ローテーブルの上に置いていたリモコンを手に取って、ボタンを押す。
ピッと音を立ててテレビが点いた。
昼の人気番組にチャンネルを変えて、またテーブルに戻す。
カウンターの向こうの台所に戻って、朝食と昼食の食器を洗う。
テレビからどっと笑い声が上がった。
それと混じる、鼻歌と水音。
ジャブジャブと音を立てて食器を洗って、濯いだそれを乾燥機の中へ重ねていく。
ふと顔を上げて、カウンターの上に飾っている写真立てを見る。
短い黒髪の男が、自分の肩を抱き寄せている。
親指と人差し指、中指を立ててカメラに向かって突き出しているその顔には、太陽のような笑顔。
彼、千裕の愛しい、「旦那様」だ。
「えへへ」
思わず頬が緩む。
仕事に行く前、自分が作った朝食を美味しい美味しいと言いながら食べてくれた愛しい人。
あまり料理は得意ではないが、愛しい人はどんなに失敗しても美味しいと言いながら全部食べてくれる。
優しくて、明るくて、いつも大切にしてくれる、最愛の人。
幸せに緩む頬を抑えることができない。
るんるん気分で食器を片づけると、インターホンが来客を告げる。
「はーい」
ぱたぱたと玄関まで駆け寄って、ドアを開ける。
ドアの向こうを覗き込むと、見慣れた感のある黒いスーツ。
「お前なぁ。ちゃんと確認してから開けろっていっつも言ってんだろ?」
呆れたような声に、驚く。
ドアの向こうにいたのは、今頃はまだ仕事中の、
「しーちゃん!」
「うわっ」
勢いよく抱きつくと、しーちゃんこと紫苑は少しだけよろめいた。
きらきらと満面の笑顔で自分を見上げる千裕に、溜息を吐く。
「お前ねぇ・・・・人の話聞いてた?」
「どうしたのしーちゃん!おかえりなさい!お仕事は?お昼ごはんはもう食べた?」
「あー、聞いてない上に支離滅裂ですね」
言う順番がてんでバラバラな千裕に、深々と溜息を吐きながらその頭をぽんぽんと叩く。
それでもまあ、「奥様」が嬉しそうなのでよしとしよう。
にこにこと嬉しそうな千裕に、紫苑の頬も緩む。
「まず、お仕事は今日は終わり。お昼ごはんはもう食べた」
千裕の頭を撫でながら一つずつ紫苑が答える。
大人しくうんうんと頷く千裕に、それと、と付け足す。
「ただいま、チコ」
ちゅ、と音を立ててその唇にキスを落とす。
千裕は少し驚いて、嬉しそうに目を細めた。
「おかえりなさいしーちゃん!」
またぎゅーっと抱きついてきた千裕に、紫苑はそっと目を細めた。
紫苑は自分より背の低い千裕を眺める。
グレーのパーカーに黒のジーパン、そして白いエプロン。
どうせなら裸エプロンで迎えてほしかったなぁ、とは言わなかった。
紫苑のカバンを受け取って、千裕はうきうきしながら紫苑をリビングに連れていく。
嬉しそうな奥様に、紫苑は苦笑した。
「しーちゃんがお昼に家に帰って来るって珍しいね!お昼ごはん一緒に食べたかったなぁ」
「急に昼ドンになったからな。今度はちゃんと連絡するよ」
少し残念そうな千裕に、紫苑は優しく微笑んでその頭を撫でた。
二人並んでソファに座る。
すり寄って来る千裕に、紫苑は微笑んだ。
そっとその唇にキスを落とす。
「ん・・・・ん、は、んぅ・・・・」
深く重ねあって、舌を絡める。
千裕の腰に腕を回すと、細いそれがぴくりと跳ねた。
「ん、ん、しーちゃん・・・・ぁ、ふぁ・・・・」
「チコ・・・・」
くちゅくちゅと、小さな水音がリビングに小さく響く。
千裕が必死に紫苑に抱きつくと、紫苑はそっと目を細めてその身体を抱き寄せた。
紫苑の手が、千裕の足を撫でる。
「ん!しーちゃん・・・・しーちゃぁん・・・・っ」
「もう欲しいのか?昨日の晩もあんなにシたのに、やらしいなぁ?チコは」
「あぁんッ!」
熱に浮かされたように名前を呟く千裕に、紫苑は目を細める。
ぴちゃ、と水音を立てて耳を舐めると、千裕は甲高い声を上げて身体を震わせた。
千裕の身体を抱き上げて、寝室のドアを蹴り開ける。
ベッドに千裕を落として、そのまま覆い被さる。
「ああ・・・・だめだよ、しーちゃん・・・・まだお昼・・・・」
「ノリ気なくせによく言うな」
器用に片手でパーカーを脱がせながら、紫苑は千裕の白い首に舌を這わせる。
ズボンのジッパーを下ろして、下着の上から少しだけ形をなしているそれをなぞる。
「ああッ!」
「ほら、もう勃ってる」
くすっと笑って、わざと音を立ててそこを撫でる。
下着の中から聞こえる、くぐもった水音。
下着の上からでもわかるほど、千裕のそこは濡れていた。
ズボンを腰元までずらすと、千裕は足を持ち上げた。
紫苑は無造作に服をベッドの下に投げ捨てて、千裕の胸に舌を這わせた。
「あ、ああ!」
「あれ?また感度よくなった?」
ぴちゃぴちゃと厭らしく音を立てて舐めながら、紫苑は楽しそうに問う。
千裕は顔を真っ赤にしながら紫苑を見上げた。
「しーちゃんが毎日触るからだよぉ・・・・!」
「でもお前、触られるのも舐められるのも好きだろ?それとももうしないでやろうか?」
「ああん!駄目ぇ!」
手を離すと、千裕が首に縋りついてきた。
胸を紫苑の胸に押し当てる千裕に、薄く笑う。
「ホント、お前エロい」
「あッ!」
鎖骨にキスを落とすと、千裕の肩が小さく跳ねた。
再び千裕の胸に舌を這わせ、固くなった乳首を舐める。
「ん、んん・・・・ッ!ん、は、ぁ!」
ぷるぷると身体を震わせる千裕に、紫苑は笑いながら唇を舐めた。
それを見て、千裕はあ、と胸の中で呟いた。
SEXをするときの、紫苑のクセ。
加虐心にスイッチが入ったとき、つまりドSスイッチが入ったときのクセだ。
いきなり肩を掴まれて、勢いよくベッドに押し倒された。
「あ、あ!あああッ!!」
紫苑の膝が千裕の足を割って、下着の上からそこを嬲る。
ぐちゃぐちゃと、水音が一層大きくなる。
「あ、だ、だめ、しーちゃん!そ、そんなにしたら、すぐイっちゃうよぉ!」
悲鳴のような声を上げる千裕を見下ろして、紫苑は酷薄に目を細める。
潤んだ瞳が、紫苑を見上げる。
ぞくぞくと背筋を駆け上がる底知れぬ嗜虐心に、再び唇を舐める。
一層激しく、膝で千裕を扱き上げる。
「は、あ、ああッ、だ、め、だ、ああーッ!!」
ビクビクン、と大きく千裕の身体が波打つ。
下着にじんわりと、シミが広がった。
それを見て、紫苑はにやりと笑う。
「何だ千裕、もう漏らしたのか?ヤラしいなぁ」
「や・・・・いや・・・・ちが・・・・」
快感の所為で呂律が回らないのだろう、千裕が舌足らずに声を上げる。
余韻にまだ身体を震わせる千裕を見て、紫苑は一層笑みを深くした。
千裕の腕を一つにまとめて頭の上にあげると、ベッドのサイドボードの引き出しから柔らかい細長い布を取り出す。
「あ!し、しーちゃん!」
手首と手首の間で交差させながら、紫苑は手早く千裕の腕を痛めないように縛り上げる。
そのまま余った布の部分をベッドの上に突き出した装飾部分にきつく縛りつけた。
「や、やだよぅ・・・・解いてよぉ・・・・っ!」
「大人しくしてろ」
びくびくと身体を震わしながら喘ぐ千裕に冷たく言い棄てる。
ビクン、と大きく波打った身体に、目を細める。
相変わらずドMだなぁ、と思った。
同じ引き出しからもう二枚、同じように細長い布を取り出す。
今度は先ほどより太く、長い布。
ぐっしょりと濡れている下着を脱がして、一枚の布を千裕の膝裏に通してぐるぐると巻き付けた。
「や、やだよしーちゃん!」
千裕は身を捩るが本気で抵抗しない。
余った布を持ち上げ、ベッドの端にくくりつける。
後孔が晒されるように、腰を少しだけ高くして。
もう片方の足も同じように布を巻き付け、ベッドの逆の端にくくりつける。
「よしっと。おー、絶景絶景」
「いやぁぁあ!」
紫苑の言葉に、千裕は顔を真っ赤にして悲鳴を上げる。
縛り上げられた足は大きく開かされ、閉じることはもちろん叶わない。
羞恥心に震える千裕のそれと、モノ欲しげにひくつくそこがよく見える。
千裕のあられもない姿に、紫苑は楽しげに笑った。
「しまった。エプロンでも着せときゃよかった」
紫苑はちッと悔しげに指を鳴らした。
千裕はびくびくと身体を震わせながら紫苑を見上げる。
「あー、そんなモノ欲しそーな顔すんな。すぐやるから」
「しーちゃぁん・・・・!」
千裕を見下ろして、酷薄に微笑んで見せた。
身体を屈めて、ひくつくそこに唇を寄せる。
ふっと息を吹きかけると、大袈裟なほど大きく千裕の身体が大きく跳ねる。
「あ・・・・だ、め・・・・しーちゃんだめぇぇッ!!」
ぐちゅ、と音を立てて千裕の孔にかぶりついた。
ひくつくそこが、流し込まれる唾液でぶちゅぶちゅと卑猥な音を立てる。
肉付きのいい柔らかい千裕の尻を揉んで、双丘の割れ目を親指でこじ開ける。
「や、やら、し、しーちゃ・・・・ひ、ひぅん!あ、あん、ああッ!!」
孔に舌を捻じ込んで、中に唾液を流し込む。
舌すらも絞めつけようとする千裕に、紫苑は笑う。
舌を引き抜いて、そこを舌先で舐め上げる。
「舌だけじゃもう我慢できないのか?ヤーラしいなぁ、チコ?」
「ひ、ひ・・・・し、しーちゃ・・・・しーちゃん・・・・!」
ひくつくそこを、立てた舌先で何度もなぞるように舐める。
宙に吊り上げられた千裕の足が、それに呼応するようにびくびくと跳ねた。
何度も何度もそこを舌で嬲って、時折浅く捻じ込む。
顔を放して、唾液で厭らしく濡れたそこを眺める。
先ほどよりより一層ひくつくそこに、ちゅちゅと音を立ててキスをした。
「もう欲しい?」
「ん・・・・欲しい・・・・しーちゃんが欲しいよぉ・・・・!」
薄く微笑んで、ベルトのバックルを外し、チャックを下ろす。
既に大きく猛ったそれを取り出し、ひくつく孔に押し付ける。
まるで奥へ誘うように蠢くそこに、紫苑は薄く笑った。
「ヤーラしー。そんなに奥まで欲しい?」
「ほ、欲しいよぉ・・・・!」
ぐちゅぐちゅと音を立てて浅いところで抜き差しを繰り返す。
びくびくと震える足に、ねっとりと舌を這わせる。
ズン、と一気に奥まで捻じ込んだ。
「あ、ああんッ!!」
「でもチコは一回イったのに俺はイってないってずるくね?」
そのまま律動もせずに千裕の中から引き抜いた。
啜り泣きにも似た声を上げた千裕に、目を細める。
「あー縛ってったっけ。まいっか」
「あ、い、痛ッ!あ、ああん!」
紫苑は半ば無理矢理千裕の膝を合わせると、太ももと太ももの間に自身を捻じ込む。
再びサイドボードの引き出しに手を突っ込み、ローションを手にとる。
片手で器用に蓋を開けて、自身と千裕に冷たいそれをぶっかける。
千裕の膝を合わせたまま、千裕自身に自身を擦りつけ始めた。
「あ、ああ!し、しーちゃん!しーちゃぁん!」
「イくなよ?イったら今日はもう挿れてやんねえからな」
ローションと千裕から溢れだしたものが混ざり合ってぐちゃぐちゃと音を立てる。
千裕は快感に耐えようと必死で目を閉じている。
「あ、ああ・・・・しーちゃん・・・・しーちゃん・・・・ッ!」
「・・・・くッ」
小さく呻き声を上げて、紫苑は千裕と彼の腹に精を吐きだした。
紫苑は小さく息を吐くと、また自身を千裕に擦りつける。
やがて膝を掴んでいた手を離すと、自身を千裕の孔に宛がった。
「ああ・・・・しーちゃん・・・・」
「チコ・・・・」
ずっと、内壁をかき分けながら自身を推し進めていく。
奥へ奥へと誘うように蠢くそこに、紫苑は快感に顔を顰める。
中ほどまで自身を推し進めたところで、紫苑は残りを一気に捻じ込んだ。
「ひ、あ、あぁあッ!!」
急な刺激に、千裕は目を見開いて背を反らせた。
紫苑を受け入れている場所が、ひくひくとひくつく。
「チコ、動くぞ」
「あ、ま、待ってしーちゃ、あああッ!」
千裕の制止も聞かずに、紫苑は激しく腰を揺さぶり始めた。
卑猥な水音が一層増す。
肌と肌が、激しくぶつかり合う。
「しー、し、ちゃ、あ、あ、あぅ、あ、ああ!あ、あんッ」
「ッ・・・・チコ、あんまり締め付けるなよ・・・・そんなに気持ちイイか?」
激しく頭を振る千裕には届いていないらしい。
ひっきりなしに喘ぐ開きっぱなしの口から、呑み込めなかった唾液が溢れている。
ヤラしいなぁ、と紫苑は目を細めた。
「なあ、気持ちイイのか?チコ」
「あ、はあ!ん、き、気持ち、イイ、よ・・・・あんッ!」
「はは・・・・喰いちぎられそうだ・・・・っ」
ぎりぎりまで引き抜いて、一層強く腰を打ち付けた。
ビクンと、千裕の身体が跳ねる。
「ひ、は、ああぁぁあッ!」
勢いよく千裕が精を吐きだした。
一層強くなった締め付けに小さく呻いて、紫苑も最奥で果てる。
「あー、あーッ!あ、あ、ああ・・・・はぁ、ん・・・・」
ビュクビュクと白いそれを吐きだして、千裕は長く息を吐く。
紫苑は息を整えながら千裕を見下ろす。
大きく開かれた足の間に上体を入れると、千裕の唇にちゅ、とキスを落とした。
「あ、はあ、し、しーちゃん、まだ、まだ抜かないで・・・・」
「抜くわけねえだろ?まだまだだからな、チコ」
「う、うん・・・・ッ」
額にキスを落として、紫苑はまた腰を揺さぶる。
打ちつけようと腰を引くと、千裕が悲鳴のような声を上げた。
「チコ?」
「ぬかな、で・・・・抜かないでぇ・・・・っ」
懇願にも似た声を上げる千裕に首を傾げる。
いやいやするように首を横に振る千裕を覗き込む。
「じゃあどうすんの?」
「あ、ゆ・・・・揺すって・・・・っ」
千裕の言葉に、目を見開く。
紫苑は背筋を駆け上がる嗜虐心を感じながら、唇を舐める。
まったく、この新妻は、
「どれだけエロかったら気が済むんだよ」
「ひ、ああん!」
お望みどうりにとばかりに紫苑は激しく腰を揺さぶった。
少し浮いた千裕の腰を突き上げるように腰を上下に揺さぶる。
「ほら、どうだ?これがお望みなんだろ?」
「あ、あ、あッ!し、しーちゃ、あ、は、激し、よォ!」
「はッ、それが好きなんだろ?」
ぺろりと唇を舐めて、千裕の背中に腕を回す。
その細い身体を持ち上げて、さらに奥に自身を押し込む。
一層深くなった結合に、千裕は目を見開いた。
「あ、あああ!ひ、ヒィ・・・・!ひ、ひは!しー、し、ちゃッ」
「すっげえ奥まで入ったぜ?まだ入んじゃねえの?」
「も、無理、だよォ!」
まだ奥へと押し込もうとするかのように腰を押し付ける紫苑に悲鳴を上げる。
最奥で、ベッドが壊れそうなほど軋むほど、激しく千裕を揺さぶる。
「ひ、ひぅ!は、は、あ、あ、ぅ、んはッ!」
「チコ・・・・」
「し、しーちゃ、しーちゃぁん!」
鎖骨に強く吸いついて、固くなった千裕の乳首をしゃぶる。
舌で嬲って、軽く噛んで、強く吸い上げる。
ちゅ、ちゅ、と強く断続的に吸い上げると、千裕は甲高い声を上げた。
「し、しーちゃん!そ、そんなに吸ってもでないよォ!」
「いーんだよ。チコの口からヤラしい声がでるから」
にやりと笑って、もう片方の乳首を指で摘み上げる。
ぐりぐりと緩急をつけて捻ると、締め付けが一層強くなった。
「あー今すっげー気持ちいい。やっぱチコ乳首弄られんの好きだよなぁ」
「あ、ら、め、乳首イジメちゃらめぇッ!!」
「はは、舌回ってねえよ?今のすっげー可愛い」
紫苑は楽しそうに笑って乳首の頂点に爪を立てる。
ぎりぎりと爪を捻じ込むように引っ掻くと、千裕の両足が大きく跳ねて強く紫苑を締め付ける。
紫苑は気持ちよさそうに目を細めて、しゃぶっていたもう片方を強く、今度は長く吸い上げた。
「あ、は、はぁんッ!」
びくんと身体が大きく跳ねて、千裕は紫苑の腹に精を吐き出す。
黒いスーツに、千裕の白いそれが飛び散った。
「あ」
「やぁん!」
「まあいっか。あとでチコが綺麗にしろよ?」
腰を打ちつけながら薄く微笑む。
千裕は大きく身体を震わしながら何度も精を吐き出す。
「何回イってんの?昨日も一人であんなにイったのに」
「し、しーちゃんの意地悪ぅ!」
泣きながら悲鳴を上げた千裕に、紫苑は楽しそうに喉の奥で笑った。
千裕の身体をさらに持ち上げて、激しく腰を揺すって千裕を突き上げる。
「も、イク・・・・イクぅッ!」
「・・・・ッ!」
「あ、あ!ああーッ!!」
びくんと大きく身体を震わせて、千裕は再び精を吐き出す。
紫苑は千裕を力いっぱい抱きしめると、再び最奥に精を流し込んだ。
「あー!あ、あー、あーッ」
声を上げながら果てる千裕に目を細めて、濡れた音を立てながら自身を引き抜く。
腕と足を縛りあげていた布を解いて、すっかり痺れている足を撫でてやる。
「ほら、チコ、スーツ綺麗にして」
背中の後ろでベッドに手をついて、腕に体重を乗せる。
黒のスーツは、千裕の吐きだしたものですっかり汚れていた。
千裕は何とか身体を起こすと、紫苑の足に覆い被さる。
スーツを握って、それに飛び散る自分の精液を舐めとった。
「あ、し、しーちゃん・・・・苦いよぉ」
「自分が出したのだろ?それに、俺はチコの精液好きだよ?」
「やだぁ!」
そう言いながら千裕は無我夢中で自分の精液を舐めとっている。
やっぱりドMだよなぁ、と思って紫苑はうんうんと頷いた。
それを見上げて、千裕は不思議そうに首を傾げている。
「なあチコ。今日は外に食べに行こうか」
「うん!」
千裕の身体を抱き上げながら問うと、千裕は嬉しそうに頷いた。
紫苑は愛おしげに目を細めて、千裕を抱きしめる。
「帰って来たらまたチコを美味しくイタダキたいな」
ちゅと頬にキスしながら言った紫苑に、千裕の顔がぼんっと真っ赤にする。
うー、と唇をとがらせながら紫苑を覗き込むと、紫苑はくすくすと楽しそうに笑う。
「もー・・・・しょうがないなぁ」
そう言って蕩けるような笑顔を浮かべた千裕に、紫苑は目を細める。
ぎゅーっと抱き合って、甘いキスを交わした。
今日も新婚さんはラブラブです。
<昼ドン編・Fin>
────────────────────────────────────────
いやー楽しかった。楽しかったですよ(笑)
小説で一番楽しいのって、やっぱ作ってるときが一番楽しいんですよね!
新婚夫婦、旦那様は紫苑(しおん)、奥様は千裕(ちひろ)です。
実は歳の差夫婦。紫苑は28歳、千裕は19歳。紫苑ったらロリコン!(笑)
紫苑は大手企業のエリートサラリー。眼鏡が似合う鬼畜ドS。
千裕は家事に奔放中な新妻。白いエプロンが似合う淫乱ドM。
やっぱドSは作ってて楽しいね!ドMも苛めるの楽しいよ(ドSめ)
最初これGLの短編で作ってたんですけど、何か攻ちゃんがはしたなくなったんでBLに。
何かネタがぽんぽん出てきたんでシリーズ化。大出世だよ!(笑)
やっぱシリーズもんがないとサイト更新なんて頻繁にできないよ。
シリーズものがないとサイト更新がなかなかできないヘタレドSな龍瀬でした!
back