわかってるみたいだ。

有岡は着てたシャツを脱ぐと、ベッドの下に放り投げていた俺のニットの上に投げ捨てる。

そういえばこの野郎、ずっと服着てやがったな・・・・。俺の服は脱がせておきながら。

俺の頬にキスを落とす有岡に、俺は必死で抱きつく。

有岡は俺の身体をゆっくりとベッドに横たえた。


「先生、挿れるぜ・・・・?」
「う、うん・・・・」


有岡が優しく、俺の身体を抱きしめた。

有岡のゴムを被せたそれが、俺のそこに押し付けられる。

たったそれだけなのに、俺、震えてる。情けねえ・・・・っ

ずっと、有岡のモノの先端が俺のナカへ入ってきた。

その質量と圧迫感に、俺は目を見開く!


「あ、ありお、か・・・・い、いた・・・・っ!ぬ、抜いて・・・・っ」
「月代・・・・ぅッ!もっと、力、抜いて・・・・ッ」
「む、りィ・・・・ッ!」


く、苦しい、痛い・・・・ッ!

そ、想像してたのよりもっと痛い・・・・っ

目を開けることができないぐらい痛い。

有岡がゆっくり、ホントにゆっくり俺のナカへ押し進めてくる。

でも、痛い、痛い!抜いて、抜いて・・・・ッ


「う、ああッ!い、いたッ!ひっ、い、ぎ・・・・ッ」
「月代・・・・っ」


悲鳴すら上げられない。喉から空気が漏れていく。

有岡が俺を抱きしめて、キスをした。

有岡の熱い舌が俺の舌に絡まって、吸われて、甘噛されて、

くちゅくちゅと耳に直接流れ込んでくる水音が恥ずかしい。

薄く目を開けると、有岡の顔が目の前にあった(当たり前だけど)

何だか俺はひどく安心して、強張っていた身体からふっと力が抜ける。

その瞬間!有岡が俺のナカへ一気に捻じ込んだ!

痛いなんかじゃ足りないぐらいの痛みに、俺の身体が大きく跳ねる。

胸を押しつぶそうな圧迫感に、息が、止まる。

一気に、喉の中に空気が流れ込む。


「う、あ、はッ!はーっ、はーっ」
「つ、月代・・・・大丈夫、か・・・・?」


文句を言うことさえできない。

苦しい、痛い、辛い・・・・っ!

俺は必死で目を開けて、有岡を見上げる。

涙で霞む視界に、有岡が映る。有岡の目に、うっすらと涙が滲んでる。

・・・・そっか。痛いのは、俺だけじゃないんだ・・・・。

大丈夫、大丈夫だ。有岡なら、有岡なら大丈夫だ。

根拠もない安堵感に必死で縋りながら、俺は何度も頷いた。

有岡は嬉しそうに笑って俺の頬にキスをして、ぺろりと舐める。犬かお前。

有岡はローションを取り出して全部ぶっかけた。

冷たいそれに、俺の身体がひくりと震える。


「月代・・・・動いていい・・・・?」


有岡の言葉に、俺はぎゅっと目を閉じて頷いた。

有岡は俺の額にキスをすると、ゆっくりと腰を動かした。

異物感と痛みと、さらにぴりぴりとした痛みにまた俺の目に涙が滲む。

苦しい、苦しい・・・・っ!でも、今までの苦しさとは違う、気がする。

何か、胸がいっぱいだ。それで、苦しい。でも嫌じゃない。

目を開けて、俺を気遣いながら腰を動かす有岡を見上げる。

胸が、ぎゅっと締め付けられて、俺今幸せなんだってわかった。

なあ、好きな奴とするSEXって、こんなに幸せなもんなのか?

なあ有岡、お前もそう思ってる?

思ってくれてるなら、俺、幸せすぎて死ねるかもしれない。

有岡が何かを探るように、腰を動かした。

その刹那、俺の身体に電撃のようなものが走り抜けた!


「うあ、あ、ありおかぁッ!」


痛かった。痛かったけど、ホントにちょっとだけど、

多分、気持ちヨかった・・・・うわ、落ち込む・・・・。

有岡は俺を抱きしめると、必死にそこばかりを突き上げる!

(有岡がずっと突き上げてたそこが前立腺だってことを知ったのは次の日だった。)

有岡に突かれるたびに、俺の身体がびくびくと跳ねて、甲高い声が俺の口から上がる。

俺は必死で有岡にしがみついて、狂ったみたいに有岡の名前を叫び続けた。

何か、痛いのが少しだけマシになってきた・・・・何だろうこれ、何か、変な感じがする・・・・ッ!

変な感じがして、すげえ怖いような気がするけど、けど嫌じゃない。

ああ、気持ちイイのかな、これって。

有岡の手が萎えてた俺を掴んで、上下に扱く。

それを手伝ってか、俺の背筋をぞくぞくと快感が走った。


「は・・・・先生、俺も気持ちヨくなってきたぜ?」
「う、うああ・・・・っ」
「なあ先生、もしかしてあんた才能あんじゃねえの?」


いや、いやだぁ・・・・ッ!恥ずかしい、恥ずかしい・・・・ッ

何でそんなこと言うんだよぉ・・・・っ

絶対そんな才能なんてない!だって俺今まで男にときめいたことないし!

こ、これは、多分、あ、相手がお前だからで・・・・っつーかお前の所為だ!


「なあ、先生、気持ちイイ?」
「い、痛い・・・・っ」
「ホントに?ホントに痛いだけ?全然気持ちヨくない?」


何で、何でそんなこと聞くんだよ馬鹿ぁ・・・・っ

顔が熱い・・・・う、うあ、また涙出てきた・・・・。

有岡は俺を見下ろしてにやりと笑うと、俺のモノの先端をぐりぐりと刺激する。

有岡のモノが俺のナカを抉るように突き上げ、俺の身体がびくりと跳ねる。

頭のナカが真っ白になる。多分、これ、気持ちイイ・・・・!


「はあ・・・・先生、気持ちイイよ・・・・」
「い、いや・・・・いやぁ・・・・っ」
「ヤバい、俺今すっげー幸せ」


耳を塞ぐことも出来ないから、俺はぎゅっと目を閉じた。

有岡の声に、胸がきゅうと締め付けられる。

あ、またちょっと痛くなってきた・・・・っ

でもローションのおかげか、さっきよりは大分マシだ。

有岡が俺にキスをして、唇を舐める。


「先生、まだ痛い?」
「せ、せんせいって、よぶな・・・・っ」
「なあ、月代。痛いなら抜くから、言って?」


もう、何で・・・・何でそんなこと言うんだよぉ・・・・っ

有岡の肩に縋りついて、俺は目を閉じた。

抜かなくていい、抜かないで・・・・っ


「ぬ、抜かなくて・・・・抜かなくていい、から・・・・ッ」
「・・・・ッ、月代っ」


有岡が俺を抱きしめて、激しく俺を突き上げた!

俺を扱く有岡の手が、さっきより一層激しくなる!

俺の身体はびくんと震え、俺は喉を反らした。


「あ、ああッ!あ、あッ!あんっ、あ、あぅ、あ、有岡!ありおかッ!」
「先生!俺、イク・・・・っ」


有岡が俺の先端に少し強く爪を立てた。

その刺激に、俺はびくりと身体を震わせて吐精した。

俺の上で有岡がうっと呻いて、身体を震わせた。

有岡は俺の身体の上で身体を震わせると、長く息を吐いてから俺からそれを引き抜いた。

ゴムを外して投げてて、俺の横に倒れこんで俺の身体をかき抱く。

その上で安心して、その後凄い羞恥と屈辱が俺を襲う。

俺の目から、またぼろぼろと涙が溢れだした。

屈辱なのは、有岡に抱かれたからじゃない。女みたいに喘いだ自分が許せなかった。


「う、うう・・・・うあ・・・・ッ」
「なあ、月代。大好きだ。俺、今すっげー幸せ」


有岡の言葉に、俺の目からさらに涙が零れる。

なあ有岡、俺今すっげー恥ずかしいし、昔骨折したときより痛いし、

けど、それ以上に今、幸せなんだよ。

なあ有岡、どうしたらそれが伝えられる?


「先生と一つになれて、俺すっげー幸せだった」
「う、うぅ・・・・」
「今までいろんな女とヤったけど、先生のナカが一番ヨかった」


もう・・・・馬鹿・・・・。

こいつ、そんなことばっか言って恥ずかしくないのかよ。

けど、有岡が今俺幸せだー!って思ってるのがよくわかる。

俺はどうしたら、それを伝えられる?


「先生が俺を受け止めてくれて、俺、すっげー嬉しい」
「あ、ありお、か・・・・っ」


どうしようもなくて、俺は必死で首を横に振った。

有岡が不思議そうに、心配そうに俺を覗き込む。

ちゃんと、ちゃんと伝えなきゃ駄目なんだ・・・・っ


「ち、ちが・・・・おれ、おれ・・・・っ」
「先生?」
「俺も、今、何かよく、わかんねえけど・・・・っ」


涙が溢れる。

なあ、有岡、有岡、

俺、俺、


「俺も今、幸せだから・・・・だから・・・・っ」


ぽろぽろと俺の涙がシーツに滴り落ちる。

有岡は目を見開くと、俺をぎゅっと抱きしめた。


「先生・・・・先生・・・・ッ!」
「あり、おか・・・・」


俺が有岡を抱き返すと、有岡はさらに俺を抱きしめる。

ああ・・・・有岡、泣いてる・・・・。

なあ、何でお前そんなに俺を好きになってくれたんだ?

俺はわからない。何で俺、泣くぐらいお前が好きなんだろう。

そんなこと、どうだっていいけど。

俺と有岡は泣きながら、必死でお互いを長い間抱きしめ合ってた。










有岡が作った焼き鳥を食べながらちびちびとビールを飲む。

ビールは俺が家から持ってきたものだ。そこんとこあいつはちゃんとしてるからな。意外と。

あいつが作るものは何でも美味い。この焼き鳥も美味いな・・・・。

俺が風呂に入ってる間に有岡が温め直してくれたから温かい。

有岡が一緒に入りたい!って言ってきたけど俺は全力でそれを拒否した。

たたでさえ恥ずかしくて死にそうだったのに、一緒に風呂なんて入ったら俺絶対死ぬ。

・・・・でもちょっと拒否しすぎて有岡沈んでたな。ちょっと悪いことしたかも・・・・。


「先生」


有岡の声に、俺の肩が大げさなぐらい大きく跳ねた。

俺は俯いてまたもごもごと焼き鳥を食べる。

有岡は俺の傍まで寄ってきて俺の肩を抱く。


「先生、どっか痛くない?クッションもう一つ持って来るか?」
「・・・・女扱いすんな」
「してねえよ!けど、先生に無理させちまったんだ。これ以上痛い思いさせたくねえよ」


有岡の言葉に、俺はびっくりした。

顔を上げると、めちゃくちゃ真剣な顔の有岡。

俺、愛されすぎじゃね・・・・?

そう思ったら、顔がどんどん熱くなっていった。


「い、痛えことは痛えけど、ふ、風呂入ったらマシになったから・・・・」
「ホントに?どっか切れたりしてなかった?」
「だ、大丈夫だっつってんだろ!」


いい加減しつこい!ほ、ホントは嘘だけど・・・・。

腰のだるさはちょっとマシになったけど、まあ、あの、あそこはまだちょっと痛かった・・・・。

つか、何つか、染みた・・・・切れてなかっただけマシだと思おう。うん。

いきり立った俺を見上げる有岡の顔に、俺は不覚にも可愛いと思ってしまった。

ああ、もう!

好きだ、好きだ。俺、有岡が好きだ・・・・ッ

俺はぎゅっと目を閉じると、勢いよく有岡に抱きついた!

有岡はうわっと声を上げて、それでも俺を優しく抱きとめる。


「先生?」
「くそ・・・・ッ!」


トクトクと、有岡の心音が俺の耳の中に流れ込んでくる。

それが、ものすごく安心する・・・・。

俺情けねえ・・・・こんなガキにベタ惚れで、夢中で、安心させられて、抱かれて、

ああでも、嫌じゃない。

熱い顔を有岡の胸に押し付けると、有岡が頭の上でくすりと笑う。


「先生、大好きだよ」


有岡が俺の頬に手を添えて、俺にキスをした。

幸せそうに目を細める有岡にくすぐったくなって、俺も笑った。

一緒にシチューを食べて、有岡妹特製のティラミスを食った。

何かすげえくすぐったくて、すげえ幸せで、有岡も同じだったみたいだ。

帰り際「今度いつする?」って聞いてきた有岡に放った右ストレートは、自分でも惚れぼれするぐらい綺麗だった。

本っ当にデリカシーねえな!誰だ今お前もねえだろって言ったの!

あ?どこで寝ればいいだと?床で寝てろ馬ー鹿ッ!



(一週間と間を開けずにまた有岡に抱かれたあたり、俺も相当の馬鹿だけどな)





<初めて編・Fin>
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初めて編月代サイド終了です。何かどっと疲れた。けど楽しかった^^
やっぱり月代より有岡の方が書きやすいかな。うーん、早く慣れねば。
冒頭部分が長くなりすぎてちょっと焦ったなんてことはない。ないってば!
月代は何だかんだ言って有岡が大好きだといいなぁなんて思ってます。何故他人ごと。
つか月代は本当にツンデレか・・・・?



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