「は、あ、あ・・・・ッ!」
ぎしぎしと、ソファが苦しげに軋む音がどこか遠くの方で聞こえた気がした。
ナカに捻じ込まれたモノに、どうにかなってしまいそうだ。
それは、有岡の熱だけの所為ではないけれど。
いつも以上に強い快感に、頭がおかしくなりそう。
心なしか、有岡の律動も、いつもより激しい気がする。
有岡の腰に絡めた足に力を込めると、俺の上で有岡が小さく呻いた。
もう、何も考えられない。
俺が俺じゃなくなる。
「だめ、ありお、か・・・・たすけ、て・・・・っ」
有岡の熱の篭った瞳が、俺を見下ろす。
その瞳に、頭を抱えて嘆きたくなるほど情けない顔をした俺が映った。
「だめ・・・・っ、壊れちゃう・・・・ッ!」
恋してピューピル!<ホワイトデー編>
「ハッピーホワイトデー!」
有岡が満面の笑顔で差し出すものを、俺はじとりと見下ろした。
それは大層美味そうなガトーショコラだ。
「・・・・桃のか?」
「俺の!手作りだよー」
有岡はにこにこしながら俺の顔を覗き込む。
・・・・確かに桃が作ったものにしては、形が若干歪だ。
普通の店で売ってるような、三角形の形をしている。
小さなホワイトチョコのプレートには、チョコペンで「My sweet Honey」と器用に書かれてる。
「誰がハニーだ」
「いたッ!いただッ!ちょ、髪掴まないでよ!痛い痛い!!」
ぱっと前髪を掴んでいた手を離すと、有岡はすりすりと髪を撫でた。
ふん、と鼻を鳴らした俺に、有岡は唇を尖らせる。
「だってせんせー、ダーリンって感じじゃないじゃん」
「よしお前の気持ちはわかった表出ろ」
ぶーぶー唇を尖らせる有岡の胸倉をがっと掴み上げる。
そんな俺を気にせず、有岡は手に持っていたチョコケーキをずいと俺に差し出した。
にこにこと嬉しそうなその顔に、怒る気持ちも失せる。
「いーから食べてよ。先生のためだけに作ったんだよ?」
そう言って差し出すそれは、確かに美味そうだ。
・・・・正直に言うと、俺のためだけに、という言葉に胸がきゅんとした。
俺マジで気持ち悪い。
有岡はケーキをローテーブルに置くと、それをフォークで一口大に切って俺に差し出す。
自分で食べようと思っていたが、右はソファ、左はローテブル。
尚且つ有岡の足の間に座らせれてるこの状態で、有岡が素直に俺に食べさせるはずがなかった。
たとえ家の中で、二人っきりと言えども、流石に「あーん」は恥ずかしい。
顔を伏せたまま有岡をちらりと見ると、にこにこと笑顔のままソファに頬杖をついてフォークを差し出している。
恥ずかしさに挫けそうだったが、俺は意を決して目を閉じると口を開けた。
柔らかく、甘いそれを、数回噛んで飲み込む。
「美味しい?」
有岡の問いかけに、素直に頷く。これは美味い。
パティシエを目指している桃のもののような本格的な美味さではなかったけど、美味い。
何より俺のためだけのもの、というのが、一層美味さを引き立てているのかもしれない。
もう一度差し出されたそれを、口を開けて受け入れる。
にこにこ笑顔で俺にケーキを食わせる有岡を見て、まるで餌付けされてる気分だと思った。
・・・・まあ、たまには甘えるのもいいかもしれない。普段意地っ張りだし。
口の中いっぱいに広がる甘い香りが、鼻孔にまで広がる。
普段菓子を作らない割には、本当に美味い。
多分こいつ、料理の才能あるんだろうなぁ。
酒でも入ってるんだろうか、何だか身体が熱くなってきた。
「ん・・・・これ、酒でも入ってんのか・・・・?」
「え?」
「頭がぼうっとする・・・・」
おかしいな・・・・俺、よっぽどじゃないと酔わないんだけどな・・・・。
有岡の指先が俺の頬を撫でる感覚に、俺の身体がびくりと跳ねた。
俺の目を覗き込んで、有岡は小さくふふ、と笑った。
「お酒じゃないよ。・・・・もっといいもの」
「もっといいもの・・・・?」
ガラスのローテーブルに、有岡はフォークを置いた。
かちゃん、とフォークかテーブルかが立てた固い音が、異様に俺の耳に響いた。
有岡の指が、半分にまで減ったケーキを一欠けら摘まむ。
逆の手が俺の横髪をさらりと撫でて、後頭部を押さえる。
指ごと口に押し付けられたそれに、ゆっくりと口を開ける。
舌の上に置かれたそれを口の中で潰して、有岡の指を舐める。
「は・・・・せんせー、すっげーエロい顔してる・・・・」
頭がぼうっとして、有岡の言葉の意味がわからない。
ただ俺はぼんやりしたまま、有岡の指に舌を這わせた。
頭がぼうっとして、何も考えられない。
身体が、異様に熱い。
有岡の指に舌を這わせるたびに、俺の身体がぴくぴくと震える。
意味、わかんねえ。
何で俺、興奮してんだ?
膝を擦り合わせた俺に気付いた有岡が、俺の耳元で笑う。
「どうしたの?先生」
吐息が耳にかかる感覚に、俺の肩がびくりと跳ねた。
霞みがかった目で、自分の唇を舐める有岡を見つめた。
「あ、ありお、か・・・・何か、俺、変・・・・」
「ん?・・・・どうしたの・・・・?」
びくびくと震える身体を押さえようと、擦り合わせた膝の中に両手を突っ込む。
俺の手首を掴んで引き抜こうとする有岡の手に、俺は首を振る。
「だ、だめ・・・・おれ、おかしくなりそう・・・・っ」
俺の言葉に、有岡は目を見開いて口角を持ち上げた。
大丈夫だよ、と俺の耳元で囁いて、俺の腕をとる。
軽々と俺の身体を抱き上げて、ソファに横たわらせた。
ソファに寝転んだまま俺は膝を擦り合わせて、腕で自分の顔を覆った。
「なん、何で・・・・俺、いや・・・・ッ」
意味がわからないことを言い続ける俺に、有岡がほくそ笑んだのが見えなくてもわかった。
有岡はソファの下に座ったまま、俺の腕の隙間から頬にちゅ、と唇を押し当てた。
それだけで、俺の身体が大きく跳ねる。
もう、どうにかしたい、この熱を。
俺の腕を退ける有岡の手に、素直に従う。
顔を覗き込む有岡を、俺は縋る気持ちで見上げた。
「あ、ありお、か、おれ、おかしくなりそう・・・・っ」
「どうして欲しいの?」
言ってごらん?と有岡は目を細めた。
俺の腕を掴む有岡の手を振り払って、その指に自分の指を絡めた。
冷え症なはずの自分の手が、汗ばんでるのがわかる。
今の俺に、最早意地もプライドも何もなかった。
「抱いて・・・・」
俺の言葉に、有岡が余裕のない笑みを浮かべたことさえわからなかった。
ソファの下に座ったまま、有岡が俺の身体に覆い被さる。
近付く唇を、自分から口を開けて受け入れる。
性急に絡みついた舌に、俺の身体がびくりと跳ねる。
有岡とのキスは確かに気持ちイイが、今日はいつも以上の気がする。
流しこまれる唾液を必死で飲み込んで、自分から角度を変えて、有岡の首に腕を絡める。
「ん、ふ、ふぁ・・・・あ、ん・・・・んぅ・・・・」
「っ、はあ・・・・せんせーエロい・・・・」
シャツの上からすでに硬くなっていた乳首を摘ままれ、俺の身体が大きく跳ねた。
もどかしい刺激が、より一層俺の興奮を煽る。
さっきより強く膝を擦りつける俺の足を、有岡が宥めるように撫でた。
ただ撫でるだけじゃなく、厭らしく撫でるその手つきに、俺はもういっぱいいっぱいだった。
「ありお、かぁ・・・・ッ」
「どうして欲しいの?」
「も・・・・触って・・・・」
普段だったら死にたくなるような恥ずかしい台詞が、するりと出てくる。
有岡は目を見開いて、余裕なさそうに引きつった笑みを浮かべた。
「もう、お前マジ最高」
「あッ!!」
膝を割り開かれ急に強く掴まれた感覚に、俺の身体が縦に跳ねる。
有岡は余裕なさそうに目を細めて唇を舐めると、ソファの上に上がった。
二人分の体重に、ソファがぎしりと苦しそうに軋む。
俺の上に馬乗りになった有岡は、俺の顔の脇に手をついて俺を見下ろした。
「ひぐ・・・・っ!」
股間に押し付けられた有岡の膝に、俺は目を見開いた。
そのまま強くそこを擦り上げられる感覚に、俺は声を上げる。
「だ、め、あ、あァアッ!!」
必死で有岡の肩を掴んだ手に、全然力が入らない。
有岡は薄く笑んで俺を見下ろしたまま、俺のモノを嬲る。
頭がおかしくなりそうな快感に、俺は頭を振って必死に声を上げた。
「だ、だめ!ありお、か、あ、あ、あッ!い、く、イクッ・・・・!」
わけもわからず叫ぶ俺に、有岡はまた自分の唇を舐めた。
自分で言ってる言葉さえ、今の俺の頭は理解できない。
必死で、震える手で有岡のシャツを握りしめた。
頭の中が、真っ白になる!
一瞬、世界中の音が消えたような錯覚に陥った。
やがてゆっくりと、音が戻ってくる。
頬をぺちぺちと叩かれる感覚に、俺はぼうっとしながら目を開けた。
「先生、大丈夫?」
有岡の言葉を理解するのに、随分時間がかかった。
ぼんやりしたまま頷いた俺に、有岡は目を細めて汗ばんだ俺の額にキスをする。
冷めない熱に、俺はもう一度膝を擦り合わせる。
気持ち悪い感覚に、俺は泣きそうになった。
・・・・脱がせてからだってよかったじゃねえか・・・・。
有岡のキスを顔中に受けながら、俺は不満に思った。
有岡は俺の顔を覗き込んで、優しく微笑む。
「で?次はどうして欲しいの?」
・・・・全部言わせる気か、この野郎・・・・!
言いたいことはある。でもこれを言えば後悔する。俺が。
でも最早この熱を、自分でどうにかできるとは思えない。
持て余す冷めない熱を、早くどうにかしたい。どうにかしてほしい。
「あ・・・・あっ、ん・・・・」
「どうして欲しいの?先生・・・・」
頬にかかる有岡の吐息にさえ感じてる自分が恨めしい。
どうしたんだよ、俺・・・・。
もうこのまま、流されてもいい気がしてきた。
どうせ後で後悔するだろうけど、今は本当に辛い。
どうしよう、どうしよう、
そう悩んでる間にも、有岡は俺の身体を撫でる手をやめようとしない。
激しく葛藤する俺の意思を無視して、口が勝手に開いた。
「お、お前、の、好きに・・・・して・・・・」
俺の意思とは無関係に、俺の口はあっさりとその言葉を吐いた。
有岡は満足そうに目を細めて、ぐっと俺に顔を近付ける。
「本当に?本当に俺の好きにしていいの?」
「う、うん・・・・」
もう言ってしまったものはどうしようもない。
俺は覚悟を決めて、こくこくと何度も頷いた。
有岡の手が優しく額に張り付いた俺の前髪をかき上げて、汗を浮かべた額に唇を押し当てる。
有岡は俺をぎゅっと抱きしめると、俺の首筋に顔を埋めた。
首筋を舐め上げられる感覚に震えながら、俺は有岡の背中に縋り付いて、必死でシャツを握りしめた。
自分の熱をどうにかして耐えたくて膝を擦り合わせようとしても、間に身体を割り込ませている有岡の所為で足を閉じれない。
舌の表面で丹念に首筋を舐め上げられ、俺はか細く喘いだ。
「あ、ありお、か・・・・」
「うん?」
「お、おれ、そればっか、やだ・・・・っ」
小さく笑った有岡の吐息が、俺の首筋をくすぐる。
過敏になった俺の身体は、それだけで意識が吹っ飛びそうなほど快感を訴えた。
首筋を舌先でちろちろと舐めながら、有岡は笑う。
「どうして欲しいの?」
「も・・・・ばか・・・・おまえ、の、すきに、して、いいって・・・・!」
俺の言葉に、有岡はそうだったね、と小さく笑った。
俺を抱きしめていた手がするりと離れて、俺のシャツのボタンを外し始める。
首筋を舐めていた唇がシャツ越しに俺の鎖骨にキスを落とし、ぴんと立った乳首を舐める。
「ひぅ・・・・ッ!」
布越しに歯を立てられる感覚に、俺の喉から引きつった声が漏れた。
舌に転がされる感覚に、俺の背筋をぞくぞくと快感が這い上がってくる。
有岡は焦らすようにゆっくりと、シャツのボタンを外していく。
こ、の野郎・・・・!人事だと思って・・・・!!
まだ二つしか外していない手を振り払って、俺は自分のシャツに手をかけた。
頭の中は葛藤でいっぱいだったけど、俺の手はそれに逆らい続ける。
震える手で必死に自分からシャツのボタンを外す俺に、有岡は驚いたように目を見開いた。
手が震える所為で、ボタンが上手く外れない。
その間にも、俺の中の熱にじぐり、じぐりと、犯されていく気がした。
手が震えすぎる所為で、ボタンが、外れない。
もどかしさに俺の頭の中は軽くパニックに陥って、その所為で手の震えが増していく。
こんなことをしてる自分が、悔しい、恥ずかしい。
「ひっ、く・・・・う・・・・う・・・・ッ」
気付けば、俺の目からぼろぼろと涙が溢れ出していた。
それを見た有岡が、また大きく目を見開いた。
有岡の手が俺の手を振り払って、勢いよく俺を抱きしめた!
「ひ、あぁあッ!あ、ありお、か・・・・ッ」
有岡が触れるだけで快感を訴える身体に、さっきとは違う涙が溢れた。
びくびくと震える俺の身体を、有岡はぎゅっと抱きしめる。
髪を掴まれて肩に押し付けていた顔を引き剥がされると、勢いよく口を塞がれた。
驚いた拍子に開いた口に、有岡の舌を捻じ込まれる。
「ん、んぐ、ふ・・・・んっ、んん・・・・っ」
有岡の舌が絡みつくたびに、舌を甘噛みされるたびに、異常な快感に意識が飛びそうになる。
必死で有岡の背中にしがみついて、快感に耐えるためにそのシャツを、手が震えるほど握りしめた。
流しこまれた唾液を必死で飲み込んで、角度を変える一瞬で必死に空気を吸い込む。
もうどちらのかもわからない飲み込み切れなかった唾液が、俺の口の端から溢れて顎を伝った。
「ふ、ふぁ!は、は、んッ!んふ、ん、む、う、あ、も、んくっ、しつ、こ・・・・っ」
俺の抗議の声なんて無視して、有岡はしつこいほど俺に濃厚なキスを繰り返す。
必死で肩を押し返すと、両手首をそれぞれの手で掴まれ、ソファに縫いつけられた。
上から抑え込まれる体制の所為で、抵抗らしい抵抗もできない。
そもそも異様に敏感になったこの身体で抵抗なんかできるはずもなかったが。
「あ、ありおか、も、んんッ!」
何なんだ、何なんだこいつは。
キスだけで俺をイカせたいのか。
今のこの身体じゃそれもあり得たが、流石にそこまでプライドを棄て切れない。
必死の思いで有岡のシャツを引っ張ると、有岡は名残惜しそうにゆっくりと唇を離した。
「はッ!は、は・・・・も、おま・・・・何・・・・」
「ごめん」
有岡はそれだけ言って、今度は手早く俺のシャツのボタンを外した。
するりと俺の肌を撫でた手に、ぞくりと何かが俺の背筋で粟立つ。
「ひ、う、あぁアッ!!」
熱い舌の表面が、俺の身体を這い回る。
もう、頭がおかしくなりそうだ。
与えられる行為はいつもと同じはずなのに、快感だけが違う。
有岡の手が俺のズボンを下着ごと引き下ろす!
すでに硬くなったそれが零す先走りとさっきの名残を指で掬い上げ、俺のそこへ塗りつける。
一気に捻じ込まれた指に、俺の身体がびくんと大きく縦に跳ねた。
「すっげ・・・・せんせー、痛くねえの?」
「や・・・・わ、わかん、な・・・・」
快感の所為で頭がおかしくなってるみたいだ。
一気に指を突っ込まれた圧迫感はあったが、快感が強すぎた。
激しくナカを引っ掻き回され、指を激しく抜き差しされる感覚に、俺は背を反らす。
「あ、あうッ!あ、あ、んっ、ありお、か、も、いれ、て・・・・ッ」
「え?いや、でもまだ・・・・」
「い、いいから!いれて・・・・ッ、おかしくなるぅッ!!」
自分でも理解できていない言葉に、有岡の顔がカァッと赤くなった。
後から思い返せば死にたくなるような台詞だったが、本当におかしくなりそうだった。
有岡は猛った自分のモノを取り出すと俺のそこへ先端を押し付け、俺の身体を一気に貫いた!
最奥にまで熱を捻じ込まれ、俺の喉が引きつった声にならない悲鳴を上げる。
「あっち・・・・きっつ・・・・っ」
「ひィ・・・・!はー・・・・っ、はー・・・・ッ」
有岡は余裕なさそうに笑って、俺の足を持ち上げる。
俺は少しでも快感を抑え込みたくて、思わず膝を自分の胸に引き寄せた。
有岡は俺の顔を覗きこんで、ゆっくりと腰を揺すりだした。
「あ、あ、あッ、あ、ぅ、ん、んッ!くぅ・・・・っ」
「どうしたの?先生。そんなに気持ちイイの?」
摘まんだ俺の乳首を捏ね回しながら、くすりと笑って有岡が問いかける。
何かに縋り付きたくても、握りしめるものがない。
俺は皮のソファの肘置きに、必死で指を立てた。
その様子を見て、有岡はふっと笑って唇を舐めた。
「先生辛そうだね・・・・ベッド行く?」
有岡の言葉に、俺は必死で首を横に振った。
最早俺にとってこの快感は苦痛だった。
この苦痛から解放されるなら、場所なんてどこだっていい!
「い、い、から、も、はや、く・・・・ッ」
意味がわからない言葉で必死に有岡に縋る。
有岡は目を見開くと、ぐっと奥歯を噛み締めた。
「ははっ、もう、マジ最高」
「ひ、あ、ああアッ!」
腰を掴まれ、さっきより一層強く、激しく、腰を打ちつけられる。
ナカを引っ掻き回され、熱い肉棒でナカの肉を激しく擦られるその感覚に、頭がおかしくなりそうだ。
首筋に噛みつかれ、強く吸い上げられ、俺は背を反らせて声を上げた。
「ひ、あ、あァアッ!あ、あく、ぅ、あぁッ!」
「せんせ、気持ちイ?」
有岡の問いかけに、必死で頷く。
固く閉じた目の向こうで、有岡が笑ったのはわかった。
有岡のモノに最奥を抉られ、俺の身体が弓なりに反れる。
激しい律動に、ソファが壊れそうな音を立てて軋んだ。
「あ、ありお、か、おれ、も、い、イク・・・・ッ」
「ああ・・・・俺も、イキそう・・・・っ!」
有岡が俺にさらに腰を押し付ける。
俺のナカで脈打つ有岡のモノが、火傷しそうなほど熱い。
痛いほど、強く、腰を打ちつけられた瞬間、
俺のナカで、有岡のモノがどくりと、一層強く脈打った。
「ひ、あっ、あーッ!」
「っ・・・・く・・・・」
熱を直接流し込まれたような感覚に、俺は背を反らせて声を上げた!
襲ってくるような快感に、頭の中が真っ白になる。
有岡は俺の腰を掴んだまま、俺のナカに欲望を流し込む。
「あ、あっ、あー・・・・あー・・・・ッ」
「っ、は、はあ・・・・せんせ、大丈夫・・・・?」
快感の余韻にただ声を上げることしかできない俺の顔を覗き込む。
有岡がゆっくりと自分のモノを引き抜くと、尋常じゃない量のそれが溢れた。
「うわっ、すっげ」
自分でも驚いたような声を上げる有岡の腕を、必死で握りしめた。
びっくりしたように俺を見た有岡を、縋る気持ちで見上げる。
「ま、まだ、だめ・・・・おねが、足りな・・・・ッ」
「・・・・ッ!せん、せ・・・・」
「もっと、おねが・・・・ありおかぁ・・・・!」
必死に懇願する俺の腕を掴んで、抱き上げて、
俺の身体を強く抱きしめた瞬間、いつの間に猛っていたのだろうそれに身体を貫かれた!
自分でも聞いたことないような悲鳴を上げて、俺は必死で有岡にしがみつく。
「っ、は、も、反則だろ・・・・!」
「ひ、あ、あ、あぁアッ!あ、だ、め、はげ、しッ、ああァッ!」
ぎゅっと髪を握りしめられ、強く強く抱きしめられたまま、下から突き上げられる。
必死で有岡の背中にしがみついて、力任せにそのシャツを握りしめる。
皮張りのソファに、汗で滑らせながらも足を必死で立てた。
俺の頬を伝う汗と涙を、有岡の舌が舐めとる。
「あ、ありお、か、は、はげ、はげ、しッ、い、ひ、ぐ、げほッ!」
「お前がもっとって言ったんだろ」
勢いよくソファに押し倒されて、さらに深く身体を突き上げられた。
支えがなくなった足を、必死で有岡の腰に絡める。
有岡の熱い舌に頬を舐められる感覚に、俺は悲鳴を上げた。
「は、あ、あ・・・・ッ!」
ぎしぎしと、ソファが苦しげに軋む音がどこか遠くの方で聞こえた気がした。
ナカに捻じ込まれたモノに、どうにかなってしまいそうだ。
それは、有岡の熱だけの所為ではないけれど。
いつも以上に強い快感に、頭がおかしくなりそう。
心なしか、有岡の律動も、いつもより激しい気がする。
有岡の腰に絡めた足に力を込めると、俺の上で有岡が小さく呻いた。
もう、何も考えられない。
俺が俺じゃなくなる。
「だめ、ありお、か・・・・たすけ、て・・・・っ」
有岡の熱の篭った瞳が、俺を見下ろす。
その瞳に、頭を抱えて嘆きたくなるほど情けない顔をした俺が映った。
「だめ・・・・っ、壊れちゃう・・・・ッ!」
「・・・・ッ!」
俺の言葉に、目を見開いた有岡の顔の赤みが増したのなんて、俺が知るはずがなかった。
ただ俺のナカで一層膨張した有岡のモノに、俺は背を反らせた。
有岡は身体を起こすと、俺の顔の脇に手をつく。
「あんた・・・・どれだけ俺を夢中にさせたら気が済むんだよ・・・・ッ」
「ひ!あ、ああぁァアッ!!」
俺が達したのとほぼ同時に、一度出したとは思えないほど量のモノを再び流し込まれる。
ナカに収めたまま、再び腰を揺すりだした有岡の肩に、必死でしがみつく。
堪え切れない快感をどうにかしたくて、俺は必死で爪を立てた。
一瞬痛みに歪んだ有岡の顔が、引きつった笑みを浮かべる。
「せんせ、気持ちイ?壊れそ?」
有岡の言葉に、俺は必死で何度も頷く。
気持ちイイとか、壊れそうとか、そんな次元じゃない。
「死んじゃう・・・・ッ」
「・・・・ッ」
何がそんなに有岡の興奮を煽ったのかが、このときの俺にはわからなかった。
冷めない熱に犯されたのは、有岡も同じなのかもしれない。
「先生、好きだ・・・・月代・・・・ッ!」
「あ、りお、か・・・・っ」
俺が吐き出すモノが薄く透明になろうが、声が枯れようが、
有岡は俺が気絶するまで、解放はしなかった。
『んで?どうだったわけよ。媚薬。結構効いただろ?』
「想像以上だ。ぶっちゃけ信じてなかったんだけどな」
『はあッ?!お前!俺がアレ手に入れるのにどんだけ苦労したと思ってんだ!』
「なーんかお前の話って、信憑性に欠けるっつーか・・・・」
『ふーん?そんなこと言うんだ有岡クン?もうお前には一生売ってやんねえ』
「ああッ!じょ、冗談です加納様!」
『けっ!都合のいい奴だな』
小声で電話を交わしてても、静かすぎるこの部屋じゃ相手の声まで丸聞こえだった。
俺に背を向けてローテーブルの傍に座ってる有岡を見下ろす。
自分の目が冷ややかなことに、自分でさえ気付いていた。
「ま、まあとにかくマジで効き目は半端なかったぜ?特に先生、薬とかあんま飲まねえからな」
『マジかよ・・・・そんなに?今度俺にもヤラせろよ』
「バーカ。寝言は寝てから言え。先生は俺だけのものだ」
『ケチくせえな!あ、お前高いっつって文句言ってたけど、値段の価値はあっただろ?』
「まあな。俺は毎日だって仕込みたいけど、ただ学生には厳しい値段だな」
『ま、お前バレたら確実殺されるだろうけどな』
「そんなことしたりしねえよ。瓶だってちゃーんと処分したし、先生今寝てる、し・・・・ッ」
何気なしに振り返った有岡の顔が、見る見る蒼褪めていった。
語尾を引きつらせた有岡に、電話の向こうの加納が訝しげに声を上げる。
『おい、有岡?』
「・・・・どうした?電話、続けろよ。俺のことなんか気にせずに」
「せ、せん・・・・せ・・・・」
枯れた声で微笑みながら言ってやると、有岡は顔面蒼白になった。
有岡は冷や汗を流しながら必死で後退ろうとして、肘をローテーブルにぶつけた。
電話の向こうで、加納が何度も有岡に呼び掛けている。
覚束ない足取りでふらふらと有岡にゆっくり歩み寄ると、有岡は怯えたような顔で俺を見上げた。
「ああああの、せ、せんせ、お、落ち着いて、ね?」
「俺はいつだって冷静だぜ?」
俺の静かな怒りに、有岡の顔が泣きそうなほど真っ青になってる。
しかし、可哀想かな、冷静な怒りに燃える俺に、同情する気はなかった。
「ちょ、ま、せんせ、ッ、ギャァァァアアアッ!!!」
どこか心地よい有岡の悲鳴が、俺は満足だった。
ボッコボコにした有岡をそのまま放置して、俺は転がっていた携帯を取り上げる。
身の危険を察知したのだろう、加納との通話はすでに切れていた。
「あのクソガキィ・・・・ただで済むと思うなよ・・・・ッ」
怒りに引きつった笑みを浮かべた俺の手の中で、有岡の携帯がバキッと音を立てた。
とにかく怒りが冷めない俺は、ぐったりと床に転がってる有岡の頭を蹴って寝室へ戻り、がちゃり、鍵をかけた。
(バレンタインも!ホワイトデーも!っっっ大ッッッ嫌いだッ!!)
<ホワイトデー編・Fin>
────────────────────────────────────────
月代に「壊れちゃう」と言わせたかったどうもド変態です(^ω^) ←
というより普段絶対言わないような言葉をひたすら言わせたかっただけだったり^^
もういっそただねちこいエロが書きたかっただけかもしれ(殴
月代は快感で頭がおかしくなったら、恥じらいなく可愛いコト言ってればいい。
最早バレンタインとホワイトデーは月代のトラウマw
加納の人間関係が生みの親なりに不安である。
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